KYOJO CUP RD2 RACE REPORT

FIRST

三浦 愛AI MIURA

RD1.#109 KYOJO TOKEN DREAM VITA
RD2.#17 Team M VITA

TOTAL POINTS : 41

2ND

翁長 実希MIKI ONAGA

#114 RSS VITA

TOTAL POINTS : 29

3RD

斎藤 愛未AIMI SAITO

#337 D.D.R Vita 01

TOTAL POINTS : 20

4TH

平川 真子MAKO HIRAKAWA

#44 RSS vita

TOTAL POINTS : 18

その差わずか0.078秒。三浦愛がチェッカー間際の逆転で自身初のKYOJO2連勝

第1戦とは打って変わって、晴天に恵まれたKYOJO CUP第2戦。予選では、5年ぶりにKYOJOに参戦している #44 平川真子(RSS vita)が自身初のポールポジションを獲得。決勝では、ファイナルラップまで繰り広げられた大バトルを制し、#17 三浦愛(Team M VITA)が開幕戦に続き2連勝を果たした。

【予選】

路面温度が50度を超えるような厳しい暑さに見舞われた富士スピードウェイ。第1戦では、ルーキーの #225 富下李央菜(KTMS VITA)がポールポジション獲得という鮮やかなデビューを飾ったが、第2戦の予選では、ベテラン勢のタイムアップ合戦となった。

三浦がトップタイムを叩き出すと、その背後でスリップストリームを使っていた平川がそれを塗り替えトップに。さらにその後ろから迫っていた #114 翁長実希(RSS VITA)が僅差で3番手に入るなど、スリップストリームの奪い合いで順位争いが激化した。タイヤもたれ始め、タイムアップは難しいかと思われた予選後半、翁長が残り約50秒のところでベストタイムを刻み、三浦を押さえて2位に。結果、1位平川、2位翁長、3位三浦という予選順位となった。

Driver’sVoice

ポールポジション:#44 平川真子(RSS vita)

「私は2018年にKYOJO CUPに出場していて、しばらくレースをお休みした後、今年は5年ぶりにKYOJOに帰ってきました。2018年は小山美姫選手などの強いドライバーが多く、ポールポジションを獲得するのはとても難しかったのですが、今回、ようやく初めてのポールポジションを獲得することができたので嬉しいです。私の後方では翁長選手がスリップを使っていたので、『まずい』と思いましたが、『前を向くしかない!』と思って走りました。アタックを終えて、ピットボードを見た時に『これ、私の順位?』って二度見しちゃいました(笑)。ポールポジションからのスタートは初めてなので、レースも落ち着いて頑張りたいと思います」

【決勝】

決勝は、予選からさらに気温も路面温度も上がり、マシンにとってもドライバーにとっても過酷なコンディションとなった。レースがスタートすると、自身初のポールスタートとなった平川がスタートをしっかり決めてホールショットを奪う。後方でも大きな混乱はなく、クリーンなスタートとなった。上位3台はスリップを使い合い、団子状態となってレースが展開していく。

3番手スタートの三浦は「ストレートに振ったセッティングにした」とレース後に言っていた通り、平川や翁長よりも圧倒的にストレートが伸びる。2周目に入り、三浦はホームストレートで翁長を抜くと、3周目には同様にホームストレートで平川をかわしてトップへ浮上。平川は、その後も諦めずに何度も三浦のマシンの横に顔を覗かせるが、抜き返すことはできず。「バトルでタイヤを使ってしまった」という平川は、4周目のダンロップコーナーで翁長にもオーバーテイクされ3番手に。ここからのトップ争いは、実質三浦と翁長の一騎打ちとなった。

そんな中、中団争いで、序盤から光る速さを見せていたのは、#87 山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)だ。山本は6番手からスタートすると、1コーナーで 5番手の#337 斎藤愛未(D.D.R VITA-01)をパス。さらに前を走る #86 永井歩夢(Dr.DRY VITA)に迫り、ダンロップコーナーでアウト側から永井をオーバーテイクと、1周のうちに4番手までポジションアップした。しかし、2周目のストレートでは、永井と斎藤にスリップを使われ、ホームストレートでスリーワイドになり、斎藤にオーバーテイクを許す。永井とはそのまま競り合いとなり、アドバンコーナーに差し掛かった際に接触。山本はスピンしてそのまま19番手へ転落し、永井はこの接触でドライブスルーペナルティを受けることとなった。「それでも何とか良い位置まで戻りたかった」という山本は、19番手からなんと11ポジションアップして8位フィニッシュし、力強い走りを見せた。ほかにも、富下と#36 岩岡万梨恵(KNC VITA)、#13 髙野理加(ORC☆サウンドキッズVITA)と #109 金本きれい(KYOJO TOKEN DREAM VITA)が何度もポジションを入れ替えるバトルを見せるなど、観客を大いに沸かせた。

トップ争いが動いたのは9周目。翁長はホームストレートで三浦に並びかけるも、インをしっかり押さえられて1コーナーでは攻略できず。翁長は諦めずにアウト側で並走し続け、コカ・コーラコーナーで三浦をパスしてトップに浮上した。しかし、三浦はストレートの伸びが圧倒的に良く、ホームストレートで再度翁長を抜き返す。対して翁長はコーナリングが良いため、離されることなく三浦にピッタリとついていく。

そしてファイナルラップ。翁長は1コーナーから仕掛け、並走しながら100Rに飛び込んで行くと、アドバンコーナーでイン側を押さえてトップを奪取。三浦も行かせまいと食らいつき、何度も翁長の横から顔を覗かせるが、最終コーナーまで翁長がしっかりと三浦を押さえた。しかし、「コントロールラインまであと少し」というところで、三浦がスリップを使いながら翁長の横へ並ぶ。そのまま2台は並走し、0.078秒という僅差で先にチェッカーを受けたのは、三浦だった。これで三浦は自身初めての2連勝。翁長は素晴らしいレースを見せるも、第1戦に続き涙を飲んだ。3位に入ったのは平川。最終ラップでは三浦と翁長の争いの隙にギャップを縮め、最終コーナーに入るところでは3台のパックとなっていたが、最後の伸びで2台にやや離されてしまう。それでも三浦から0.2秒、翁長とは0.141秒という僅差で3位チェッカーを受けた。

Driver’sVoice

優勝:#17 三浦愛(Team M VITA)

「今回、KYOJOで初めて2連勝したのですが、2連勝するってこんなに難しいんだなということをひしひしと感じたレースでした。予選の時から周りにマークされているなというのは感じていて、自分のリズムが取れず、他のドライバーにスリップもあげてしまい、予選は3位まで落ちてしまいました。とはいえ、チームが良いマシンを作ってくれたので、決勝は行ける自信がありました。私のマシンは、決勝レースに向けてストレート重視のセッティングにしていたので、ちょっとコーナリングは厳しかった面もありましたが、今回ストレート重視にしたのは大正解でしたね。それは自分の力ではなくチームのおかげです。とにかくオープニングラップから全く気の抜けないレースで、正直前を見ているより後ろを見ている時間の方が長かったと思います。実希ちゃんはコーナリングが速いのは分かっていたので、最後のオーバーテイクは『行くならここで行くしかない』というタイミングでした。何とか届いて良かったです」

2位: #114 翁長実希(RSS VITA)

「前回までは自分のミスがあったので、今回はまず『自分に勝つ』ということが目標でした。愛さんに勝つために、『決勝でどう前に行こうか』ということはずっと考えていて、それは戦略通りになったんです。ファイナルラップに入る時に、自分は2位でいたいと思っていて、そのあとしっかりオーバーテイクすることもできました。後はもう、“風”だけでしたね。チェッカー直後は、今まで一番大きい声を出して泣いたと思います。でも、チェッカーを受けて率直に思ったのは、こんなに自分が全力を出して、それに応えてくれるKYOJOの選手たちがいるということは、感謝だなと。ここまで良いバトルができるレースに出られていることが、本当にありがたいです」

3位:#44 平川真子(RSS vita)

「初めてのポールスタートだったので、まずはエンストせずに済んで良かったです。VITAは1人で逃げ切ることが難しいレースなので、スリップにつかれてバトルをしていたら、タイヤがたれてきて上位2人に離されてしまいました。ただ、自分自身はやれることを全て出し切ったと感じたので、悔いのないレースでした。2人がバトルするのは分かっていたので、ファイナルラップで追いついて『最後のスリップでいけるかな』と思ったんですが、届かなかったですね。それでも表彰台に上がれたのは嬉しかったです。悔しい気持ちもありますが、上位2人のレベルの高いバトルを間近で見られて、勉強にもなりました」