永井 秀貴HIDEKI NAGAI
#32 GR Garage Yokkaichi
TOTAL POINTS : 44
RACE
REPORT
永井 秀貴HIDEKI NAGAI
#32 GR Garage Yokkaichi
TOTAL POINTS : 44
大蔵 峰樹 MINEKI OOKURA
#37 K-Design
TOTAL POINTS : 28
川田 浩史HIROSHI KAWATA
#55 人馬一体ドライビングアカデミー
TOTAL POINTS : 26
斎藤 愛未AIMI SAITO
#27 表参道メディカルクリニックレーシング
TOTAL POINTS : 20
IPエキスパートクラスは、大蔵峰樹と永井秀貴が優勝を分け合う
2023 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第1大会が5月13日(土)・14日(日)に富士スピードウェイで開催され、IPエキスパートクラスは、第1戦が#37 大蔵峰樹(キーパー号)、第2戦では#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)が、それぞれ優勝を飾った。
今シーズンも12台が揃ったインタープロト車両だが、そのうちエキスパートクラスには6台がエントリーした。基本的な顔ぶれは昨年と変わらないが、#55 川田浩史(人馬一体ドライビングアカデミー)がジェントルマンクラスからエキスパートクラスにスイッチし、#8 表参道メディカルクリニックは、KYOJO CUPにも参戦する斎藤愛未が開幕大会のステアリングを握ることとなった。
【公式予選】
13日(土)の公式予選はあいにくの雨模様となり、滑りやすい路面に各車が苦戦するセッションとなった。開始5分のところで、#3 FLYING RAT(INGING MOTORSPORT)がTGRコーナーでコースオフを喫し、ガードレールに接触。コース脇にマシンを止めたため、セッションは赤旗中断となった。
車両の回収が終わり、残り10分のところから再開されると、各車とも続々とタイムを更新していく。この中で速さをみせたのが、エキスパートクラスでチャンピオン経験のある永井で、2分01秒244でトップタイムを記録。これに対し、昨年同クラスでチャンピオンを獲得した大蔵も2分01秒321で2番手につけ、永井に肉薄した。
残り時間も5分を切って、各車ともさらにタイムを縮めようとしたが、残り2分を迎えたところでジェントルマンクラスの#96 末長一範(岡山トヨペットK-tunes)がTGRコーナーでコースオフし、ガードレールに接触。これで2度目の赤旗が出され、そのままセッション終了が宣言された。
最後は少々不完全燃焼な形で終わったが、永井が第1戦のポールポジションを獲得。2番手に大蔵、総合3番手にはジェントルマンクラスの#7 勝又隆二(J-POINT)がつけ、エキスパートクラス3番手は川田となった。
Driver’sVoice
ポールポジション:#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)
「今年はIPSの練習が全然できていなくて心配なところもあったなか、予選がいきなりの雨だったので、緊張しました。金曜日は燃料系のトラブルが出ていましたが、チームのみんなが遅くまで作業をしてくれて、それが実を結んで、良い結果になったので良かったなと思います。今年は小高選手と組むことになりますが、彼はスーパー耐久で一緒に組んでいるチームメンバーなので、色々なことの意思疎通がとれていて、特に問題もないです。午後の決勝も雨量が多そうなので、気をつけていきたいと思います。」
【第1戦決勝】
14時50分から始まった第1戦の決勝。午前中のアクシデントでマシンにダメージを負っていた3号車と96号車の修復も完了し、インタープロト車両は12台全てがグリッドについた。しかし、朝から雨が降り続く状況は変わらず、安全を考慮してセーフティカー(SC)先導でスタートが切られることとなった。
3周目にわたって隊列走行をし、4周目に入るところでグリーンフラッグが振られ、各車一気にペースを上げていった。TGRコーナーでは、滑りやすい路面と、水しぶきで視界が遮られていることから、各車とも慎重に通過していく様子で、上位陣に順位の変動はなかったが、コカ・コーラコーナーで4番手の川田がスピン。大きく順位を下げてしまった。
トップの永井は4周目に2分01秒345のファステストラップを刻むと、周回を重ねるごとに2番手の大蔵との差を広げていく。対する大蔵も必死に食らいついたが、7周目のTGRコーナーで、勢い余ってコースオフ。ポジションは守ったものの、永井との差はさらに広がることとなった。
後方では、エキスパートクラス3番手を走る#44 山口達雄(NAVUL)が7周目にジェントルマンクラスの#71 大山正芳(アキランドIPS)の先行を許し、総合5番手に後退。序盤のスピンでインタープロト車両の最後尾まで下がった川田だが、驚異の追い上げをみせて7周目に総合6番手に浮上すると、さらにペースを上げてトップ集団を追いかけた。
方でさまざまなバトルが繰り広げられているなか、トップの永井は順調に周回を重ね、大蔵との差も5秒近くまで広がっていた。このまま開幕戦優勝は確実かと思われたが、10周目のGRスープラコーナーで勢い余ってスピンを喫してしまう。なんとか体勢を立て直してコースに復帰するも、大蔵が逆転でトップに浮上した。
本来ならば12周で争われるジェントルマンレースだが、序盤のSC先導などもあり、レース最大時間の25分が経過。11周でチェッカーフラッグが振られることとなった。トップに立った大蔵は、最後までしっかりとポジションを守り第1戦を優勝。2位には永井、3位は山口となった。
Driver’sVoice
優勝:#37 大蔵峰樹(キーパー号)
「僕も、少し飛び出してしまいそうな時もあって、ドライビング的には良いレースではなかったですし、ペース的には(永井選手に)追いつくのは無理だと感じていて『今日は2位かな』と思っていたのですが……。“生き残った者勝ち”になりましたね」
【第2戦決勝】
14日(日)の午前に行われた第2戦の決勝レースは、前日の予選で記録されたセカンドベストタイム順でグリッドに各車が整列。ここでも永井がポールポジションとなった。前日降り続いた雨は止み、コースの半分以上が乾いている状況だったが、一部には濡れている箇所も。難しいコンディション下で12周の決勝レースが始まった。スタートでは各車慎重にTGRコーナーを通過し、激しいポジション争いは見られなかったが、オープニングラップ入ると、各所で接近戦が繰り広げられた。
なかでも序盤から速さをみせたのが、前日のウエットコンディションで苦戦していた山口。5番手からスタートを切ると、2周目に大山を抜いて4番手に浮上。3周目、4周目と立て続けにファステストラップを更新し、トップ集団にプレッシャーをかけた。
トップ争いは第1戦に引き続き、永井と大蔵のバトルとなった。前半は追いかける大蔵の方が優勢な展開で、5周目のTGRコーナーで並びかけようとするも、永井も冷静に対応し順位は入れ替わらず。その隙に、3番手につけていた川田が大蔵に近づき、6周目のダンロップコーナーでアウトから仕掛けるが、ここでは攻略できず。それでも諦めずに7周目のTGRコーナーでアウトから並びかけると、2台は並走してコカ・コーラコーナー手前でオーバーテイクに成功。川田が2番手に浮上した。
これで3番手争いは大蔵と山口のバトルとなったが、11周目のTGRコーナーで山口がブレーキングの際に挙動を乱してスピン。前方にいた大蔵と接触してしまった。2台ともチェッカーは受けられないが完走扱いとなり、大蔵が5位、山口は他車への接触行為により30秒加算のペナルティを受け、クラス6位となった。
後続の混乱をよそに、最後まで自身のペースを保ち続けた永井。終盤には川田に0.6秒差まで迫られるも、最後までトップを譲らず今季初優勝を飾った。2位には川田、3位には終盤にFLYING RATをかわした斎藤がインタープロト初表彰台を獲得した。
Driver’sVoice
優勝:#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)
「レース序盤は濡れた路面が残っていて、ヘアピン(ADVANコーナー)とか、Bコーナー(ダンロップコーナー)など、しっかり止めないといけないところでは、フロントタイヤがロックしてしまって大変でした。雨とドライの中間を狙ったセッティングでいきましたけど、実際には少し雨よりの方向になっていました。序盤は特にアンダーステア気味でしたけど、なんとかコントロールできて良いペースを保てました。何より優勝できて嬉しいですし、チームからも『とにかく生き残るように!』と言われていたので、本当に良かったです」