SUPRA RD3-4 RACE REPORT

FIRST

坪井 翔SHO TSUBOI

#39 CERUMO CRA

TOTAL POINTS : 74

2ND

石浦 宏明HIROAKI ISHIURA

#31 CERUMO CRA

TOTAL POINTS : 62

3RD

片岡 龍也TATSUYA KATAOKA

#45 NAVUL

TOTAL POINTS : 48

4TH

卜部 和久KAZUHISA URABE

#38 CERUMO CRA

TOTAL POINTS : 32

坪井翔が圧巻の2連続完全勝利。ジェントルマンは拮抗する戦い

2023 インタープロトシリーズPOWEED BY KeePer第2大会が7月22日(土)・23日(日)、富士スピードウェイで行われた。Supraクラスには5台が参戦。ジェントルマンクラスでは、速さで勝る#45橋本達宏(NTP SUPRA GT4)とベテラン#39卜部治久(P.MU RACING SUPRA)が1勝ずつを分け合った。プロフェッショナルクラスは#38坪井翔(TR SUPRA)が圧倒的な2連勝を獲得した。

[ジェントルマンレース]

梅雨明け直後ということもあり雨は降らず、真夏のような強い陽差しの下、今大会はドライコンディションでのレースとなった。ただ高い気温はタイヤにもメカニズムにも大きな影響を与えるだけに、注意が必要だ。

ジェントルマンレースの公式予選は、橋本が安定した速さを見せベストタイム、セカンドベストともにマークし、第3戦と第4戦のポールポジションを獲得した。パートナーである片岡龍也がセットアップを修正したことで、扱いやすくなったといい、それがレースでもプラスになると予想していた。第1大会では卜部に逆転され勝利を逃しているだけに、今回こそは2連勝を勝ち取りたいところだ。予選順位は第3戦、第4戦も全く同じ順位で、2位が卜部、3位に#72近藤保(アキランドスープラ)、4位が#31兼重和生(SNK SUPRA)、5位が#38豊島豊(TR SUPRA)という結果となった。

今大会のジェントルマンSupraクラスは2レースともに、12周あるいは25分という設定。第3戦はポールポジションの橋本が上手くスタートダッシュを決め、1周目で早くも1秒以上のリードを作る。追いかける2位の卜部はいつものように落ちついたレース運びで、2周目以降は大きく離されない。インタープロトのマシンが間に入ることもあり、ギャップが大きくなることもあったが、卜部のリカバリーが上手く、最終的にギャップを縮めることもあった。最終的には勢いのある橋本達宏がポール・トゥ・ウィンを決め、2位に卜部、3位に近藤という表彰台は、予選順位そのままとなった。

翌日の第4戦を控えて、各マシンはセッティングを修正する。それが狙い通りにレースペースにつなげることができたのが卜部だった。ベテランらしい的確な判断と、サポートするチームがしっかりと機能した結果である。

予選順位は第3戦と同じ。だが第4戦のスタートで橋本はリードを作ることはできず、卜部にピタリと背後に着かれてしまう。テール・トゥ・ノーズのまま、周回が続いていく。そして3周目、1コーナーに横並びで入った2台だったが、立ち上がりで橋本が姿勢を乱し、右フェンダーが卜部のフロント部分と接触してしまう。これにより両者ともに軽いダメージを負ったものの、レースは続行。フロントのダウンフォースが減ってしまった卜部は、アンダーステアに悩まされることになりペースダウン。橋本は大きくは変わらないペースで周回を続け、9周目には4秒以上のギャップに拡がっていった。 しかし残り3周というタイミングで橋本達宏が2秒近くペースダウン、ギャップは急速に少なくなっていく。エンジンがパワーダウンしてしまっていたのだ。何とかトップをキープしていたものの、ファイナルラップの最終コーナーからスリップストリームに入った卜部がコントロールライン直前でギリギリの逆転劇。第2大会の計4戦を、2勝ずつで分け合ったルーキーとスーパージェントルマンの戦いは、これからどのような展開となるのだろうか。

Driver's Voice

第3戦優勝:#45 橋本達宏(NTP SUPRA GT4)

「片岡選手が修正してくれたセットアップが走りやすく、ポール・トゥ・ウィンで勝つことができました。ただペースは卜部選手とほとんど差がない状態で、見た目ほど楽なレースではありませんでしたね」

第4戦優勝:#39 卜部治久(P.MU RACING SUPRA)

「接触した時にエアロにダメージがあって、アンダーステアが強くなってしまったのですが、そのままだとフロントタイヤの内圧が上がり過ぎてしまうので、それをケアしながら走りました。最後は橋本選手が吹けなくなってペースが落ちたので、何とかギリギリのところでオーバーテイクできました」

[プロフェッショナルレース]

プロフェッショナルSupraクラスは、第3戦、第4戦ともに坪井がポール・トゥ・ウィンで2連勝を果たした。第1大会では練習走行では速さを見せていたものの、2戦ともに#31石浦宏明(SNK SUPRA)に先行を許し2位に甘んじていただけに、今大会での復権が重要だったに違いない。

ただ石浦は第1大会で「ドライでは坪井選手に敵わないので、ウエットはチャンス」とコメントしており、実際に雨の第1大会で2連勝を飾った。そのあたりはスープラGT4に対する経験値の違いで、ウエットコンディションでの電子制御あたりにカギがありそうだ。

エントリーは5台。第2大会で加わったのはベテラン#72阪口良平(アキランド スープラ)と、今回が初参戦となる#39卜部和久(P.MU RACING SUPRA)の2人だ。卜部は第1大会でもエントリーリストに名前があったが、4輪免許取得が間に合わず、レースに参戦することはできなかった。2022年よりFIA-F4参戦中で、上位に食い込む走りを見せている。ちなみに卜部治久との親子コンビでの参戦は、インタープロトシリーズでのAKIRA/平川亮以来、2例目となる。

公式予選では、その卜部がファーストアタックでトップタイムをマーク。しかし2度目、3度目のアタックではそのタイムを更新できない。坪井は2度目のアタックでトップタイムを奪い、ポールポジションを獲得した。予選順位は2位が卜部、3位に#45片岡龍也(NTP SUPRA GT4)、4位#31石浦、5位阪口となった。

決勝レースでは、結果的には第3戦、第4戦ともに順位を入れ換えることなく、予選順位のままチェッカーを受けることになった。ただし退屈なパレードランを見せられたわけではなく、手に汗握るギリギリの戦いが繰り広げられていた。

第3戦、ポールポジションから逃げる坪井はオープニングラップでいきなり1秒811もの差を作った。卜部はそこについていきたいところだったが、仕掛ける距離には居られなかった。4位の石浦は、片岡を激しくチャージしていたがオーバーテイクならず、終盤には第4戦に向けたタイヤをセーブするペースに。

それは第4戦でも同じ傾向となった。1周目で1秒489のギャップを作った坪井は、よりハードにプッシュして差を拡げていく。卜部はやはり着いていくペースがなく、逆に片岡に追い上げられる形に。第3戦でタイヤをセーブしていた片岡は、明らかにペースが上で、ルーキーをテール・トゥ・ノーズで攻める。それでもオーバーテイクを許さず、ルーキーの卜部が2戦連続の2位を獲得した。坪井はその2位争いの影響を受けてトップを快走。最終的に5秒近いギャップを作って、2戦連続のポール・トゥ・ウィンを達成した。

Driver's Voice

第3戦第4戦優勝 #38 坪井翔(TR SUPRA)

「第1大会で悔しい思いをしたので、今回はリベンジするつもりでした。練習の時から速さはあったんですけど、ここまで上手くいくとは思っていませんでした。第3戦はスタートでリードできて、追いついて来なかったので第4戦のためにタイヤをセーブしました。第4戦は2位争いが激しかったみたいで、独走することができました。今週は完璧なレースができたと思います」