KYOJO CUP RD3 RACE REPORT

FIRST

三浦 愛AI MIURA

RD1.#109 KYOJO TOKEN DREAM VITA
RD2.#17 Team M VITA

TOTAL POINTS : 59

2ND

翁長 実希MIKI ONAGA

#114 RSS VITA

TOTAL POINTS : 50

3RD

斎藤 愛未AIMI SAITO

#337 D.D.R Vita 01

TOTAL POINTS : 28

4TH

平川 真子MAKO HIRAKAWA

#44 RSS vita

TOTAL POINTS : 28

終始戦いをリードした三浦がトップチェッカーも、ペナルティの裁定で翁長が逆転優勝

気持ち良い秋晴れの空が広がる富士スピードウェイで行われたKYOJO CUP第3戦。他のイベントも多く開催され、レースも盛り上がりを見せるなか、ここまで2連勝を果たしている#17 三浦愛(Team M VITA)が、予選から圧倒的な速さを見せた。決勝レースでも抜群のスタートからトップチェッカーを受けたが、終盤に2位を走行していた#114 翁長実希(RSS VITA)と接触。この接触に対しペナルティを科され、翁長が今シーズン初優勝を飾ることとなった。

【予選】

予選、決勝ともに、ホームストレートには1コーナーから最終コーナーにかけて向かい風が吹いており、スリップストリームがよく効くコンディション。予選では、他車の後方に入ってスリップストリームを使えたドライバーがベストタイムを更新するなか、3周目にトップタイムを叩き出したのは、単独走行していた三浦だった。#86 永井歩夢(Dr.DRY VITA)が8周目に自己ベストを更新するも、三浦には0.1秒届かず2番手に。その後、三浦も単独でタイムアップし、ファイナルラップにはさらにスリップストリームを得て、1分59秒254という好タイムでポールポジションを獲得した。2位は永井、3位は山本の順。翁長は4位となった。

Driver’sVoice

ポールポジション:#17 三浦愛(Team M VITA)

これまでの予選もペースは悪くなかったのですが、自分の少しのミスでポールが取れていなかったので、「今回は絶対ポールを獲るぞ」という気持ちで臨みました。1発目のアタックの時は、タイヤのグリップが一番良かったんですが、スリップを使うことができなかったんです。ピットサインでトップであることは分かっていたんですが、「もう少し出せる」という感覚があったので、1回クールダウンさせてスリップを使って、最後にタイムアップすることができました。最終ラップをしっかりまとめられたので、決勝に向けても良いフィーリングで挑めると思います。前回は、風向きもあってスリップがよく効いて追いつかれるようなところもありましたが、今年は、自分のマシンが一番アドバンテージを持っていると思っているので、ぶっちぎりで優勝したいです。

【決勝】

ここまで2連勝を飾り、さらに今季初ポールポジションも獲得した三浦。他のドライバーたちがどこまでその三浦に迫れるかが注目されるなか、第3戦決勝の幕が切って落とされた。

抜群のスタートを決めたのは、現在ドライバーズランキング2位で4番手からスタートした#114 翁長実希(RSS VITA)だ。1周目の1コーナーで、2番手の永井、3番手の#87 山本龍(お先にどうぞ⭐︎VITA)の2台を一気にオーバーテイク。翁長は、たった1周のうちに三浦の背後にピタリとマシンをつけた。
三浦と翁長から少し離れた後方では、#44 平川真子(RSS VITA)、永井、山本の3台が数珠つなぎになってお互いを牽制し合う。
2周目には永井がスリップを使い、平川をパス。3周目では、ホームストレートで3台がスリーワイドになり、激しいバトルも見られたが、永井がなんとか3番手を死守した。
中団に目を移すと、期待の新人#225 富下李央菜(KTMS VITA)や恒志堂レーシングでは頼れる長女役の#15 RINA ITO(恒志堂レーシングレブニーズVITA)が順位を入れ替えるバトルを繰り広げ、その後方からは、#38 佐々木藍咲(LHG Racing YLT VITA)と、普段は自動車学校の教員を務める#13 高野理加(ORC⭐︎サウンドキッズVITA)が追いかける。終始ラップタイムが良かったのは富下で、9番手スタートから徐々に前のドライバーを追い詰め、7位でフィニッシュ。実力の高さを見せた。また、今回から新たにトークン号に乗る#109 保井舞(KYOJO TOKEN DREAM VITA)は、予選でクラッシュしたものの、メカニックの懸命の作業によりマシンは修復。決勝ではしっかり走り切る姿も見せてくれた。

優勝争いは、2周目からファイナルラップまで息も付かせぬバトルが繰り広げられた。終始三浦は先頭を走っていたが、9周目の最終コーナーでラップダウンの車両に引っかかると、すかさず翁長がスリップの効く距離までマシンを詰める。1コーナーやアドバンコーナーで顔を覗かせつつ、300Rで遂に翁長が三浦にマシンを並べた。ダンロップのブレーキング勝負で、2台は軽く接触したが、両者共にダメージはなく、三浦が前のまま、最終セクターを駆け上がる。しかし、翁長が三浦に迫れたのはここまで。三浦のマシンはスリップを使わずともストレートスピードが速く、翁長がこれ以上近づくことは叶わなかった。三浦は、一度も1位を譲ることなくトップチェッカーを受け、翁長、永井と続いた。
しかしレース後、終盤に起きた三浦と翁長の接触に対し、三浦に5秒のタイム加算ペナルティが科されることに。その結果、三浦は2位に後退。翁長が繰り上がりで今シーズンの初勝利を飾ることとなった。

Driver’sVoice

優勝:1位 #114 翁長実希(RSS VITA)

自分自身にできることをしっかりやりながら戦いましたが、コーナリングでは分があるもののストレートは三浦選手の方が速く、追いつくのが精いっぱいという状態でした。わずかにあったチャンスをしっかりつかむために並びかけたタイミングで接触があり、結果的に順位が入れ替わって優勝という形になりましたが、この1戦を幸運ととらえるのではなく、次戦に向けて自分もレベルアップしなければいけないと感じています。今回ポイント差が縮まったことはチャンピオンへのチャンスだと思うので、それをしっかりとものにするために、次戦はクルマも自分のドライビングももっとまとめて、戦えるようにしていきたいです

2位:#17 三浦愛(Team M VITA)

結果として、目標としていたポールトゥウィンには届きませんでしたが、自分で組み立てていったレース展開に近いものが実現できました。もちろん細かいミスはあったし、自分で完璧だと思えるレースはないと思うので、そういう意味では満点ではないかもしれません。ただ、今年はチームを立ち上げて、ドライバーとして走る以外のこともしながら1戦目、2戦目とポールを獲れないレースが続いた中、今回はポールトゥウィンを目指してチームもいいものをどんどんと出してくれた。毎戦チームが前に進んでいる感覚を感じられているからこそ、私も強いレースを見せたいと、さらに頑張れます。いまはその相乗効果で、どんどん進化していけています。それが理想だと私は思うので、最終戦までまたインターバルは飽きますが、その間も努力を怠らず、今度こそポールトゥウィンを達成してシーズンを締めくくりたいです。

3位:#86 永井歩夢(Dr.DRY VITA)

スタートで翁長さんと平川さんに抜かれてしまったところが、まず大きな反省点かなと思います。後半タイヤが垂れてきたりミスが度々あって、平川さんに追いつかれてしまいましたね。タイヤはたれてはいたんですが、負けるつもりはなかったので、たれているなりに頑張ってカバーして走りました。あと、最終ラップを最終って知らずに走っていたんですが(苦笑)、ちゃんと仕留められていて良かったです。平川さんには、あと1周のところで一度抜かれてしまったので、今後はきちんと逃げられるように頑張ります。最終戦は、今回離されてしまった前の2台に勝ちたいですね。今季表彰台に2回乗れていますし、調子もいいと思うので、次回は優勝したいです。