SUPRA RD7-8 RACE REPORT

今季初参戦のHIRO HAYASHIがジェントルマンレースで2連勝。プロフェッショナルレースは石浦宏明が接戦を制す

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第4大会が12月10日(土)・11日(日)に富士スピードウェイで開催され、SUPRAクラスのジェントルマンレースは久々の出場となった#885 HIRO HAYASHI(SHADE RACING)が、プロフェッショナルレースでは#38 石浦宏明(P.MU RACING SUPRA)が優勝を果たした。

▶︎ジェントルマンレース

今回のSUPRAクラスには、SHADE RACINGが新たに加わり4台のエントリーに。#71 近藤保(アキランドレーシング)が急遽欠場となったため、71号車にはプロクラスで出場する谷川達也が賞典外として参加した。10(土)の予選では、開幕大会以来の参戦となる#38 卜部治久(P.MU RACING SUPRA)が他を圧倒する速さを披露。一時は総合4番手に食い込むタイムを記録して、第7戦・第8戦ともにポールポジションを記録した。一方、2021年の開幕戦以来のエントリーとなったHIRO HAYASHIはブレーキトラブルが発生し、満足にアタックできず。クラス最後尾からのスタートとなった。

14時00分から始まった決勝レースでは、卜部がクラストップから順調にレースを進めていくが、トラブルが解消されたHIRO HAYASHIが一気にポジションを上げ、1周目が終わる頃にはトップに浮上した。卜部も必死に食らいついていくが、2台の差は広がっていく一方で、5周目には5.8秒のリードを築いたHIRO HAYASHI。普段はスーパー耐久に出ており、こうしたスプリントレースの経験はあまりなく、自身の中でも走らせ方を試行錯誤していくレースとなった。

2番手の卜部も最後まで粘り強く走ったが、最終的にHIRO HAYASHIガ19.8秒のリードをつけて、今季初優勝。2位には卜部が入った。3位争いは終始、横井と谷川の接近戦となっていたが、最終的には横井が前でゴールした。

11(日)の第8戦決勝もグリッド順は同じ。ドライコンディションでスタートが切られると、序盤から各車入り乱れる接戦のバトルとなった。その中で、賞典外の谷川が集団から抜け出すと、前半戦は卜部とHIRO HAYASHIの一騎打ちに。前日の第7戦では先行を許した卜部は何としてもトップを守りたかったが、3周目に入ったところでポジションが入れ替わり、ここでもHIRO HAYASHIがレースをリードしていった。HIRO HAYASHIはさらに、順調なペースで走っていた谷川に追いつき、レース後半にオーバーテイク。見事、SUPRAクラス2連勝を飾った。続いてチェッカーを受けた谷川は賞典外のため、2位となったのは卜部。横井が3位に入り、今季のSUPRAクラス成績最上位となった。

Driver’s Voice

第7戦・第8戦優勝:#885 HIRO HAYASHI

「予選ではブレーキトラブルが出てしまって後方からのスタートとなりましたが、1レース目の決勝から問題なく走ることができました。いつも出ているスーパー耐久とはタイヤも違いますし、マシンのセッティングも少し変えて臨みましたが、久しぶりのスプリントレースということで、2レースとも楽しかったです」

シリーズ最上位:#45 横井克一郎

「今年は新たなドライバーの方も参戦されるようになって、これでエントリーが5台とか6台になると、もっと盛り上がると思うので、今後がとても楽しみです。僕自身は第3大会の時に、近藤選手と楽しいバトルをさせていただいたので、非常に楽しかったです。来シーズンに向けて、もっともっと練習したいと思います」

▶︎プロフェッショナルレース

プロフェッショナルレースは、開幕大会からエントリーしてきた3台に加えて、#885 平中克幸(SHADE RACING)が加わり、4台による熾烈な戦いが繰り広げられた。

予選では開幕大会から一進一退の攻防を繰り広げている石浦と片岡だが、今回もタイムアタックから0.001秒を争う走りを披露した。1周目のアタックで片岡が1分48秒479を記録し、石浦を0.048秒先行すると、次の周では石浦は1分46秒268にタイムを更新。片岡も1分46秒362を記録するが、0.034秒差で石浦が競り勝ち、第7戦のポールポジションを獲得した。2番手に片岡、3番手に#71 谷川達也(アキランドスープラ)がつけた。今季初参戦となる平中だが、予選でトラブルが出てしまいタイムアタックできず。決勝はクラス最後尾からのスタートとなった。

11(日)の決勝レースは、直前に行われたKYOJO CUPで赤旗中断があった影響で、予定より10分遅れてレーススタート。SUPRAクラスは序盤から石浦と片岡による接戦のバトルが繰り広げられた。何度かトップ浮上のチャンスを伺った片岡だが、石浦も全く隙を見せない走りを披露。序盤は1秒を切る間隔での攻防戦となったが、今回から課題だったロングランでのペースに対して対策を施してきた石浦が、後半は徐々に引き離していく展開となり、最終的に2.7秒の差をつけて、今シーズン3勝目を挙げた。また3番手争いは谷川と平中による接近戦となったが、序盤で3番手に浮上した平中がそのままポジションを守って、第7戦のチェッカーを受けた。

第7戦の順位でスタートが切られた第8戦も、序盤から接近戦の展開に。このレースを先にゴールした方が、SUPRAクラスランキングを首位で終えることができる石浦と片岡は、第7戦を上回る激しいトップ争いを展開した。だが、石浦が終始トップを守りきり、第8戦も勝利。同時に2022シーズンのSUPRAクラスランキングをトップで終えることとなった。片岡も最後は0.4秒差で食らいついたが、一歩及ばず2位フィニッシュ。片岡から遅れること0.7秒差で平中が3位チェッカーを受け、今回もSUPRAクラスは最後まで目が離せない展開となった。

Driver’s Voice

第7戦・第8戦優勝:#38 石浦宏明

「今回も熾烈な争いで、正直疲れました(笑)。前回は片岡選手に競り負けて終わったので、決勝ペースを改善できるように、片岡選手のセッティングを参考にして(良いところを)盗ませてもらいました。だから片岡選手は悔しいと思いますが、振り返ると予選で前にいけたのが勝因だったかなと思います。実際にペースでは、まだ少し負けているという感じでした。シリーズランキングも1位で終えられたということで、SF以来のチャンピオンを獲ることができました」