SUPRA RD5-6 RACE REPORT

ジェントルマンレースは横井と近藤が勝利を分け合い、プロレースでは片岡龍也が2連勝をマーク

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第3大会が11月12日(土)・13日(日)に富士スピードウェイで開催され、3台で争われたSUPRAクラスは、ジェントルマンの第5戦を#45 横井克一郎(NTP SUPRA)が、第6戦を#71 近藤保(アキランドスープラ)が制した。一方プロフェッショナルレースは前回大会に続き、#45 片岡龍也(NTP SUPRA)が2連勝を飾った。

▶︎ジェントルマンレース

ジェントルマンレースでは、#38 兼重和生(P.MU RACING SUPRA)が開幕大会以来の参戦となり、71号車からは近藤が同シリーズ初参戦。横井を含めた3台でのバトルとなった。

土曜日の予選では、昨年から同クラスで経験を積んでいる横井が一歩リードし、1分49秒749でトップタイムをマーク。71号車の近藤は、この週末にはじめてGR SUPRA GT4をドライブしたというが、短期間でしっかりと合わせこみ、0.3秒差のクラス2番手につけた。

午後の第5戦決勝では、スタートから三つ巴のバトルが展開。横井がスタートポジションの利を生かしてレースをリードし、スタート直後には兼重が近藤をとらえて一時2番手に浮上。2周目に近藤が抜き返し、レース中盤は横井と近藤による一騎打ちのバトルが展開された。一時は2秒のギャップを築いた横井だったが、次第に近藤もペースを上げてトップに接近。2台の差が1秒を切ろうかというところで、セーフティカーが導入された。クラス3番手ながらも、なんとかトップ2台を追いかけていた兼重がTGRコーナーでクラッシュしてしまったのだ。幸いドライバーは無事だったが、マシンが大きくダメージを受けたほか、ガードレールも大きく損傷し、レース中の修復が難しい状況だった。レースはセーフティカー先導のまま上限時間の25分を迎え、予定より1周早くチェッカーフラッグが振られることに。最後までトップを守り続けた横井が、今シーズン初優勝を飾った。

13日(日)午前に行われた第6戦だが、前日にクラッシュを喫した兼重の38号車はマシンの即時修復が難しく、このレースは欠場することになり、残る2台でのレースとなった。予選でのセカンドベストタイム順にグリッドが決定するため、近藤がクラストップからスタートしたが、背後には横井がピッタリとつけ、前日同様に接近戦のバトルが展開された。

一時は2秒近いリードを広げた近藤だったが、横井も負けじと食らいつき、レース後半は1秒を切る緊迫した戦いとなったが、最後までミスのない走りを続けた近藤がクラストップチェッカーを受け、SUPRAクラス初勝利を飾った。2位には横井がつけた。

Driver’s Voice

第5戦優勝:#45横井克一郎

「これだけ僅差でバトルをするというのは、僕自身初めての経験だったので、ちょっと緊張して、スタート前はかなりドキドキしていました。最後は正直セーフティカーに救われた部分がありましたが、トップでレースを終えられて嬉しかったですし、楽しかったです。いい経験をさせてもらいました」

第6戦優勝:#71近藤保

「すごく楽しいレースができました。このスープラGT4は金曜日に初めて乗ったのですが、すごく乗っていて楽しいクルマだなと感じました。みんなにオススメしたいくらいの素晴らしさです。ポンと乗ってここまで走れたのは良かったですし、本当に楽しかったです。横井選手もフェアに戦ってくれて、良いバトルができました」

▶︎プロフェッショナルレース

プロフェッショナルレースは、今回も片岡、#38 石浦宏明(P.MU RACING SUPRA)、#71 谷川達也(アキランドスープラ)の三つ巴バトルが、予選から展開された。

特に昨シーズンから、このGR SUPRA GT4で熾烈な争いを繰り広げている片岡と石浦は、予選から0.001秒を削りあうタイムアタック合戦を繰り広げたが、最終的に前に出たのは片岡。前回大会からペースの部分で改善できているところがあるようで、今回は石浦を0.116秒上回る1分45秒490をマーク。コースレコードを更新して、クラスポールポジションを獲得した。

決勝レースも、この2人によるバトルに期待が高まったが、ジェントルマンレースの第5戦で38号車がクラッシュを喫してしまった影響で、石浦は残念ながら決勝レース欠場が決定。片岡と谷川の2台によるバトルとなった。

スタートから順調に逃げて行こうとした片岡だが、参戦2大会目で慣れてきた部分もある谷川が、しっかりと背後につけ、プレッシャーをかけていった。それでも両者の差は徐々に広がっていったが、片岡も最後まで気が抜けなかった様子。ラストスパートをかけて谷川を4.5秒引き離し、3戦連続でトップチェッカーを受けた。

そのまま第6戦に向けてのグリッド整列が行われるが、そのインターバルの間に雨が降り始め、路面はウエットコンディションとなる。インタープロト車両の大半はレインタイヤに交換したが、SUPRAクラスの2台はスリックタイヤでレース続行を決断した。かなり滑りやすい状況ではあったが、ここでは片岡がうまくマシンをコントロールし、谷川を引き離していく。一時はインタープロト車両のトップグループと同じくらいのペースで走るなど、雨の中でも存分に45号車のパフォーマンスを発揮し、最終的には26.8秒もの大差をつけて今大会2連勝をマークした。

Driver’s Voice

第5戦・第6戦 優勝:#45片岡龍也

「前回のレースから今回に向けてセッティングを色々試したら、過去一番に良い感じになっていたので、けっこう自信はありました。決勝でも自信があった4周目以降のペースはよかったです。ただ、予想外の雨で、スリックタイヤで走ることになりましたけど、いざ始まってみたら、コントールできなくなるような事は一切なく、雨の中でも手応えを感じながら、落ち着いて谷川選手とのギャップを広げていけました。最後は安全運転で、着実にチェッカーまでクルマを運びました。今回は予選で谷川選手も差を詰めてきたので、おそらく次回は石浦選手も含めて3台のバトルになるのではないかなと思っています。楽しみです」