IPS GEN RD3-4 RACE REPORT

インタープロト初参戦の川田浩史が、アグレッシブな走りをみせて2連勝をマーク

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第2大会のジェントルマンレースが10月22日(土)・23日(日)に富士スピードウェイで開催。IPジェントルマンクラスでは、今季インタープロトシリーズに初参戦する川田浩史(人馬一体ドライビングアカデミー)が2連勝を飾った。

5月の開幕大会から約5ヶ月のインターバルを経て開催された今回の第2大会。土曜日からの公式セッションを前に、各チームとも事前に富士スピードウェイに入り、積極的に練習を重ねていた。今大会ではIPジェントルマンクラスに6台がエントリー。このうち、#8 表参道メディカルクリニックが新規参戦を果たしたほか、#55人馬一体ドライビングアカデミーは今季ドライバーを一新し、プロドライバーは宮田莉朋が加入、ジェントルマンドライバーには新たに川田浩史が加わった。

▶︎予選

22日(土)の公式予選は、曇り空の中でスタート。各車が一斉にコースインしタイムアタックを始めたが、コース上に落下物が発生し、開始10分のところで赤旗が出された。残り6分弱というところでセッションが再開されると、初参戦の川田がいきなりライバルたちを圧倒する走りを披露。2番手以下を1秒以上引き離す1分48秒508を記録し、クラストップに躍り出た。

しかし、セッション終盤に、グリーンファイト100Rでスピンを喫してしまい、その先にいた#7 勝又隆二(J-POINT)に接触。これで挙動を乱した7号車はバリアにクラッシュしてしまい、リア部分に大きなダメージを負ってしまった。また55号車も右リアのサスペンションにダメージを受け、自走でピットイン。ちょうどセッションが終了するタイミングだったため、赤旗等は出されなかった。このアクシデントはレースアクシデントと判断され、川田がデビュー戦でクラスポールポジションを手にすることとなった。

第3戦決勝

15時25分からの第3戦決勝では、予選での混乱や小さなトラブルを抱えていたチームもあり、川田、#96 末長一範(岡山トヨペット K-tunes)、#16渡邊久和(ララパルーザ)の3台がタイヤを2本以上交換したためグリッド降格のペナルティを受け、#8 山崎哲之(表参道クリニック)もピットレーンでの速度違反があったとして1グリッド降格となった。

これにより、IPジェントルマンクラスは#88 八木常治(Pastel Motorsport)がトップからスタート。後方が混戦になっている間に好ペースでリードを広げ、特に1周目はエキスパートクラスの集団に食らいついていく走りをみせた。

その八木を追いかけたのが、川田と末長。3周目に背後につくと、4周目には3台が並んでTGRコーナーに飛び込んでいき、川田がトップに浮上。末長が2番手に続き、八木は3番手に後退した。

レース中盤に入ると、トップ争いは川田と末長の一騎打ちとなり、随所でサイドバイサイドのバトルを展開した。川田は初参戦とは思えないほどアグレッシブな走りを披露したが、IPSでは経験豊富な末長が冷静に対処し、6周目にオーバーテイク。ここでトップに浮上した。

レース後半に入っても、2台による抜きつ抜かれつのバトルが続いていたが、残り2周になったところで末長のマシンにトラブルが発生。スロー走行を余儀なくされた。この隙に川田がトップを奪い返すと、そのまま最終ラップもミスなく走りきり、見事デビューウィンを果たした。

末長はトラブルにより1周あたり10秒近くペースダウンを余儀なくされたが、なんとかクラス2位を死守。3位には八木が入り、今季初のクラス表彰台を飾った。

Driver’s Voice

第3戦 優勝:#55 川田浩史

「めちゃくちゃ緊張していて、1週間前からあまり寝られていませんでしたが、いざ乗り出してみたら、意外とタイムが出たので、安心して予選に臨めました。ただ、予選では接触があってメンタル的にもだいぶ揺さぶられてしまいました。気持ちを完全に切り替えられたわけではなかったですけど、集中して決勝に臨めたかなと思います。ここまで本格的なレースはやったことがなかったんですけど、バトルとかもけっこうドキドキしていましたけど、優勝できて本当に良かったです」

▶︎第4戦決勝

23日(日)の早朝、吉報が飛び込んできた。前日の予選でクラッシュを喫し、マシンが大破してしまった7号車だが、今回参戦していないチームの協力を受け、第4戦の参戦にこぎつけることができたのだ。ガレージには白いカラーリングにスポンサーロゴが貼られた車両が収められ、チームも慌ただしく準備を進めていた。なお、車両変更に伴い、勝又はクラス最後尾からの出走となった。

予選でのセカンドベストタイム順にグリッドが決められる第4戦は、川田がクラストップからスタート。前日の経験を活かして、序盤から力強い走りをみせていくも、後方には第3戦でトップ争いを演じた末長が迫ってきており、早くも接戦のバトルが繰り広げられた。

レース中盤に差し掛かると、エキスパートクラスの#44 山口達雄(NAVUL)、#3 FRYING RAT(INGING MOTORSPORT)の総合3番手争いに川田と末長が追いつき、4台による接近戦が展開された。6周目のADVANコーナーで山口がスピンで後退したため、後半はFRYING RATを含む3台による抜きつ抜かれつのバトルとなったが、ここでも川田はIPSルーキーとは思えないほどの冷静かつアグレッシブなドライビングでFRYING RATを追い詰めていった。

結果的に、彼の前に出ることは叶わなかったが、クラス2番手の末長に対して、3秒の差をつけて、ジェントルマンクラス2連勝を飾った。2位には末長が入り、同クラスのランキング首位を維持。3位には渡邊が入った。

急きょ車両を入れ替えての参戦となった7号車の勝又はアクシデントなく走りきりクラス4位でチェッカー。この週末が初レースとなった8号車の山﨑も、第3戦・第4戦ともに途中スピンを喫する場面があったものの、2レースとも完走を果たした。

Driver’s Voice

第4戦 優勝:#55 川田浩史

「楽しかったです。今日は前もいて後ろからも来るという感じでしたけど、後ろがあまり仕掛けてくる感じがなかったので、前に集中できました。自分自身、余裕が少しできてきたので、落ち着いて走ることができたと思います。こういったレーシングタイヤに乗った経験は今までなかったですし、スリックタイヤも初めての経験でしたけど、Gも高いし、車速も高いので、最初は圧倒されていました。だけど、乗れてくると、タイヤの情報とかも分かりやすいので、楽しいクルマだなというイメージを持っています。(昨年まで55号車をドライブしていた)寺川とは、実は同期なんです。この参戦が決まってからも、いろいろなことを教えてもらいました。すごく良い環境でやらせてもらっています」