2024 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer第1大会が5月11日(土)・12日(日)に富士スピードウェイで開催され、Supraクラスは4台がエントリー。ジェントルマンレースを#72 近藤保(アキランドGR Supra GT4 EVO)が2連勝、プロフェッショナルレースでは#38 坪井翔(2W GR Supra GT4 EVO)が2連勝をマークした。
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ジェントルマンは近藤保、プロは坪井翔が開幕2連勝を飾る
2024 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer第1大会が5月11日(土)・12日(日)に富士スピードウェイで開催され、Supraクラスは4台がエントリー。ジェントルマンレースを#72 近藤保(アキランドGR Supra GT4 EVO)が2連勝、プロフェッショナルレースでは#38 坪井翔(2W GR Supra GT4 EVO)が2連勝をマークした。
【ジェントルマンレース】
ジェントルマンレースでは予選から近藤が頭ひとつ抜け出る速さをみせ、第1戦では1分49秒129を記録しポールポジションを獲得。2番手に#45 横井克一郎(NTP GR SUPRA GT4 EVO)、3番手にはタイから初参戦を果たした#38 カチョーン・チアラバノン(2W GR Supra GT4 EVO)がつけた。
第1戦決勝は序盤から近藤と横井のトップ争いが展開された。予選での速さをそのままに何とか後続を引き離したい近藤だったが、横井も0.5秒圏内のギャップを維持し、一進一退の攻防戦が続いていった。6周目に両者の差が1秒に広がったものの、後半にかけて横井が再度プッシュをかけて7周目には0.2秒差に接近。8周目のダンロップコーナーで並びかけたが、ここで2人が交錯することとなってしまった。
マシンにダメージを負った横井は9周目にピットインし優勝争いから脱落した。これにより、近藤がトップでチェッカーを受け、開幕戦優勝。2位にチアラバノン、3位に兼重和生(SNK GR Supra GT4 EVO)が入った。
第2戦決勝も近藤がポールポジションでスタート。1周目のTGRコーナーから激しいポジション争いが繰り広げられた。そんな中、前日のリベンジを果たしたい横井は積極的に仕掛けていくもタイヤが温まっていない状態で無理をしてしまい、コカ・コーラコーナーでスピン。さらにコース後半でもスピンを喫し、大きく遅れをとってしまった。
これで第2戦も近藤がレースをリードし、5周目の時点で2番手のチアラバノンに対して9.5秒のリードを築いた。その後も近藤は手を緩めることなくギャップを広げていき、トップチェッカー。見事、開幕2連勝を果たした。
2位には序盤の出遅れから挽回して、終盤に2番手まで浮上した横井。「第1戦の時は私のミスで接触してしまいました。第2戦も良いバトルをしたかったのですが、まだタイヤが温まっておらず2回スピンを喫してしまいまいた。また近藤選手と良いレースがしたいですね」と語った。
3位にはチアラバノンが入り、2戦続けての表彰台。「私にとっては初めての富士スピードウェイでのレースでしたが、とても楽しかったです。順位だけ見ると第2戦の方が良くなかったですが、ペースは確実に上がっているし、コースとクルマにも慣れることができました。チームの皆さんも歓迎してくれて、本当に楽しくレースができました」と満面の笑みをみせていた。
Driver's Voice
第1戦・第2戦 優勝:#72 近藤保(アキランドGR Supra GT4 EVO)
「ポールトゥウィンを飾れたことは嬉しいですが、本音を言えば大きく引き離すレース展開にしたかったので、ずっと接戦になったのは悔しいです。横井選手は本当にうまいので、第2戦でもバトルするのを楽しみにしていましたが、結果的に一人旅になってしまいました。でも楽しいですね。本当に乗りやすいクルマですし楽しいので、ジェントルマンの方もどんどん出ていただけると嬉しいです」
【プロフェッショナルレース】
プロフェッショナルレースでは、昨シーズンに続いて坪井がエントリーしたほか、CCS-Rクラスからスイッチした#45 山内英輝(NTP GR SUPRA GT4 EVO)がSupraクラスに初参戦。さらに昨年いっぱいでSUPER GTを引退した立川祐路が今回スポット参戦を果たし、大きな注目を集めた。
予選では坪井がライバルを圧倒する走りを披露。前日の走行でトラブルが出ていたというが、不安を感じさせない走りで1分44秒973でクラストップタイムをマーク。2番手以下に0.6秒もの大差をつけただけでなく、総合でも3番手とインタープロト車両に食い込む速さをみせた。2番手には山内、3番手に立川が続いた。
Driver's Voice
ポールポジション:#38 坪井翔(2W GR Supra GT4 EVO)
「昨日の最後にトラブルが出て、最後に新品タイヤでアタックができなかったので、そこが少し不安でしたけど、昨年の流れから引き続き調子が良いので、普通にやれば大丈夫かなと思っていました。密かに総合トップを狙っていたのですが、コンマ2秒足りませんでした。そこが残念ではありますけど、Supraクラスのなかでは0.5秒くらい離せているので、好調なのかなと思います。決勝になると、そこまで差が出ないとは思いますが、ミスさえしなければ大丈夫なのかなと思っています。ただ、今年から名古屋トヨペット(NTP)が山内選手になって、彼と同じクラスでレースに出たことはあまりないので、どういうレース展開をするのかは未知数です。特にスタートから1周目は狙ってくると思うので、気をつけたいなと思います」
12日(日)の決勝第1戦はスタートから逃げようとする坪井に対して、山内も背後につけてチャンスをうかがう。プロフェッショナルレースは第1戦と第2戦を続けて行うため、タイヤのマネジメントも重要となるが、坪井は山内に攻め込まれない間隔を維持しながらタイヤのセーブに入る。すると山内も2レース目で勝負をかけることを意識してタイヤをセーブした走りに切り替えた。
このため、2人の差は1秒弱を維持しながらも、特に接近戦になることはなく第1戦が終了。坪井が優勝し、2位が山内となった。3番手争いは立川と#72 阪口良平(アキランド GR Supra GT4 EVO)との接近戦が白熱したが、1レース目は立川が3位を死守した。
第1戦の結果順ですぐにグリッド整列して、第2戦がスタート。トップの2台はタイヤを温存していた分、スタートから一気にスパートをかけて勝負に出た。ここで速さを見せたのが坪井で、徐々に山内との差を広げていく。
一方、立川と阪口による3番手争いは激しさを増した。メインストレートで分がある阪口は、TGRコーナーで追い抜こうとするが、立川も巧みにラインを抑えてポジションを死守。2人の攻防戦はレース後半まで続いた。
結局、スタートから一度もトップを譲らなかった坪井が、2.8秒のリードを築いてトップチェッカー。開幕2連勝を果たした。2位には山内が続いた。最終ラップまで目が離せない展開となった3番手争いは立川が0.7秒差で先着。阪口は4位となった。
久しぶりのレースとなった立川は「(阪口選手に)毎回ストレートで並ばれて苦しい展開でしたけど、面白かったです。『レースしたな!』という感じでした。このクルマでロングランをしたことがなくて、なかなかペースが上がらなかったですけど、自分としては楽しめました!」と満面の笑みをみせた。
Driver's Voice
第1戦・第2戦 優勝:#38 坪井翔(2W GR Supra GT4 EVO)
「1レース目はなかなか引き離せなくて『これは2レース目に向けて温存できないな』と思っていたのですけど、抜かれる雰囲気はなさそうでしたし、山内選手が途中から温存するモードに入ったので、こちらも温存して2レース目に備えました。そこで僕の方が温存できていたのか、2レース目は山内選手がけっこうキツそうだったので、その間に逃げることができました。ただ、今シーズンは山内選手がSUPRAクラスから出ると言うことで、もっと慣れていってクルマも作り上げられいったら、同じくらいのところで勝負することになると思います。僕たちもさらに速くなるための何かを探していきたいです」