三浦 愛AI MIURA
RD1.#109 KYOJO TOKEN DREAM VITA
RD2.#17 Team M VITA
TOTAL POINTS : 86
RACE
REPORT
三浦 愛AI MIURA
RD1.#109 KYOJO TOKEN DREAM VITA
RD2.#17 Team M VITA
TOTAL POINTS : 86
翁長 実希MIKI ONAGA
#114 Car Beauty Pro RSS VITA
TOTAL POINTS : 80
斎藤 愛未AIMI SAITO
#17 Team M 岡部自動車 D.D.R VITA
TOTAL POINTS : 46
永井 歩夢AYUMU NAGAI
#50 BBS VITA
TOTAL POINTS : 44.5
三浦愛との一騎討を制した翁長実希が今季2勝目。2位チェッカーの三浦が2度目のチャンピオンに輝く
11月26日、富士スピードウェイで行われたKYOJO CUP最終戦。チャンピオン争いは、#17 三浦愛(Team M VITA)と#114 翁長実希(RSS VITA)との一騎打ちとなり、三浦が予選でポールポジションを獲得してポイントを重ね、決勝を2位でゴール。2020年以来、2度目のチャンピオンを獲得した。
【予選】
予選は、11月下旬の朝ということもあり、気温が10度以下に冷え込むなか行われた。この気温も相まって、各車のマシンコンディションは良く、上位12台が2分切りを果たすという、レベルの高い予選となった。
予選で速さを見せたのは、前戦でもポールポジションを獲得した三浦。4周目で従来のコースレコードを破る1分58秒015を叩き出すと、そのまま2戦連続のポールポジションを獲得した。翁長も一時はコースレコードを更新したものの、最終的には、三浦から約0.6秒遅れのラップタイムで2番手となり、3番手には、#337 斎藤愛未(D.D.R Vita 01)がつけた。
Driver’sVoice
ポールポジション:#17 三浦愛(Team M VITA)
予選の組み立てがうまくいっていれば、あとコンマ2、3秒は上がっていたと思います。最終コーナーを立ち上がるまでマイナス表示で来ていても、結局前に詰まってしまい、タイムを出し切れず個人的には不完全燃焼でした。ただ、マシンのコンディションは良く、昨日の別レースでクルマを大きくセットチェンジしたことが上手く働きましたね。前回のレースでは、ずっと翁長さんに後ろに付かれてしまったので、今回は前に出られないことがまず前提で、また後ろから迫られるようであれば、最後には自分が前に出られるような戦略をいくつか立てておきたいと思います。
【決勝】
最終戦は、通常の1.5倍のポイントが加算されるなか、チャンピオン争いは、ランキング1位の三浦と2位の翁長の一騎打ちとなった。三浦がポールポジションを獲得したことにより、翁長は1位にならなければチャンピオンの目はなくなった。それもあって、翁長はオープニングラップから三浦の背後にピタリとマシンを付け、果敢に攻めていく。
その後方でも、スタート直後から激しいバトルが繰り広げられた。スタートシグナルの不備も影響したのか、4番手スタートの#36 岩岡万梨恵(KNC VITA)が出遅れると、#87 山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)と#44 平川真子(RSS VITA)、#38 佐々木藍咲(LHG Racing YLT VITA)、#225 富下李央菜(KTMS VITA)が入れ替わり立ち替わり4番手を奪い合い、このバトルはレース終盤まで続いた。また、予選では、5番手タイムを出しつつも複数の走路外走行に対するペナルティで11番グリッドからのスタートとなった#86 永井歩夢(Dr.DRY VITA)が、決勝で素晴らしい走りを見せた。永井は「とにかく前に見えたマシンをすべて抜くつもりで走った」と決勝後に語っていたが、毎周のように他のドライバーをオーバーテイクし、ファステストラップも獲得して、4位でチェッカー。その鮮やかな走りに観客は魅了されていた。
三浦は、スタート前は「先頭のままぶっちぎりのレースをしたい」と話していたが、その思惑は外れ、常に翁長にぴったりとマシンを寄せられていた。4周目、13コーナーで三浦がアウトにはらんだのを見計らってお上が画インに飛び込み、1位を奪取。しかし、ホームストレートで三浦がスリップストリームを使い、またトップを奪い返す。さらに翁長が6周目の1コーナーで並びかけると、そのままコカ・コーラコーナーで前に出た。7周目には、また三浦に抜き返されるも、再度翁長が前に出る。最後までこの繰り返しかと思われたが、ここから翁長は、コーナーリングの速さを武器に、三浦を一気に突き放しにかかった。三浦はマシントラブルを抱えていたようで、追いつくことは叶わず。翁長は、そのままトップを守り切り、最終戦優勝という有終の美を飾った。三浦は、最終戦は2位となったが、ポイントは翁長を上回り、2020年以来の2度目のチャンピオンに輝いた。
Driver’sVoice
優勝:#114 翁長実希(RSS VITA)
私と三浦選手のマシンの特性が本当に真逆なので、自分のドライビングだったり、その特性を活かして走るのが私たちチームの強みだと考えていました。最終戦は、それを存分に活かすために、ギリギリまで内圧やセットアップをチームと相談をしながら決めました。最終戦にそれを良い形で出すことができて、非常に気持ちよく走らせてもらえたので、感謝の気持ちでいっぱいです。
2位:#17 三浦愛(Team M VITA)
途中でマシントラブルがあり、真っ直ぐ走らなくなったり、左コーナーで違和感があったので、ペースダウンせざるを得なくなってしまいました。シリーズチャンピオンを考えると、2位でチェッカー受ければ確定だったので、最後まで走り切ることを優先して判断しました。最終戦まで、KYOJOのレベルの高さを感じましたし、追われる立場になるのもこんなに大変なんだと思いながらも、チャンピオンを取れたことは嬉しいです。ドライバーとしてだけではなく、チームをまとめるという意味でも成長できたシーズンでした。
3位:#337 斎藤愛未(D.D.R Vita 01)
今年の予選は沈んでしまうことが多く、これまでは一発のタイムがなかなか出せていませんでした。今回は、トップタイムは出せなかったんですが、自分の中では、1年間で一番まとめられた予選になったと思います。決勝は、これまでスタートが苦手だったので、まずはスタートを失敗しないで、逃げ切ろうという作戦でした。トップからはちょっと遅れましたが、ベストなスタートが切れたと思います。今できる自分の全ては出し切れたと思うので、1年の中では一番良かったレースでした。
シリーズチャンピオン:#17 三浦愛(Team M VITA)
自分のチームを立ち上げて、初戦は10番手からのスタートだったりと苦労もありましたが、チャンピオンを獲る目標は達成できたので嬉しいです。チームのメンバーも、F3にも関わってくれていた信頼できる仲間を集めたので、シーズンを通してクルマも常に良い状態で走れました。テストが少なかったため、自分の判断力、マシンを評価する力を問われるような難しいシーズンではありましたね。ただ、この走りにつながったのは、チームみんなが信頼し合って取り組めたからだと思います。
自分がもっと若い頃は、女性ドライバーがほとんどいなくて、男性ドライバーの中で戦うのが当たり前でした。でも、今これだけ女性が増えて頑張っている子もたくさんいるので、自分もその子たちの希望になればという思いはあります。チームを立ち上げたのも、「レースが好き」という気持ちを忘れずに純粋にレースを楽しんでやってもらいたいという目標もあるんです。トップで戦っている男性ドライバーにしか分からないことももちろんあると思いますが、女性にしか分からないこともあると思うので、そういうところは、このKYOJOなどを通して、新しい女性ドライバーにも引き継いでいけたらなと思っています。
シリーズ2位:#114 翁長実希(RSS VITA)
最終戦を終えてみると、ポイントは僅差だったので、開幕戦の取りこぼしが非常に悔しいです。でも、シリーズ争いするなかで、自分に大切なことを教えてくれた一戦だったとも思うので、来年また確実にチャンピオン獲るために、これからまた頑張っていきたいと思います。KYOJOは、女子最速を証明するレースだと思っているので、絶対に勝ちたいです。男子と女子を分けるわけではないですが、私はレースで勝って強さを証明し続けることを目標にしているので、どんな選手が来ても、やはり速くい続けたいと考えています。KYOJOは、自分自身のレースの土台となる貴重なシリーズですね。
シリーズ3位:#337 斎藤愛未(D.D.R Vita 01)
1年間、毎戦着実にポイントを重ねることができたので、安定して上位を走ることができたかなと思います。トップにはちょっと届かないアベレージだったので、その点に悔いは残りますが、3位という結果はついてきたので、着実に成長できたと感じられた1年でした。個人的な目標としては、スーパーGTなどのトップカテゴリに出たいという夢はありますが、KYOJOをもっと大きくして、プロとして確立していきたいという思いもあります。女子プロみたいな感じのシリーズにしていけたらいいですね。