IPS PRO RD3-4 RACE REPORT

FIRST

野尻 智紀TOMOKI NOJIRI

#7 KIプロモート

TOTAL POINTS : 69

2ND

阪口 晴南SENA SAKAGUCHI

#3 INGING MOTORSPORT

TOTAL POINTS : 46

3RD

山下 健太KENTA YAMASHITA

#44 NAVUL

TOTAL POINTS : 42

4TH

福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI

#37 K-Design

TOTAL POINTS : 42

序盤から混戦を抜け出した山下健太が2連勝を飾る

2023 インタープロトシリーズ POWEED BY KeePer 第2大会が7月22日(土)・23日(日)に富士スピードウェイで開催され、ポールポジションからスタートした#44 山下健太(NAVUL)が一度もトップを譲らない走りで2戦連続優勝を飾った。

【予選】

前回の第1大会では雨模様となったが、今回は週末を通して晴天に恵まれ、予選・決勝ともにドライコンディションで行われた。今回も12台がエントリーしていたIPクラスだが、#8 大滝拓也(表参道メディカルクリニック)の車両は、ジェントルマンレースの予選からマシントラブルに悩まされており、プロの予選でも1周のチェックラップを行ったのみで、タイムを記録することができなかった。

その他の11台はセッション途中からコースイン。各車ともに間合いをとりながらタイヤのウォーミングアップを行い、残り5分を切ったところから本格的にタイムアタックを開始。アタック1周目から目まぐるしく順位が入れ替わったが、周りに0.3秒差をつける1分45秒664でトップに立ったのが山下だった。

これに対し、2周目のアタックで各ライバルもタイムを更新。#7 野尻智紀(J-POINT)が1分45秒806で2番手につけると、#27 ジュリアーノ・アレジ(表参道メディカルクリニック)も0.088秒差で肉薄。そこに#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)が1分45秒749、#55 宮田莉朋(人馬一体ドライビングアカデミー)が1分45秒719をマークするなど最後まで上位のポジションが入れ替わる大接戦となった。

結局、山下のタイムを誰も上回ることができず、今季初のポールポジションを獲得。2番手には0.090秒差で宮田、3番手には0.1秒差で阪口が続き、トップ8台が0.4秒以内にひしめく大接戦の予選となった。

Driver’s Voice

ポールポジション:#44山下健太(NAVUL)

「金曜日からギアが落ちないという症状が出ていましたが、予選では問題はなかったです。昨日の練習ではニュータイヤを履いていなかったのでどうなるか分からなかったですが、予選での位置取りもうまく行きました。ただ周りも僅差ですし、スリップストリームをうまく使えた分の差かなと思います。とにかくポールポジションを獲れて良かったです。決勝はトラブルが心配というのもありますし、周りも手強くて絶対逃げられないと思っているので、混戦のなかで最後にうまくトップを獲れるようにいきたいです」

【決勝】

23日(日)の決勝レースは2戦とも9周で争われた。1レース目となる第3戦決勝はスタートでは、各車とも後半の展開を想定してか、ポールポジションの山下を先頭に各車1列になってTGRコーナーを通過していく。

それでも1周目から動きがあり、ダンロップコーナーでは阪口が宮田を抜いて2番手に浮上。さらに2周目に入るとTGRコーナーでアレジと#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)がサイドバイサイドのバトルを繰り広げ、コカ・コーラコーナーでクインタレッリが6番手に浮上。その隙をついて#32 小高一斗(NETZ NOVEL MIE)もADVANコーナーでアレジを攻略した。

アレジは2つポジションを落とす形となったものの、諦めずに小高に対しバトルを挑み、レース中盤には白熱したポジション争いを繰り広げた。

上位グループに目を転じると、阪口、宮田、野尻、#37 福住仁嶺(キーパー号)の4台が接近し、互いに隙を探り合う展開を披露。なかでもレース終盤にかけてペースを掴んできた野尻が宮田に対し接近。8周目のパナソニックコーナーから間合いを合わせた野尻が宮田に並びかけていくが、順位の入れ替わりはなかった。

結局、スタートから一度もトップを譲らずに1秒以上のリードを築き続けた山下がトップチェッカー。今シーズン初勝利を飾った。2位には阪口、3位には宮田が入った。

第3戦の順位をもとに、すぐグリッド再整列が行われ、第4戦の決勝レース(9周)がスタートした。ここでも山下が好スタートを決めてトップでTGRコーナーを通過。しかし、第3戦とは打って変わって各車とも1周目から積極的にポジションを上げようとバトルが展開された。

まず動きがあったのは3番手争い。野尻が宮田に対して積極的に仕掛けていき、ダンロップコーナーでパス。さらに2周目ではコース前半を使って宮田と福住が接近戦を繰り広げ、激闘のすえ福住が4番手を奪った。このバトルがきっかけとなり、福住を先頭に後方集団が1列で連なり、接近戦が激化することとなる。

一方、トップ集団では開幕大会で2連勝を飾った野尻が4周目と5周目に連続してファステストラップを更新し、2番手を走る阪口に接近。7周目のパナソニックコーナーでイン側の狭いスペースに飛び込むと、メインストレートで前に出て2番手に浮上した。

このレースでも後続がバトルをしている間にリードを広げていた山下。終盤はタイヤが苦しくなったこともありペースが鈍ったが、しっかりとトップを守り切って2戦連続で優勝を飾った。2位には野尻、3位には阪口が続いた。

第2大会を終え、野尻が69ポイントでランキング首位を維持。2番手には46ポイントに伸ばした阪口が浮上し、山下と福住が24ポイントで続いている。次回の第3大会は9月23日・24日に富士スピードウェイで開催される。

Driver’s Voice

第3戦・第4戦 優勝:#44 山下健太(NAVUL)

「1レース目は早めに仕掛けていって、1周目に宮田選手を抜くことができました。ただ山下選手には追いつけそうな感じはなかったですし、2レース目の方がキツいだろうなと思って、1レース目は大きな目標を立てずに2位でゴールしました。2レース目はスタートで山下選手に離されたので厳しいレースになってしまったのですけど、後方集団との差もあったので表彰台は獲れそうだなと思っていましたが、終盤はペースが違い過ぎて野尻選手を押さえることは出来ませんでした。山下選手と野尻選手がけっこう速いですが、次大会は季節も変わるので、今回の内容をしっかり精査して、諦めずに上位の2台を追いかけていきたいです」

第3戦 3位:#55 宮田莉朋(人馬一体ドライビングアカデミー)

「今回は練習走行の時から、走り続けるほどエンジンが遅くなっていく印象で、レース中もコーナー脱出時の加速やストレートエンドの伸びが周りと比べると遅かったです。できる限り対抗はしましたけど、周りと比べると苦しい状況でした。その中で1レース目が3位、2レース目で4位という結果は悪くないと思いますし、コーナーは速くてセットアップも良かったので、今回の結果は万々歳かなと思っています」

第4戦 2位:#7 野尻智紀(J-POINT)

「みんなタイヤの消耗が進んでいなかった1レース目は自分に分がない状態でした。1レース目の終盤に状況が変わってきたかなという感覚でしたけど、追い抜くには至りませんでした。2レース目で優勝を狙っていくとなると、最初に宮田選手を抜かないとチャンスがなくなるなと思って、多少強引でしたが1周目で追い抜くことができました。幸い後ろの集団が混戦状態になったので、自分は前だけを見て追いかけていきました。1回大きなミスをしてしまった周があったので、それがなければ最後にトップまで届いたかどうかというところまでいけた気がしています。そこが勿体なかったです」