KYOJO CUP RD1 RACE REPORT

FIRST

翁長 実希MIKI ONAGA

#114 RSS VITA

TOTAL POINTS : 21

2ND

TOTAL POINTS : 16

3RD

三浦 愛AI MIURA

RD1.#109 KYOJO TOKEN DREAM VITA
RD2.#17 Team M VITA

TOTAL POINTS : 14

4TH

斎藤 愛未AIMI SAITO

#337 D.D.R Vita 01

TOTAL POINTS : 10

冷静な走りで荒れた展開を制し、翁長実希が開幕戦勝利

2020年のKYOJO CUP supported by MUSEE PLATINUMが7月4日(土)に富士スピードウェイで開催され、#37 翁長実希(KeePer VITA)が優勝を飾った。

▷予選
日本唯一の女性ドライバーのみで争われるレースシリーズとして発足したKYOJO CUPも4年目に突入。今年は新しいドライバーも多数参戦し、より注目度の高いレースが期待されている。これまでは早朝に公式予選を行うことが多かったが、今回は午後2時05分からスタート。路面はドライコンディションだったが、ちょうど雨が降り始めたタイミングだったこともあり、セッション序盤はコースオフをする車両が数台いた。

非常に判断が難しいコンディションで速さをみせたのが今季からKYOJO CUPに参戦する#38 三浦愛(LHG Racing YLT)。毎周にわたって自己ベストタイムを更新していくと、残り時間が2分を指したところで2分03秒976を記録。デビュー戦で2番手以下に0.5秒以上の差をつけポールポジションを獲得した。2位には同じくKYOJO CUPデビューの#86 猪爪杏奈(Dr.DRY VITA)、3番手には#87 山本龍(おさきにどうぞVITA)がつけた。

Driver’s Voice

ポールポジション:三浦愛 「ドライコンディションは自信があったんですが、少し路面が濡れていた状態から予選が始まったので、コンディション的には最終ラップが一番良い状態でした。ラスト2周で路面が乾いてきているのを感じたのでアタックをかけて、1周は2分03秒台に入って良かったんですけど、調子に乗ってブレーキを行き過ぎて失敗しました。でも、(2番手に対して)0.6秒近く差がつけることができていたので、今のクルマのセッティングとか、このコンディションの中ではまずまず良いスタートが切れたのかなと思っています」

▷決勝
予選から約2時間後に行われた決勝レース。13台のマシンがグリッドに整列しスタートが切られたのだが、その瞬間に大粒の雨が降り出した。ポールポジションの三浦はトップを守ってTGRコーナーを通過したが、4番手スタートからポジションを上げてきた翁長がADVANコーナーでトップに浮上。そのまま後続を引き離した。一方、三浦はダンロップコーナーで猪爪と接触しスピン。最後尾にまで順位を下げた。さらにコース全域で雨が降り始め、複数のマシンがスピンを喫するなど混乱の序盤戦となった。そんな中、翁長は慎重に走ることを意識しながらもペースよく周回を重ね、2周目を終了した時点で早くも4秒の差を築いていた。

しかし、天候は悪くなる一方で3周目にセーフティカーが導入。5周目に赤旗が出されレースは中断となり天候回復を待った。
約25分の中断を経て、セーフティカー先導の状態でレースが再開。8周目のところで再スタートが切られた。各車が水しぶきを上げTGRコーナーに進入していったが2番手の猪爪がスピンを喫し、後方から来た#7 おぎねぇ(ORCワコーズAFC VITA)、#48 星七麻衣(ワコーズEDニルズVITA)と接触。さらにコカ・コーラコーナーでは4番手につけていた山本もスピンするなど混乱が見られた。

その一方で翁長はレース序盤同様に後続を引き離す快走を披露した。さらに一時最後尾まで下がった三浦が怒涛の追い上げをみせ4番手で最終ラップへ突入すると、前を走る#11 斎藤愛未(D.D.R vita01)と激しいバトルを繰り広げた。

トップの翁長は7.2秒もの大差をつけて優勝。KYOJO CUPで2勝目を飾った。2位には#712 RINA ITO(恒志堂レーシングVITA 712)が入り、KYOJO CUP自己最高位を獲得した。そして3位争いは最終パナソニックコーナーの出口で斎藤に並んだ三浦がゴール直前で逆転。0.044秒差で3位を勝ち取った。

Driver’s Voice

優勝:翁長実希 「スタートから雨が降り始めて、特にセクター3では雨の影響で路面状況が変わっている状態だったので、かなり慎重に走ることを意識しました。今回は少しセッティングを変えて予選に臨んでみたんですが、それがうまくいかなかったので、決勝ではそこを改善して良いクルマで決勝を戦うことができました。逆に雨だとピーキーになる部分があったんですが、メリハリをつけて走りました。今年は“全戦全勝”を目標にしているので、しっかり有言実行できるように頑張りたいです。勢いのあるところが私の良いところではあるんですけど、きっとそれだけでは今後勝てなくなってくると思うので、慎重に(色々なことを)考えて走ることを最近は心がけています。次の鈴鹿は私がレースデビューをしたコースでもあります。すごく難しくてレベルが高いコースですが、今回のように慎重にいくところ、攻めていくところをしっかり分けて戦っていきたいです」

2位:RINA ITO 「2位になれたのは嬉しいですね。今まで3位は1回あったんですが、最近はずっと低迷していました。今回は雨の量が常に変わって路面の状況も変化する中でのレースだったので、すごく難しかったです。その中でミスをしたら終わりだと思ったので、スピンやコースアウトをしないよう意識して、無理をせずに攻められるところは攻めると決めて自分の中では落ち着いてやりました。今年はチームメイトができて2台体制なので、データの比較ができるのが大きいです。今までは1人でやっていたので、何がダメなのかが分からなかったのですが、今年はデータ分析をして良いところと悪いところが分かってきたので、トライするときにそこを注意すれば少しずつ上がっていくというのは成長していけるなと思いました」

3位:三浦愛 「スタートの時はドライコンディションでしたがコカ・コーラコーナーで一気に雨が降ってきました。雨にあまり自信がなく、慎重になり過ぎてしまいヘアピンで抜かれてしまいました。ダンロップコーナーで猪爪選手と接触してスピンしてしまったところは、自分が前にはいましたが、彼女がきているのは分かっていたので、もう少し自分でも対処のしようがあったのかなとちょっと反省しています。そこで焦りがどんどん大きくなって2周目の1コーナーでもスピンしてしまいました。赤旗中断の間、メカニックさんがすごく励ましてくれて、みんなの気持ちに応えなきゃという思いで走りました。ラッキーもあって3位まで挽回できました。自分の弱いところが出てしまった反省の多いレースでしたが、これがある意味(今年)最初のレースに出たので、これを教訓に今後頑張りたいと思います。次は自分のホームコースでもある鈴鹿なので自信はあるし楽しみにしています」

KYOJO CUP第1戦 副賞の贈呈

2020年のKYOJO CUP第1戦は、新型コロナウイルス感染対策により通常とは異なるスケジュールで開催され、表彰式もトロフィーの授与のみが行われました。
そこで表彰式終了後、別室にて副賞の贈呈を行いました。