KYOJO CUP RD4 RACE REPORT

FIRST

翁長 実希MIKI ONAGA

#37 KeePer VITA

TOTAL POINTS : 73.5

2ND

猪爪 杏奈ANNA INOTSUME

#38 LHG Racing YLT VITA

TOTAL POINTS : 70

3RD

斎藤 愛未AIMI SAITO

#337 D.D.R Vita 01

TOTAL POINTS : 56

4TH

下野 璃央RIO SHIMONO

#47 KeePer VITA

TOTAL POINTS : 39

最終戦は猪爪杏奈が逆転で今季初勝利、翁長実希が初チャンピオンに輝く

2022年のKYOJO CUP第4戦が12月11日(日)に富士スピードウェイで開催され、#38 猪爪杏奈(LHG Racing YLT VITA)が今季初優勝を記録。シリーズチャンピオンには#37 翁長実希(KeePer VITA)が輝いた。

今シーズンの最終戦となった今回は、香港から久しぶりの参戦を果たした#115 YEUNG Denise(D.D.R VITA-01)を含む20台がエントリー。また#109 KYOJO TOKEN DREAM VITAは岡村英莉がドライブした。

【予選】

午前8時00分から25分間で行われた公式予選では、スリップストリームを使って少しでもタイムを削ろうという作戦を採るドライバーも数多くあった。そんな中で、序盤から積極的にタイムを更新していったのが#47 下野璃央(KeePer VITA)。毎周にわたってタイムを削って行き、開始から8分のところでは2分00秒551を記録しトップに躍り出た。これに対し、猪爪と#337 斎藤愛未(D.D.R VITA-01)は、お互いにスリップストリームを使い合う作戦で、ともにタイムを上げて行き、開始10分を過ぎて猪爪が2分00秒360でトップに立った。

セッション後半になるとランキング首位の翁長が一気にタイムを更新する。それまでは他車に引っかかって思うように走れていなかったが、うまくスペースを見つけたところでペースを上げ、開始14分のところで1分59秒688をマークし、トップを奪った。ライバルも負けておらず、斎藤が猪爪のスリップを使ってタイムを上げ、1分39秒858で2番手につけた。

Driver’s Voice

ポールポジション:#37 翁長実希

「本当は前半からタイムを出しかったのですが、なかなかクリアラップがとれませんでした。最初はピットアウトのタイミングをずらすことも考えましたが、気温の上がり方を考えると、絶対に早めにタイムを出した方が良いと思ったので、みんなと同じタイミングで出て、タイヤを温めながらいい場所につけて、タイムを出せればなと思っていました。そのイメージ通りのアタックができました。チャンピオン決定は素直に嬉しいですが、やっぱりKYOJO CUPで“最強・最速”というのを証明するためにはレースでの優勝とファステストラップは必須だと思うので、フルポイントでシーズンを終えられるように集中して挑みたいです」

【決勝】

午後1時30分から12周で争われた決勝レースは、スタート直後に#11 金本きれい(ピースMS制動屋SANNO VITA)、#36 荻原友美(KNC VITA)、#87 山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)、#101 岩岡万梨恵(IDIフクダ電子VITA)が絡むアクシデントが発生し、レースは1周目から赤旗中断となった。幸い4人のドライバーに怪我はなく、マシンの回収が終了すると、セーフティカー(SC)先導でレースが再開となった。

SCのランプが消灯し、4周目のレース再開に向けて各車が準備を整える中、なんと翁長に対し「スタート違反の判定」が下される。抜群に見えたスタートダッシュだったが、わずかにシグナル消灯前に動き出してしまっていたのだ。セーフティカーに続いて暫定トップを走行していた翁長だったが、これで大きく順位を落とすことが決まってしまった。4周目に入るところでグリーンフラッグが振られ本格的にレースがスタート。直後のTGRコーナーで斎藤が翁長を抜いてトップに浮上すると、そこに下野、猪爪、#86 永井歩夢(Dr.DRY VITA)が加わり、トップ争いは5台によるバトルに。ここから抜きつ抜かれつの目まぐるしい展開となった。

まずは4周目のTGRコーナーで、ペナルティを消化する前の翁長、斎藤の2台をアウト側から一気に抜き去った下野がトップに浮上するが、すぐさまADVANコーナーで斎藤が抜き返しトップを奪い返す。ダンロップコーナーでは猪爪、永井も間隔を詰め、お互いが接近した状態でコース終盤のセクター3を駆け抜けた。

続く5周目のTGRコーナーは、イン側から斎藤、翁長、猪爪、下野の4ワイド。一番アウト側のラインを選んだ下野が斎藤と翁長を一気に抜き去りトップに躍り出る。翁長はブレーキング勝負で斎藤をオーバーテイク。斎藤は猪爪の先行も許し、コーナー1つで4番手まで後退してしまった。

斎藤はダンロップコーナーで猪爪をとらえ3番手に再浮上すると、この隙をついた永井も13コーナーで猪爪をかわし4番手へ。6周目に入ったTGRコーナーでは、斎藤が翁長をかわして2番手までポジションを戻していった。6周目を終えようかというところで、翁長はピットロードへとステアリングを切りトップ集団から抜けることとなった。

7周目は、下野対斎藤のサイドバイサイドでスタート。その背後では猪爪が永井を抜き返して3番手に浮上する。翁長が集団から外れたことで、上位陣は4台の集団から2-2のパックへと様子が変わっていく。アド版コーナーでは斎藤が下野のインに切り込みトップ浮上。わずかにブレーキをロックさせてしまい挙動が乱れたが、何とか立て直してグリーンファイト100Rへ先頭で入っていく。この間に2台に近づいていた猪爪は300Rで下野をかわし2番手に浮上し、その勢いでダンロップコーナーでは斎藤にも襲い掛かった。

斎藤は必死のブレーキングとライン取りでトップを守るが、13コーナーでは猪爪が横に並びかけ、さらにスープラコーナーでは2台のバトルを横目に下野がイン側らするするとトップを奪っていく。最終コーナーをアウト側から大きく回っていった猪爪が、ホームストレートに入った時点では下野をかわしてトップに立つが、1つのコーナーだけでも4台の順位は激しく入れ替わっていった。

8周目に入ったメインストレートでは、イン側から永井、猪爪、下野、斎藤が横一線に並び、4ワイドの状態でTGRコーナーへ。ここで斎藤がトップを奪い、永井、猪爪、下野の順にオーダーが変わる。さらに直後のコカ・コーラーコーナーでは猪爪が2番手に浮上。ここでバトルが展開されている間に斎藤が一歩リードし、8周目終了時点で1.3秒にリードを広げ、トップ集団では唯一の2分01秒台を刻んで初優勝に向けて逃げ始めていった。

4台によるトップ争いに注目が集まるレースとなったが、後方でも手に汗握るバトルが展開されていた。特に#610 織戸茉彩(恒志堂レーシング YOSHIMI VITA)、#32 助川ちひろ(ビーフラット横浜grVITA)、#115 YEUNG Denise(D.D.R VITA-01)、岡村が1秒以内にひしめく接近戦のバトルで白熱していた。ペナルティにより15番手まで下がってしまった翁長もポイント獲得を諦めずに挽回。9周目に2分00秒551のファステストラップを叩き出した。

自身の初優勝をかけてトップのまま周回を重ねていた斎藤は、猪爪に対して約1秒のリードで11周目に入った。猪爪はコカ・コーラーコーナーまででその差を0.3秒詰めたが、ダンロップコーナーでは再び斎藤に差を広げられてしまう。一進一退の状況で1つ1つコーナーをクリアしていく2台だったが、パナソニックコーナーでのブレーキングで斎藤がまさかのミス。必死の立て直しでスピンは免れたものの、大きくスピードを落とすことになってしまった。猪爪がその横をかわしていきトップ浮上。永井と下野も斎藤を抜いて1つずつポジションを上げ、ファイナルラップに入っていった。

斎藤は最後のTGRコーナーで下野をかわして3番手に戻ると、アドバンコーナーで永井に詰め寄り、ダンロップコーナーの立ち上がりで並びかける。サイドバイサイドの争いのすきに下野も迫り、2つの表彰台の席をかけた3台の争いは一気にヒートアップした。3台はそれぞれのラインでパナソニックコーナーをクリアすると、最後のホームストレートへ。永井のスリップストリームを使った斎藤はコントロールラインを通過する直前で並びかけ、わずか1000分の35秒先にラインを通過。2位まで順位を取り戻してのゴールとなった。

後続が激しいバトルを展開していたこともあり、ファイナルラップの猪爪は落ち着いた走りでトップチェッカー。KYOJO CUPデビューイヤーの2020年第3戦以来となる自身2度目の勝利を飾った。2位に斎藤が入ったが、初勝利目前で犯したミスに、パルクフェルメでの様子は悔し涙。一方の永井はわずかの差で2位を逃したものの、自身初表彰台獲得に喜びの表情を浮かべていた。

Driver’s Voice

第4戦 優勝:#38 猪爪杏奈

「だいたい最終戦はどのレースもこうなりますし、自分が出ているTCRのレースもこうだったので、みんなが前に行きたいという気持ちがぶつかり合う、こういうレース展開になりがちだということは、これまでも経験してきました。スタートでアクシデントが起きた時に『今日はうまく噛み合わないだろうな』と思ったので、途中で4ワイドになった時も、みんながぶつけにいくみたいなことはしないだろうなと信じつつも、やっぱり何が起こるか分からないから、ちょっと引き気味になって様子を見ていました。それでも隙間があれば、ちゃんと仕掛けていこうと考えていました。後半は(トップ集団が)バラけて、2番手で終わるかなと思っていたところで、(斎藤選手が)失速して、前に出て優勝となりました。予選のポジションもそうですし、速さは見せられませんでしたが、他のカテゴリーで色々な人に育ててもらい、経験をさせてもらったから、冷静な判断ができたのかなと思います」

2位:#337 斎藤愛未

「1年を通してみんなとレースをしてきて、自分が速いところと相手の遅いところが分かってきていたので、そこを踏まえて走っていました。チャンスがあればいつでも行けるように、SC中もタイヤを温めて準備をしていました。レースが始まったら、序盤で仕掛けないと離されてしまうと思っていたので、隙があればすぐ仕掛けようと思っていました。中盤のバトルでトップに立つことはできましたが、そこで正直焦ってしまいました。勝ちたいという欲と、自分のメンタルに勝てませんでした。最終コーナーではちょっとスピードが出すぎていたのもありましたし、ブレーキを強く踏み過ぎてしまって。ターンインの時にリアが出ている感じで、頑張って耐えたんですがハーフスピンみたいになってしまいました。ダンロップでちょっとミスをしてしまって、それを取り返そうと思って走ってしまっていたし、ミラーで(猪爪選手が)近くにいると感じてしまったので、少し焦ってしまったのが原因かなと思います。確実に速くなってきて、最終戦ではトップ争いができたので、そこは大きな成長だったかなと自分の中でも思いますし、良いところは来年に持ち越して、悪いところは来年に活かせるように、着実に来年に向けて努力していきたいなと思います」

3位:#86 永井歩夢

「監督からレースは最初から最後までフルプッシュでいくようにと言われていたので、自分でいけるところはなるべく飛び込んでいって、自分の出せる力を精一杯出したレースでした。途中のバトルは『面白いな!』と思いながら走っていました。4ワイドの時も『みんな並ぶんだ! じゃあ一緒に並ぼう!』と思って、飛び込んで行きました。めちゃくちゃ緊張しました。後ろから誰かに行かれたら表彰台圏外になってしまうし、前の2人を抜いたら優勝できるという状況だったので。でも、楽しかったです。(初表彰台ですが)長かったという感じでもないですが、今年は順調にひとつひとつ順位を上げられていて、昨年から今年にかけて、ちょっとずつ着実に歩んできたので、その結果なのかなと思います。本当に今回の表彰台は嬉しいですし、1位も見える位置で走れたということが自信になっているので、これからも引き続きがんばっていきたいです」

シリーズチャンピオン:#37 翁長実希

「今シーズンはポールポジションも優勝もファステストラップも全て獲ろうと思って、それが今日の途中まで叶っていましたが、最後の最後で自分の集中力が足りなかったり、いつもとは違う気持ちが入ってしまったのか……。ミスが出てしまいました。自分自身にすごく悔しさを感じて、レースを終えた今は、自信をなくしてしまっている状態ですが、これを乗り越えていくためには、レースをして実力を証明していくしかないので、また来シーズンも頑張りたいと思います」