坪井 翔SHO TSUBOI
#39 CERUMO CRA
TOTAL POINTS : 74
RACE
REPORT
坪井 翔SHO TSUBOI
#39 CERUMO CRA
TOTAL POINTS : 74
石浦 宏明HIROAKI ISHIURA
#31 CERUMO CRA
TOTAL POINTS : 62
片岡 龍也TATSUYA KATAOKA
#45 NAVUL
TOTAL POINTS : 48
卜部 和久KAZUHISA URABE
#38 CERUMO CRA
TOTAL POINTS : 32
雨の第5戦を独走で制した橋本、快晴の第6戦は卜部が逆転勝利
2023 インタープロトシリーズ第3大会が9月23日(土)~24日(日)、富士スピードウェイで行われた。Supraクラスには5台が参戦、ジェントルマンクラスでは、第1大会、第2大会に続いて、今シーズンのルーキー#45橋本達宏(NTP GR Supra GT4 EVO)とベテラン#39卜部治久(P.MU GR Supra GT4 EVO)が1勝ずつを分け合った。プロフェッショナルクラスは#38坪井翔(TR GR Supra GT4 EVO)が本領を発揮して2連勝を獲得した。
[ジェントルマンレース]
インタープロトシリーズ第3大会、Supraクラスのジェントルマンクラスは、やはりベテランと若手新人が、お互いの持ち味を発揮した、興味深い一騎討ちとなった。
9月23日の公式予選は、本来ならジェントルマンクラスが先、プロフェッショナルクラスが後という順序にプログラムされていた。しかし朝からの霧がコース上に漂い視界が悪かったため、急遽入れ換えることになった。だがプロフェッショナルクラスの予選と、他のカテゴリーの予選が終わり、ジェントルマンクラスの予選が始まる前に、ついに雨が降り始めた。大粒の雨は瞬時に路面をウエットに変えてしまった。
全車レインタイヤで公式予選がスタートした。「FRのウエットは怖い」と言っていた橋本が早々と2分08秒328をマーク。このタイムはインタープロトを含めた全体のベストタイムとして、しばらくタイミングモニターの最上段に位置することになった。
その要因のひとつは雨量が増え、路面コンディションが悪化していったことにある。橋本自身もセカンドベストタイムを揃えるために周回を重ねたが、結局そのタイムを更新することができなかった。それでも第5戦、第6戦のポールポジションを獲得した。
予選2位は#72近藤保(アキランドGR Supra GT4 EVO)が手にし、注目の卜部は予選3位に留まった。リスクの大きい雨の予選を最小限の周回数でクリアした形だ。予選4位は#38豊島豊(TR GR Supra GT4 EVO)、予選5位に#31兼重和生(SNK GR Supra GT4 EVO)となった。
午後の決勝レース、第5戦が始まる頃にも雨は降り続いていた。セーフティカースタートとなり、それが解除された3周目にレースは始まった。ポールポジションの橋本は2位以下に2秒以上速いペースでリードを拡げていく。6周目には10秒以上にもなった。
2位争いは近藤と卜部のバトルが続いていたが、最終的には卜部が引く形で決着がついた。橋本は終盤レインタイヤがオーバーヒート気味となったものの、大きなリードにも守られ、12秒以上の差をつけて優勝を果たした。
翌日の第6戦は、一転して秋晴れ。このレースの主役は予選4位の卜部だった。オープニングラップで3位へ、2周目に2位へとポジションを上げると、3周目にはトップを走る橋本をオーバーテイクしトップに立った。
そこまでファステストラップを含めてハイペースで追い上げた卜部だったが、ペースは落ちついてしまう。橋本が何度も迫るものの、オーバーテイクには至らない。ベテランらしく後ろの橋本の動きを巧みに制した卜部が、そのままトップチェッカーを受けた。
第1大会、第2大会に続いて、第3大会もまた、1勝ずつを分け合うことになり、ここまで橋本と卜部が3勝ずつ。事実上チャンピオン争いは2人に絞られた形となっている。
Driver's Voice
第5戦優勝:#45 橋本達宏(NTP GR Supra GT4 EVO)
「雨のレースということで、タイヤの熱の入れ方がひとつの課題だったんですね。だからセーフティカースタートで助かりました。だけどちょっと熱を入れ過ぎてしまったようで、レース序盤は引き離すことができて良かったんですが、後半はタイヤが厳しくなってしまって、冷やすために水があるところを選んで走ることになってしまいました。電子制御で助けてもらっているので、攻めることもできました」
第6戦優勝:#39 卜部治久(P.MU GR Supra GT4 EVO)
「39号車は今年導入した新車で、去年まで熟成してきた38号車を目標に、親子でセットアップしてそれを超える、というのが目標なんです(笑)。今日は息子がセットアップしたマシンを試したんですけど、ニュータイヤでのスタートだったのでいろいろと試すことができました。ちょうどトラブル車両が間に入って、それで橋本選手をオーバーテイクすることができました。ファステストラップも獲れて、いいレースだったと思います」
[プロフェッショナルレース]
プロフェッショナルクラスでは、予選でサプライズがあった。第2大会で初参戦だった#39卜部和久(P.MU GR Supra GT4 EVO)が1分47秒339をマーク。2度目の予選で初ポールポジションを獲得したのだ。ランキングトップを快走する#38坪井翔(TR GR Supra GT4 EVO)も0秒102届かなかった。
今大会にはリーダー的存在の石浦宏明が欠場、代わりに#31堤優威(SNK GR Supra GT4)がステアリングを握った。Supraクラスが正式にスタートする以前に、開発を担いながら参戦していたドライバーだけに、スポットとはいえ注目された。しかし今シーズンEVOモデルへとマシンが進化し、装着タイヤも変更されていることから苦戦、予選は4位に。予選3位には#45片岡龍也(NTP GR Supra GT4 EVO)、予選5位は#72阪口良平(アキランドGR Supra GT4 EVO)となった。
決勝レース、第5戦。ポールポジションをルーキーに奪われた形の坪井は、マシンのセットアップを修正し、決意を持ってレースに臨んだ。ポールポジションを掴み取ったルーキー卜部は、日本のトップドライバーとして活躍している坪井を相手に、どんな攻防を見せるのかが注目すべき大きなポイントとなった。
しかしレースが始まると、それはすぐに決着が付いてしまった。ポールポジションが圧倒的に有利なローリングスタートだが、まだ十分に慣れていなかったことも要因かれしれない。スタート直後の1コーナー、坪井はポールポジションの卜部に並び、そのままトップに立った。2位となった卜部は堤、片岡との接近戦バトルとなり、追いかける状況にはなかった。坪井はジリジリとリードを拡げ、独走状態でトップチェッカーを受けた。卜部は何とか2位を死守、3位は堤となった。
続く第6戦は、第5戦の順位でスタートとなる。ポールポジションの坪井は、しっかりとリードして1コーナーへ。しかしその後方では第5戦よりも、さらに激しい攻防が展開していた。オープニングラップで堤がオーバーテイクして2位へ。しかし卜部は2周目に2位を取り返すことに成功。さらにバトルは展開するかと思われたが、ここでインタープロトのマシンがクラッシュしてコース上に停止してしまったため、セーフティカーが導入されてしまった。
6周目に再スタートとなったが、今度はトップの坪井に対して卜部が離れず、ピタリと背後に着ける。それでも坪井は7周目には一気に2秒以上のギャップを作り、トップチェッカーでレースを終えた。2位は卜部がキープ、3位には再スタートで先行した片岡が入った。坪井は第3戦からの4連勝となった。
Driver's Voice
第5戦第6戦優勝:#38 坪井翔(TR GR Supra GT4 EVO)
「予選では卜部和久選手にポールポジションを取られてしまったんですけど、ちょっとまだ早いぞと(笑)。彼がカートを始めた頃から見ているので、こうして一緒にレースできるのも嬉しいし、速くなっているのも楽しみですね。でもまだまだ負けるわけにはいかないので、決勝レースに向けて色々とセッティングを見直して、優勝することができました。次はもっとしっかりと準備したいと思います」