IPS GEN RD1-2 RACE REPORT

接戦の末、山﨑裕介が2連勝をマーク

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer第1大会が5月14日(土)~15日(日)に富士スピードウェイで開催され、ジェントルマンレースのIPジェントルマンクラスで##77 山﨑裕介(CAR GUY)が開幕2連勝を飾った。2022年の開幕大会には8台のIP車両が参戦し、このうちジェントルマンクラスは5台で争われた。

▶予選

14日(土)朝に行われた公式予選はウエットコンディション。前夜にかなり激しい雨が降っていたこともあり、路面にはかなり水が溜まっていた状態でスピンを喫する車両もあったが、大きなクラッシュ等はなく、各車がベストタイムを更新するべく懸命に周回していた。

ジェントルマンクラスの中で頭ひとつ抜け出る速さをみせたのが山﨑。今年から新しく登場した蛍光イエローのマシンでペースよく走行し、最終的に2分03秒806のベストタイムで、総合5番手に入るとともに、クラストップタイムを記録。クラス2番手の#96 末長一範(岡山トヨペットK-tunes)に対し、2.3秒もの大差をつけた。クラス3番手には#16 渡邊久和(ララパルーザ)がつけた。

▶第1戦決勝

午後の第1戦決勝までには天候も回復し、路面は一部濡れた箇所はあるもののドライコンディションでのレースとなった。しかし、霧が立ち込め、やや視界が悪い中でのレーススタートとなった。

ジェントルマンクラスでは最上位となる総合3番手からスタートした山﨑は、1周目からエキスパートクラスの#3 FLYING RAT(INGING MOTORSPORT)と、激しい3番手争いを繰り広げた。1周目から1秒以内の間隔での接近戦となり、3周目のTGRコーナーではFLYING RATがインに飛び込み、一瞬3番手に浮上したが、直後のコカ・コーラコーナーで山﨑がポジションを奪い返した。

その後も、FLYING RATはTGRコーナーで積極的に並びかけようとしたが、山﨑も巧みなブロックをみせ、ライバルを前に行かさないレース運びを見せた。

一方、クラス3番手スタートとなった渡邊も見せ場を作った。序盤には#7 勝又隆二(J-POINT)に一瞬先行を許したが、すぐにポジションを取り戻すと、クラス2番手を走る末長に追いついていき、6周目には0.9秒後方にまで迫った。

このままクラス2番手争いが本格化すると思われたが、末長もペースを上げて、渡邊との差を徐々に広げていった。

クラストップの山﨑は、最後までFLYING RATが背後に迫るという気が抜けないレースとなったが、集中力を切らすことなくポジションを守りきり、総合3番手でフィニッシュ。見事ジェントルマンクラス第1戦で優勝を飾った。2位には末長、3位には渡邊が続いた。

Driver’s Voice

第1戦 優勝:#77 山﨑裕介

「本来は(CAR GUYの)木村代表が走る予定だったのですが、ヨーロッパでのレースと重なってしまったので、今週末は僕が走ることになりました。松田選手も非常に心強いですし、チーム体制も非常に良いので、問題なくレースに臨めています。スタートからずっとバトルをしていましたが、僕が一番タイムが遅かったものの、お互いに1台分ちゃんとスペースを残して、クリーンなレースができたので、楽しかったです。明日の2レース目も1位を目指して頑張ります」

▶第2戦決勝

15日(日)の第2戦決勝は晴天となり、ドライコンディションで9周のレースが始まった。ジェントルマンクラスの最上位は総合3番手からスタートした山﨑。1周目のTGRコーナーで、エキスパートクラスの#37 大蔵峰樹(キーパー号)に仕掛け、2番手を奪取した。そのまま総合トップも狙いたかったが、思いの外ペースが上がらず、前日同様に防戦一方の展開となってしまう。2周目には大蔵に先行を許してしまうが、GRスープラコーナーでその大蔵がスピンを喫し大きくポジションを落としてしまった。

これで2番手に返り咲いた山﨑に、今度はFLYING RATが背後に接近。4周目のTGRコーナー手前で追い抜かれてしまった。それでも2台の接近戦は続き、特にコーナー区間で速さをみせた山﨑が、FLYING RATにプレッシャーをかけていく。5周目のパナソニックコーナーでFLYING RATが単独スピンを喫してしまい、2番手争いから脱落した。

これで単独走行になるかと思われた山﨑だが、今度は末長が徐々にタイム差を詰め、残り3周というところで0.5秒後方に接近。さらに2周目のスピンで一時は最後尾まで下がった大蔵が、驚異的なペースで挽回し、この2番手集団に追いつき、レース終盤になって3台による白熱した接近戦が繰り広げられた。

ファイナルラップに入ったところで、3台は横並びになってTGRコーナーに突入。山﨑はなんとか2番手を死守したが、末長は大蔵に抜かれ、総合4番手に後退。KeePerカラーのマシンの勢いは止まらず、山﨑と2台並んでダンロップコーナーに進入。ここで大蔵が前に出た。

山﨑は最後の最後で総合3番手に後退したが、ジェントルマンクラスのトップは譲らず、そのままチェッカーフラッグ。見事、開幕2連勝を飾った。クラス2位には末長、同3位には勝又が入った。

Driver’s Voice

第2戦 優勝:#77 山﨑裕介

「ストレートが伸びなくて大変でしたが、まずは2連勝できて嬉しいです。実は第1戦が終わってから木村オーナーから連絡があって、レースを見ていただいていて『もっと、ここをこうしたほうがいい』というアドバイスをいただきました。そのアドバイス通りには乗れたかな思います。わざわざ向こうから連絡をくれたので、頑張らないといけないなと思いました。この勝利は木村オーナーのおかげだと思っています。最後は大蔵選手に抜かれてしまいましたが、Bコーナーでのバトルはお互いにクリーンなバトルができたと思います。あの状況だと、ぶつかってしまうこともありますが、大蔵選手は視野が広いので、良い戦いができたのかなと思います」