辻本 始温SHION TSUJIMOTO
#18 ORC AGUROS VITA
TOTAL POINTS : 59
RACE
REPORT
辻本 始温SHION TSUJIMOTO
#18 ORC AGUROS VITA
TOTAL POINTS : 59
荻原 友美TOMOMI OGIHARA
#36 KNC VITA
TOTAL POINTS : 32
下野 璃央RIO SHIMONO
#86 Dr.Dry VITA
TOTAL POINTS : 31
翁長 実希MIKI ONAGA
#114 Car Beauty Pro RSS VITA
TOTAL POINTS : 26
翁長実希が今シーズン初優勝
2021年のKYOJO CUP SUPPORTED BY MUSSE PLATINUM第3戦が9月26日(日)に富士スピードウェイで開催され、#37 翁長実希(KeePer VITA)が今シーズン初勝利を飾った。前回の第2戦は鈴鹿サーキットで行われたが、今回は再び富士スピードウェイに舞台を戻しての開催。初参戦のドライバー2人を含む、15台の車両がエントリーした。
▶︎予選
午前8時30分から行われた公式予選は、前夜に降った雨の影響で、コースの一部分が濡れている状況。スピンを喫する車両もあり、各車とも慎重にタイムアタックを進めていった。
その中でセッション序盤から速さをみせたのが、#34 下野璃央(YGF Drago VITA)。開始から5分を過ぎたところで2分01秒123をマークすると、その後も周回するたびにタイムを更新し、最終的に2分00秒210までタイムを詰めていった。
これに対し、開幕2連勝中と絶好調で、今回も優勝候補と目されている#18 辻󠄀本始温(ORC AGUGOS VITA)は、タイヤの内圧調整のために何度もピットインを繰り返していた。残り5分のところで最後の調整を終えて、ラスト1周のタイムアタックにかけたが、2分00秒447でトップには届かず。下野が今季2度目のポールポジションを獲得した。2番手には辻󠄀本、3位には#86 猪爪杏奈(Dr.DRY VITA)が入った。
Driver’s Voice
ポールポジション:#34 下野璃央
「雨が降った後の予選で100Rが少し濡れていましたが、他はほとんどドライだったので、影響はそこまでなかったです。開幕戦の時はドライで周りに負けていましたが、そこからセットアップも進めてきましたし、エンジンも載せ替えたり、だいぶ変わっているところもあります。それに合わせて私も集中して走れたので、良かったです。決勝は今回こそ勝たなきゃいけないと思いますし、辻󠄀本さんの連勝を何としても阻止したいです」
▶︎決勝
12時30分からの決勝レースは、直前に降り始めた雨の影響でウエットコンディションとなった。スタートではポールポジションの下野に並びかけた辻󠄀本がTGRコーナーでトップに立つが、続くコカ・コーラコーナーで再び下野が抜き返し、トップを奪い返す展開となった。
後方では5番手グリッドの#36 荻原友美(KNC VITA)が好スタートを決め順位を上げるもTGRコーナーでスピン。スタート直後に荻原の背後にポジションを落としてしまっていた猪爪はこれを避けるためにコースオフし、2台とも大きく順位を落とすことに。ウエットコンディションということもあってか、その他でもスピンや接触などが相次ぎ、この影響で猪爪と#23 コザコミヨコ(TKRI 松永建設 VITA)が1周目でピットインしリタイアとなった。
オープニングラップを終え、トップの下野が後続との差を広げにかかったが、2周目のトヨペット100Rコーナーに入るところで単独スピンを喫してしまう。これで4番手まで後退すると、スタート時に反則があったとしてドライブスルーペナルティを受け、さらにポジションを落とすことになった。
これでトップには浮上したのは辻󠄀本。3周目には2分20秒209のファステストラップを記録し、2番手の翁長との差を少しずつ広げ、7周目には6秒のアドバンテージを築いた。
最終ラップのTGRコーナーでは辻󠄀本も逆転を試みたが、ブレーキングで止まりきれずにコースオフしてしまう。これで両車の差が大きく広がり勝負あり。翁長が今季初優勝を飾った。2位にはコースオフから復帰した辻󠄀本が入り、 #11 斎藤愛未(D.D.R vita01)が2戦連続で3位に。前戦鈴鹿大会は暫定表彰終了後に繰り上げ3位が決定したことで残念ながら表彰台に上がることができなかったが、今大会では堂々の登壇。ポディウムの上で笑顔を見せた。
また、スピンとペナルティで大きく後退した下野も素晴らしい追い上げをみせ、8周目に荻原を追い抜くと、チェッカー直前に#101 岩岡万梨恵(佐藤工業 IDI VITA)を捕え、4位フィニッシュを飾った。
注目のチャンピオン争いは、辻󠄀本が59ポイントに伸ばし、ランキング2位の#36 荻原友美(KNC VITA)に対し27ポイントと大きな差をつけている。辻󠄀本が圧倒的に優位な状況で最終戦を迎えることとなるが、数字上では3位の下野、4位の翁長にも戴冠の権利が残っている。4代目の女王の座をかけ、KYOJOドライバーたちは12月の最終戦に臨む。
Driver’s Voice
優勝:#37 翁長実希
「スタートがうまくいって、そこで順位を上げることができました。2番手に上がってからは辻󠄀本選手との差はありましたけど、そこは焦らずに周回していって、必ず最後にチャンスがあると信じていました。最後にしっかりとトップに立つことができて良かったです。今年は開幕戦でマシンが不調だったり、第2戦は接触によるリタイアがあったりで、運が向かないレースが続いていました。でも、自分自身は変わらずにいつものままいるので、ちゃんと条件が揃って運がついてくれば、トップで走ることはできるんだなと……。この優勝で、また自信を取り戻すことができました」
2位:#18 辻󠄀本始温
「久しぶりの富士スピードウェイでのレースでした。路面の舗装も一部変わっていますし、それ以外の部分のグリップ感も変わっていました。その中で、下野選手は雨で速いことは分かっていたので、とにかく彼女を逃したくないと思って序盤は走っていました。ただ、路面の状況を掴むのが本当に大変で、最初は下野選手の走りをみて、どうなっているかを予測することができましたが、トップに立ってからは自分で探りに行かなければいけなかったので、逆に焦りました。終盤に翁長選手が迫ってきて、ダンロップコーナーでインに飛び込まれた時は、予想していない動きだったので驚きましたし、そこでリズムを失ってしまいました。自分の走りに徹しなきゃいけなかったんですけど、そこが足りませんでした。油断しているつもりはありませんが、一段と気を引き締められたレースでした」
3位:#11 斎藤愛未
「前回の鈴鹿では繰り上がりで3位でしたが、今回は自分の実力で3位になれて、有言実行できて良かったです。オリンピックがあった影響で路面のコンディションが変わってしまったのか、いつもの富士のウエットよりもグリップ感がなかったです。その中でも、ミスを最低限に減らしてスピンしないことを心がけて走れたので、そこが順位を上げることができた要因かなと思います。ペナルティで後退した下野選手が絶対に追い上げてくると思っていました。とにかく自分ができることに最大限集中して走れたので、このポジションを守ることができたと思います。2戦連続で3位を獲得できているので、第4戦は1位を狙って、もっとたくさん練習をして、皆さんに負けないような実力をつけたいです」