IPS GEN RD1-2 RACE REPORT

FIRST

勝又 隆二RYUJI KATSUMATA

#7 KIプロモート

TOTAL POINTS : 44

2ND

植田 正幸MASAYUKI UEDA

#37 K-Design
RD4 #8 アキランド レーシング

TOTAL POINTS : 34

3RD

末長 一範KAZUNORI SUENAGA

#96 K-tunes Racing

TOTAL POINTS : 24

4TH

渡邊 久和HISAKAZU WATANABE

#16 TOMEI SPORTS

TOTAL POINTS : 22

ウエットコンディションとなった2023開幕大会、ジェントルマンクラスは勝又隆二が連勝

2023 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第1大会が5月13日(土)・14日(日)に富士スピードウェイで開催され、IPエキスパートクラスは、第1戦、第2戦とも#7 勝又隆二(J-POINT)がクラス優勝を飾った。

11年目を迎えたインタープロトシリーズだが、昨シーズンはジェントルマンクラスでも白熱したバトルが繰り広げられるなど、レースを重ねるごとに注目度が増している。今シーズンも12台のインタープロト車両がエントリーし、そのうち6台がジェントルマンクラス。顔ぶれに関しては、#55 川田浩史(人馬一体ドライビングアカデミー)がエキスパートクラスに移った以外は、同じメンバーで争われることとなる。

【公式予選】

13日(土)の公式予選は、あいにくの雨模様となり、滑りやすい路面に各車苦戦するセッションとなった。グリーンシグナルと同時に各車がコースインするも、開始5分のところで、エキスパートクラスの#3 FLYING RAT(INGING MOTORSPORT)がTGRコーナーでコースオフを喫し、ガードレールに接触。コース脇にマシンを止めたため、セッションは赤旗中断となった。

車両の回収が終わり、残り10分のところから再開され、ジェントルマンクラスでも目まぐるしく順位が入れ替わっていった。残り5分を切って、各車が最後のタイムアタックに入ろうかというところで、今度はジェントルマンクラスの昨年王者である#96 末長一範(岡山トヨペットK-tunes)がTGRコーナーで足元をすくわれてしまいコースオフ。ガードレールに接触した。幸い、末長に怪我はなかったが、マシンは大きなダメージを受けて走行不能。このセッション2度目の赤旗が出され、そのまま予選終了が宣言された。

最後は少々不完全燃焼な形で終わってしまったが、総合3番手に入る2分02秒584を記録していた勝又が、ジェントルマンクラスのポールポジションを獲得した。クラス2番手には#71 大山正芳(アキランドIPS)、3番手は末長という結果になった。

Driver’sVoice

ポールポジション:#7 勝又隆二(J-POINT)

「実は僕にとって、IPSの本番での雨は初経験でした。野尻選手に乗り方とか、ブレーキングポイントとかを教えていただきました。それを踏まえながら思い切りいったら、クラストップだったので良かったです!」

【第1戦決勝】

14時50分から始まった第1戦の決勝。午前中のアクシデントでマシンにダメージを負っていた3号車と96号車の修復も完了し、インタープロト車両は12台全てがグリッドについた。しかし、朝から雨が降り続く状況は変わらず、安全を考慮してセーフティカー(SC)先導でスタートが切られることに。4周目に入るところからグリーンフラッグが振られ、レーススタートが切られた。

ジェントルマンクラスでは、総合3番手スタートの勝又が序盤から安定したペースを維持。7号車でパートナーを組む野尻智紀から、事前に水たまりがある箇所を確認し、慎重なドライビングを心がけたとのこと。それが功を奏し、終始力強い走りをみせた。

また、後方では6番手スタートの大山が大活躍。4周目のコカ・コーラコーナーで川田がスピンを喫し、5番手に上がると、エキスパートクラスでチャンピオン経験のある#44 山口達雄(NAVUL)の背後に迫り、隙があれば積極的に仕掛けていく走りをみせた。最初はなかなか突破口を見出せなかったが、7周目の300Rでアウト側からオーバーテイクし、総合4番手に浮上した。

さらにジェントルマンクラスの表彰台をかけた争いも#16 渡邊久和(ララパルーザ)と、末長による接近戦が終始展開されたほか、雨が降りしきる難しいコンディションのなか、#88 八木常治(Pastel Motorsport)、#27 山﨑哲之(表参道メディカルクリニック)も、粘り強く走り切っていた。

本来ならば12周で争われるが、序盤のSC先導などもあり、レース最大時間の25分が経過。11周でチェッカーフラッグが振られることとなった。ジェントルマンクラスは、勝又が優勝。2位に大山、3位に渡邊が入る結果となった。

Driver’sVoice

優勝:#7 勝又隆二(J-POINT)

「事前に野尻選手と入念に打ち合わせをして、雨の富士でどこを気をつけた方が良いか、川ができる場所はどこなのかを、アドバイスをいただいていたので、オンボード映像を一緒にみながら確認をしました。それが今回のレースではすごく活きたと思います。第2戦も天気がどうなるかわかりませんが、精一杯頑張ります」

【第2戦決勝】

14日(日)の午前に行われた第2戦の決勝レースは、前日の予選で記録されたセカンドベストタイム順でグリッドに各車が整列。ここでは大山がジェントルマンクラスのトップからスタートを切ることとなった。前日降り続いた雨は止み、コースの半分以上が乾いている状況だったが、一部には濡れている箇所も。一部には濡れている箇所も。難しいコンディション下で12周の決勝レースが始まった。

前日の第1戦ではエキスパートクラスの山口をしのぐ速さをみせた大山。第2戦ではスタート直後に山口の先行を許すも、同じクラスの勝又に対しては、リードを広げていった。

一方、2番手を走る勝又も2番手を維持し、大山との差を埋めようとするも、前半は3秒以上のギャップがついていた。それでも、レース後半に入って路面コンディションが回復すると、エキスパートクラスの上位陣と同じ1分49秒台までペースをあげ、大山に接近した。8周目のTGRコーナー手前で一瞬前に出るが、ブレーキングで大山が抜き返しトップを死守。ここから、激しいジェントルマンクラストップ争いとなっていった。

トップ攻略に向けて何度か勝負を挑んでいった勝又だが、11周目に入るメインストレートで大山をついに捉え、トップ浮上に成功。その後のTGRコーナーもバトルが白熱するかと思われたが、エキスパートクラスでアクシデントがあり、イエローフラッグ2本振動の対応がとられた。勝又は、この区間に到達する前に大山を抜いていたため、特に審議等になることもなかった。

残り2周も安定した走りを見せた勝又は、後続との差を1.3秒にまで広げてトップチェッカー。終盤は後方集団に飲み込まれる形となった大山だが、粘り強くポジションを守り、2位でフィニッシュ。3位以下の集団も、最後は抜きつ抜かれつの接戦となったが、末長がジェントルマンクラス3位で第2戦を終えた。また、渡邊も最後まで接戦のバトルに加わり、クラス4位を獲得した。

今回、第1戦・第2戦ともに多くの見せ場を作ってくれた大山は「面白かったです!」と開口一番。

「冷静に走ることができましたが、5速の伸びが悪くて、ストレートスピードが伸びなかったのが辛かったですね。第1戦も調子が良かったので、本当なら第2戦も雨なら良いなと思っていましたけど、ドライでも楽しいレースができました」と、レースを終えて満面の笑みを見せた。7月の第2大会に向けても「さっき、勝又選手に『次は勝つからな!』と言っておきました!」とリベンジに燃えている様子だった。

このように、今季のジェントルマンクラスは、より接戦模様となっており、プロ・エキスパートと同じように、目が話せない戦いが繰り広げられそうだ。

Driver’sVoice

優勝:#7 勝又隆二(J-POINT)

「序盤は大山選手がすごく速かったですね。僕も滑りやすいだろうと思って、縁石に乗るのをやめていたんですけど、途中からみんな縁石を使っていたので、僕も同じようにしたらタイムが上がっていきました。最後は追い抜いた後にダブルイエローが出たので、『ラッキーだったな』と思いました(笑)。その後は、ぶっちぎろうと思って走り切りました。でも、大山選手は本当に速かったです」