IPS PRO RD5-6 RACE REPORT

FIRST

阪口 晴南SENA SAKAGUCHI

#3 INGING MOTORSPORT

TOTAL POINTS : 85

2ND

山下 健太KENTA YAMASHITA

#44 NAVUL

TOTAL POINTS : 78

3RD

野尻 智紀TOMOKI NOJIRI

#7 KIプロモート

TOTAL POINTS : 77

4TH

福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI

#37 K-Design

TOTAL POINTS : 66

今季初ポールを獲得した阪口晴南が第5戦を勝利するも、第6戦では一瞬の隙をついた山下健太が逆転V

2023 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第3大会が9月23日(土)・24日(日)に富士スピードウェイで開催され、IPプロクラスは第5戦が#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)、第6戦が#44 山下健太(NAVUL)が優勝を飾った。

7月下旬の第2大会から約2ヶ月のインターバルを経て、シーズン後半戦に突入したインタープロトシリーズ。今回もIP車両は12台がエントリーし、白熱のバトルが展開された。

金曜日の練習走行では大雨に見舞われるコンディションとなったが、その影響で土曜日の朝も濡れている箇所が残っている路面コンディションに。霧の影響で視界も悪かったことから、当初の予定を変更してジェントルマンレースの予選セッションを遅らせ、プロフェッショナルレースの予選から行われることになった。

【予選】

これまではCCS-R、SUPRAクラスの車両との混雑を避けるために、IP車両はセッション後半にコースインする傾向があったが、今回は天候変化も気にしてか、グリーンシグナル点灯と同時に各車が一斉にコースインしていく。まずトップタイムを記録したのは#27 ジュリアーノ・アレジ(表参道メディカルクリニック)。1分49秒668を記録すると、翌周には1分48秒680までタイムを更新し、トップにつけた。その他の車両も、タイムを更新するべく着々と準備。激しいタイムアタック合戦が始まった。

残り4分を切ったところで、アレジが1分47秒929で自身のタイムを更新すると、#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が1分47秒825、さらに#44 山下健太(NAVUL)が1分47秒334と、次々とトップタイムを塗り替えていった。

残り1分を切ってタイムを縮める車両が現れず。これで決まりかと思われたが、最終アタックに照準を合わせていた#32 小高一斗(NETZ NOVEL MIE)、#37 福住仁嶺(キーパー号)、#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)らが次々とタイムを更新。最終的に1分46秒802を記録した阪口が今季初のポールポジションを獲得した。最後には山下が1分46秒894を記録するも、わずか0.092秒届かず2番手。3番手には福住が続いた。

Driver’s Voice

ポールポジション:#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)

「路面は少し濡れている状態でしたけど、レインタイヤの方が速いという状況でもなかったですし、走れば走るほどタイムが上がっていくだろうと思っていました。最後の周にしっかりと決められたところが良かったです。最後の周にタイムを出すことを狙っていきましたけど、そこまでにタイヤの状態や前後の間合いをしっかりと調整しないとタイムは出せないので、残り時間をみながら上手くやれました。予選では山下選手がずっと速かったので、そこに勝つのは大変なことでしたけど、今週はずっとクルマも良かったですし、自信を持って挑めました。良いクルマを作ってくれたチームに感謝です」

【決勝】

土曜日は雨模様となった富士スピードウェイだが、日曜日は打って変わって晴天となり、暑さも感じるほどのコンディションとなった。今回も9周(もしくは17分)の決勝レースを2回続けて行うフォーマットで行われた。

2列の隊列を作ってローリングスタートで第5戦決勝が始まると、ポールポジションの阪口を先頭に各車がTGRコーナーに進入。各車とも第6戦に照準を定めているのか、序盤は様子を見るように他車に仕掛けるのを控える様子だった。

そんな中、一番最初に仕掛けていったのは6番手スタートの#7 野尻智紀(J-POINT)が#55 宮田莉朋(人馬一体ドライビングアカデミー)をパナソニックコーナーで抜いて5番手に浮上。それでも、翌周のTGRコーナーで宮田が抜き返して5番手を取り戻した。そこに野尻、クインタレッリ、#8 大滝拓也(表参道メディカルクリニック)が追いつき激しい中団争いが展開された。

トップ争いは、阪口を先頭に山下、福住が続き、3台がほぼ等間隔で周回を重ねていく。4周目に山下が1分46秒314でファステストラップを記録するが、阪口とのギャップが0.3秒〜0.4秒から縮まることはなく、こう着状態が続いた。

一方、宮田と野尻の5番手争いは白熱の一途を辿る。5周目のパナソニックコーナーで野尻が再び宮田を抜いて5番手に浮上すると、その後のメインストレートではクインタレッリを含めた3台横並びのバトルが展開された。結局、野尻、クインタレッリ、宮田の順でTGRコーナーを通過した。

トップ争いは、最後まで隙を見せずにトップの座を守った阪口が先頭でチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。2位には山下、3位には福住が続いた。

第5戦の到着順にグリッド再整列が行われ、すぐに第6戦の決勝レースがスタートした。

今回も、2レース目で勝負をかけるドライバーが多く、スタート直後から手に汗を握るバトルが展開された。TGRコーナーでは野尻とクインタレッリが接戦を繰り広げると、その後方ではアレジと#88 佐々木大樹(Pastel Motorsport)がサイドバイサイドのバトルを展開した。

2周目に入ると、5番手に上がったクインタレッリが前を走る#32 小高一斗(NETZ NOVEL MIE)に接近。4番手争いを繰り広げているところに野尻も加わり、ADVANコーナーで2台を一気にパスした。その後も3台による接近戦が続いたが、ダンロップコーナー入り口で姿勢を乱してしまった野尻がクインタレッリに接触。2台はそのままリタイアとなった。このうち、野尻の車両がコース上で立ち往生してしまったため、3周目に入ったところでセーフティカーが導入された。

6周目に入るところでリスタートが切られると、ここが勝負どころとばかりに各所でバトルが勃発。特にトップ争いでは、それまで仕掛けるそぶりを見せなかった山下が阪口の背後に迫り、6周目のパナソニックコーナーでオーバーテイク。そこから一気にスパートをかけてリードを広げた。

また後方では、小高と大滝のバトルも白熱。ダンロップコーナーで抜きつ抜かれつのバトルを展開したが、大滝が勢い余ってスピン。小高も若干失速した形となり、その隙をついた宮田が4番手に浮上した。

セーフティカー導入の影響により、9周より先に上限時間の17分を迎えたため、8周を終えたところでチェッカーフラッグ。山下が今季3勝目をマークした。2位の阪口は最終ラップに1分45秒990を記録し、ファステストラップを獲得。3位には福住が2戦続けて入った。

これにより、チャンピオン争いは阪口が85ポイントで首位に浮上。2番手に山下(78ポイント)、3番手に野尻(77ポイント)と大混戦の状態で11月の最終大会を迎える。

Driver’s Voice

第5戦2位・第6戦優勝:#44 山下健太(NAVUL)

阪口選手の後ろでレースを進めていきましたが、スリップストリームが思いの外効かなかったです。1コーナーだと無理やり飛び込む形になりそうだったので、確実にいくなら最終コーナーしかないなと決めていました。2レース目でしっかりと賞金を稼げたので良かったです。

第5戦優勝・第6戦2位:#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)

1レース目は最終コーナーでポジションが入れ替わることが多いので、そこを気を付けて走っていました。2レース目はアクシデントがあってセーフティカーが入ることになりました。そこからレースが再開された時に、自分よりも山下選手のペースが良いことはわかっていました。最終コーナーもタイトに入っていったのですけど、さらに内側に入ってこられました。今回のバトルで気付いたことがあったので、そこはチームと含めてみんなで話し合って、接戦の時にもう少し視野を広く持てるようにしたいです。とはいえ、抜かれたのは自分のせいなので、悔しいです。

第5・第6戦3位:#37 福住仁嶺(キーパー号)

前日の予選であの順位をとれるとは思っていなかったので、そこは良かったです。決勝もチャンスを狙っていったのですけど、トップの2台が速すぎでした。後ろは小高選手以降でバトルになっていたので、僕としては楽な展開でした。もし、あの集団に飲み込まれていたら辛かったです。前の2台がバトルしている隙をつければとは思っていましたけど、2レースとも3位ということで、ちょっと微妙な結果になりました。