KYOJO CUP RD3 RACE REPORT

FIRST

三浦 愛AI MIURA

RD1.#109 KYOJO TOKEN DREAM VITA
RD2.#17 Team M VITA

TOTAL POINTS : 53

2ND

翁長 実希MIKI ONAGA

#114 RSS VITA

TOTAL POINTS : 37

3RD

TOTAL POINTS : 34

4TH

TOTAL POINTS : 24

KYOJO CUP supported by MUSEE PLATINUM 第3戦レポート

今シーズン初参戦の猪爪杏奈が嬉しい初優勝

2020年のKYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUMの第3戦が11月23日(月・祝)に富士スピードウェイで開催され、#86 猪爪杏奈(Dr.DRY VITA)が参戦3レース目にして初優勝を飾った。

富士スピードウェイでの開催は7月上旬の開幕大会以来。今回は予選・決勝ともドライコンディションに恵まれた他、観客を動員(パドックへの一般入場は禁止)してのレースということもあり、ファンの声援にも後押しされて、コース上では熱戦が繰り広げられた。

▷予選
13時10分から始まった公式予選では、鈴鹿サーキットでの第2大会で優勝しポイントリーダーに立った#38 三浦愛(LHG Racing YLT)が早々に2分00秒970を記録してトップに浮上。三浦はそのままタイヤ温存のためにピットに入り早々に予選セッションを終えた。他のドライバーはなかなか2分01秒台を切ることができず、これで三浦のポールポジションが確実かと思われたが、終盤になって目覚ましい走りを見せたのが猪爪だった。

残り5分というところで2分00秒962をマークし三浦を0.008秒上回ると、翌周にはさらにタイムを更新し2分00秒581を記録。これに#37 翁長実希(KeePer VITA)も途中区間までは最速タイムを記録していたが、トラフィックの影響もあったのか最終セクターでタイムを伸ばすことができず、タイムの塗り替えはならず。ここでチェッカーフラッグが振られ、猪爪が自身初のポールポジションを獲得。2番手に三浦、3番手に翁長という結果になった。

Driver’s Voice

#86 猪爪杏奈(Dr.DRY VITA)

「直前に出場したFCR VITAのレースでもタイムが出るのが最後の方だったので、KYOJO CUPでも同じだろうと思って、最初はタイムが出なくても焦らずにいくことができました。ポールポジション獲得は嬉しいですが、予選が全てではないですし、決勝は長いので、できれば三浦選手と1対1のバトルをして、経験豊富な彼女から色々と学びたいなと思います」

▷決勝
予選終了から約2時間に行われた決勝レースは12周で争われた。これまでの2戦は悪天候に見舞われたが、今回は終始ドライコンディションとなった。

ポールポジションの猪爪は好スタートを切り、トップを守ってTGRコーナーを通過。2番手に三浦が続き、3番手には翁長をかわして#87 山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)が浮上した。

序盤からペースが良かった猪爪は着々とリードを築いていき、2周終了時点で1秒以上のギャップを築いた。一方、猪爪の背後では3台での2番手争いが白熱。3周目のダンロップコーナーで山本が2番手に浮上するが、三浦もすぐに抜き返し2番手の座を取り戻すなど、手に汗握る展開が続いた。またその後方では、今大会がKYOJO CUPデビューの#522 岩岡万梨恵(佐藤工業 IDI Racing)が9番手スタートから着実な走りで5番手までポジションアップ。しかし、3周目のパナソニックコーナーでスピンを喫し、最後尾から再び巻き返しを図ることになった。

レース中盤には、中団の入賞争いが激しくなる。6周目に入るところで5位の#36 荻原友美(KNC VITA)に、#14 辻本始温(オグラクラッチ☆VITA-01)、#712 RINA ITO(恒志堂レーシング712)が接近。TGRコーナーやダンロップコーナーなど、随所でサイドバイサイドのバトルになり、コーナーごとに順位が入れ替わる目まぐるしい展開に。辻本は7周目に荻原をとらえて5番手に浮上したものの、翌周のダンロップコーナーでコースオフを喫してしまう。マシントラブルも発生し、そのままピットへ。残念ながらチェッカーを受けることがかなわなかった。これで5位争いは荻原とRINAの一騎打ちに。RINAが果敢に攻め立てていくが、荻原もなかなか隙を作らず、最終的に荻原が5位、RINAが6位でゴールしている。

トップ争いに目を移すと、後続に対して順調にリードを築いていた猪爪に対して、山本と三浦を攻略していた翁長が急接近していた。しかし、翁長に対しては反則スタートによるドライブスルーペナルティが科されており、トップを奪ったとしても優勝するのは難しいことが明らかだった。ペナルティは岩岡にも出されており、こちらは7周目に消化。ところが翁長はペナルティボードに気づかず周回を重ねてしまい、結果、黒旗を提示されることに。10周目を終えるところで翁長はピットロードへとステアリングを切り、ここでレース終了となった。

トップの猪爪は、安定したペースを保って周回。最終ラップに入る手前の段階で2番手の三浦に対して3.8秒ものリードを築いていた。しかし、残りはコース半分というところでマシンにガス欠の症状が出始める。猪爪は症状が悪化しないようにと丁寧なドライビングを心掛けて、上り坂で苦しい最終セクターも何とか通過。ホームストレートに入るときには三浦が背後まで迫ってきていたが、猪爪は残る力を振り絞り、なんとかトップでゴール。KYOJO CUP参戦3レース目にして、初の優勝を飾った。2位の三浦はこれで3戦連続の表彰台。3位には山本が入り、今季初の表彰台を獲得した。

最終ラップは予期せぬペースダウンに見舞われたこともあり、不安な状態で最終コーナーを立ち上がったという#86 猪爪だが、なんとか優勝を手にすることができ、パルクフェルメでは安堵の表情を見せた。

Driver’s Voice

#86 猪爪杏奈(Dr.DRY VITA)

「優勝できて本当に本当に嬉しいし、ホッとしています。絶対に勝てるとは思っていませんでしたが、バトルになった時は冷静な展開を心がけるようにしていましたし、逃げ切れるなら逃げ切ろうと思っていました。決して余裕なレースというわけではなかったです。実は最終ラップにガス欠症状が出ていて、止まりそうな状態でした。正直『終わったな……』と思いました。もし、あれであと1周あったらダメだったかもしれません。そういう意味で、チェッカーフラッグを見た瞬間はホッとしたという感じでした。こうして、予選も決勝も三浦選手の前でいるということは、すごく価値のあることだと思います。次回もそこを狙っていきたいですし、また一から練習をして、チームのみんなと一緒に良いクルマを作っていきたいです」

#38 三浦愛(LHG Racing YLT)

「今回は色々な経緯もあって、FCR VITAで使用したタイヤで行きました。正直、それが厳しかったです。予選はタイヤ温存のために2アタックで終えました。決勝はペース的にいけるかなと思いましたが、ところどころでキツかったですね。後半は特に悪くはありませんでしたが、序盤はグリップがないなと感じていました。タラレバを言っても仕方ないですが、イコールコンディションで戦っていたら勝てたと思います。でもいい勉強になりました。ポイントランキングでリードできたのは良かったですけど、最終戦はもっと上を目指すようなレースをしたいです」

#87 山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)

「私は小さい頃からカートをやっていたわけではないので、そういう意味で接近戦のバトルが弱く、人の後ろにピッタリついて抜いたり抜かれたりが全然できませんでした。でも、今回は初めてに近い感じでみなさんと抜きつ抜かれつのバトルができたので、自分なりには満足です。表彰台には乗ったけれど"棚ぼた"という感じの部分もありますし、それよりはみなさんとバトルができたことが光栄でした。周りの方たちもすごくお上手だったので、安心してレースができました」

KYOJO CUP第3戦 副賞の贈呈

2020年のKYOJO CUPは、新型コロナウイルス感染対策により通常とは異なるタイムスケジュールで開催されます。 表彰式も時間短縮のためにトロフィーの授与のみが行われたため、表彰式終了後に別室で副賞の贈呈を行いました。