IPS GEN RD7-8 RACE REPORT

FIRST

勝又 隆二RYUJI KATSUMATA

#7 KIプロモート

TOTAL POINTS : 183.5

2ND

大山 正芳MASAYOSHI OYAMA

#72 アキランド レーシング

TOTAL POINTS : 140

3RD

渡邊 久和HISAKAZU WATANABE

#16 TOMEI SPORTS

TOTAL POINTS : 102

4TH

末長 一範KAZUNORI SUENAGA

#96 K-tunes Racing

TOTAL POINTS : 81

勝又隆二と大山正芳が白熱バトル! 2連勝した勝又が初のジェントルマンクラス王者に輝く

2023インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第4大会が11月25日(土)・26日(日)に富士スピードウェイで開催され、ジェントルマンクラスは第7戦・第8戦ともに#7 勝又隆二(J-POINT)が連勝し、初の同クラス年間王者に輝いた。

【予選】

今年最後の戦いとなる第4大会も、今までと同じ顔ぶれが揃ったが、#96 末長一範(岡山トヨペット K-tunes)が、都合により25日(土)までのセッションを欠席することとなり、同日朝に行われた予選は5台によって争われた。

11月下旬ということで、気温・路面温度ともに低くなっている中でセッションが開始されたが、その直後にエキスパートクラスの#37 大蔵峰樹(キーパー号)がコースオフを喫し赤旗が出される。幸い、大蔵のマシンにダメージはなく、自走でピットへ戻り、すぐにセッションが再開された。

ここまでのジェントルマンクラスは、勝又が一歩リードしている展開が続いたが、シーズン途中から#71 大山正芳(アキランドIPS)が徐々に近づき始め、クラストップの座を脅かし始めている。今回の予選でも勝又が1分49秒821で暫定トップタイムを記録するものの、最終ラップのアタックでタイムを更新した大山が0.259秒上回る1分49秒562を叩き出し、ジェントルマンクラスポールポジションを獲得した。2位には大山、3位には#88 八木常治(Pastel Motorsport)が続いた。なお、セカンドベストタイムでグリッドが決まる第8戦では勝又がポールポジションを獲得。これにより、第7戦の結果次第で勝又の初タイトルが決まる可能性も出てきた。

Driver’s Voice

ポールポジション:#71 大山正芳(アキランドIPS)

「だいぶインタープロトのマシンには慣れてきましたが、予選はそこまで速かったという感じではなかったですね。金曜日にトラブルが出て走り込めなかったので、いきなり予選アタックという感じだったので、金曜日に走れていれば、もうちょっと行けたかなと思います」

【第7戦 決勝】

13時20分から行われた第7戦決勝。ジェントルマンクラスはポールポジションの大山を先頭に12周のスタートが切られた。クラス2番手の勝又は、優勝すれば第7戦の時点でチャンピオンが決まるという状況だったが、大山との間にエキスパートクラスの植田正幸(ルーニーアキランドダイワIPS)もいるという状況で、この3台によるバトルが序盤から繰り広げられた。

後方ではクラス3番手スタートの八木がポジションを維持して周回。それを#16 渡邊久和(ララパルーザ)が追いかけ、レース中盤には抜きつ抜かれつのバトルとなった。

序盤から接近戦が続いたトップ争いは、勝又が4周目のTGRコーナーで植田を抜いて大山の背後につくも、序盤から安定したペースを維持していた大山に近づくことができない。それでも、後半に入ったところで射程圏内に捉えるとTGRコーナーからコカ・コーラコーナーにかけて大山を攻略しにかかった。

対する大山も、必死に応戦して勝又の先行を阻止する。そこに植田もバトルに加わり、10周目のTGRコーナーでは3台横並びのバトルも見られた。

その後も大山と勝又の接近戦は白熱。11周目のTGRコーナーでは2台並んで、ブレーキをギリギリまで遅らせるバトルを繰り広げたが、ここでわずかに限界を超えた大山がスピン。勝又はコースオフ寸前のところで踏みとどまり、ついにクラストップの座を掴んだ。

そのまま最終ラップも走り切り、今季5勝目を記録。最終戦を待たずにシリーズチャンピオンとなった。2位にはスピンを喫しながらもポジションを守った大山。悔しい結果になったものの「最後の1コーナーは意地と意地のぶつかり合いでした!」とバトルを楽しんでいた様子だ。

3位には八木がつけていたが、レース終盤にコースオフを喫してポジション後退。渡邊が3戦連続で表彰台に立った。八木もコースに復帰して4位でフィニッシュ。5位には堅実な走りをみせた#8 山崎哲之(表参道メディカルクリニック)が入った。

Driver’s Voice

第7戦優勝:#7 勝又隆二(J-POINT)

「今回は植田選手もバトルに絡んでいたので、なかなか先行することができなかったですね。大山選手の横に並ぶことはできるものの、抜ききれないという状況が続いていました。最後の1コーナーは2人でブレーキをロックさせながら飛び込んでいきました。大山選手はスピンしてしまいましたが、僕もけっこうギリギリのところ耐えて曲がっていった感じでした。そうしたら、今度は植田選手が後ろから来ていたので、大変でした。明日も大山選手とのバトルになりそうですが、植田選手も来ると思うので、そこをどうやって対応するかが鍵になりそうです」

【第8戦 決勝】

前日の曇り空とは打って変わり、晴天に恵まれた26日(日)。早朝から今季最終戦となる第8戦決勝が始まった。グリッドは予選で記録されたセカンドベストタイム順で並べられ、勝又がポールポジション、2番手に大山という順でスタートが切られた。第7戦を欠場した末長は、クラス最後尾からのスタートとなった。

第7戦とは違い、クラスの先頭からレースを始められる勝又。序盤からリードを広げたかったものの、序盤は大山のペースがよく、1周目で勝又をとらえてトップに立つ。それに対して勝又も食らいついていき、今季最終戦のジェントルマンクラスは、2台による接近戦が終始続く展開となった。

3番手争いも八木と渡邊のバトルが白熱。その中で、前半に隙をついて前にでた渡邊が徐々にリードを築いていった。八木の後方には末長も迫っていたが、第7戦と同様に力強い走りを披露し、4番手のポジションを守っていった。

注目のトップ争いは、後半に入ってもこう着状態のまま。TGRコーナーやダンロップコーナーなど、ブレーキングポイントで差を縮めようと試みる勝又に対し、大山もミスのない走りで相手に隙を見せなかった。

このまま、大山が逃げ切るかと思われたが、残り2周のTGRコーナーで勝又がついに逆転。その後もサイドバイサイドのバトルが繰り広げられたが、なんとか凌ぎ切った今季のジェントルマンクラス王者が、トップに躍り出た。

最終的に0.4秒差で逃げ切った勝又が、今季6勝目をマーク。2位の大山は「終盤まで前を走っていたんですけど、やられてしまいました」と悔しそうな表情をみせた。3位には渡邊が入り、第7戦と同じ顔ぶれの表彰台となった。八木は最後まで健闘をみせるも、表彰台には届かず4位フィニッシュ。末長が5位で続き、山﨑も粘り強く走り切って6位入賞を果たした。

こうして、2023年シーズンのインタープロトシリーズが終了。勝又が初のクラス王者となったが、大山の台頭など、最後まで目が離せない戦いが繰り広げられた。

Driver’s Voice

第8戦優勝/シリーズチャンピオン:#7 勝又隆二(J-POINT)

「今回も大山選手とのバトルになりました。最初はちょっと離されましたが、途中から追いついて最後の2周で追い抜こうと思って、1コーナーに飛び込んでいきました。予定通り1コーナーで抜けましたが、その後はベッタリと張り付かれて、ずっと後ろを気にしながら走っていました。大山選手のプレッシャーはきつかったですが、なんとか耐えることができました。昨年はクラッシュもあって1大会乗れていないこともありましたが、今年は全戦出られて初めてのジェントルマンクラスチャンピオンとなりました。ただ、大山選手も手強かったですし、植田選手とのバトルもありました振り返るとめちゃめちゃ大変なシーズンだったなと思います。チャンピオンになったので、来年はエキスパートクラスになるのか……まだ分からない状況です。あのトップ集団はすごく速いので、現状ではついていけないですけど、少しずつ追いついていきたいです」