進化を目指して磨いたシーズン。新しい発見もあった最終戦
2005年、日本国内でのLEXUSブランドの展開に合わせて、開発されたIS F。5リッターV8エンジンを押し込んだハイパワースポーツセダンには、高い人気を得て、多くのファンを生んでいた。その過激なモデルをベースに、300kg以上もの軽量化とサーキット走行のための架装を施したのがCCS-Rである。サーキット専用マシンであり、セッティングもまたサーキット走行にマッチしたものになっている。
今シーズンはエントリーが1台のみとなってしまったが、その魅力的な走りは健在。ジェントルマンの横井克一郎とプロドライバーの山内英輝のコンビが、レースの中で進化を探り続けている。
ジェントルマンクラスの公式予選では、横井克一郎がSupra GT4勢の中に割って入る好タイムをマーク。パワーで上回るマシンを制するには、やはりハンドリングの勝負ということになる。熟成されたCCS-Rは扱いやすく、最新のSupra GT4に対抗できる。横井克一郎は、それを見事に証明してくれた。
ただしスターティンググリッドはクラス別なので、インタープロト、Supra GT4、その後方にCCS-Rという配置となる。つまり最後尾からのスタートだ。第7戦のオープニングラップ、横井克一郎は2台のSupra GT4をオーバーテイク。CCS-Rよりもポテンシャルの高いSupra GT4のマシンの中でレースを展開、9月に行われた第6戦よりも0秒5速いラップタイムで快走を続けた。
続く第8戦でも同様の展開で、やはりSupra GT4勢と渡り合ったのである。
プロフェッショナルクラスでは、山内英輝が公式予選で1分50秒を切ってみせるなど、CCS-Rを探求し、進化させ続けている。
ジェントルマンクラス:#46 横井克一郎(NTP CCS-R)
「エントリーが1台だけなので、自分との戦いです。自分のベストを目指して、自分を進化させるために走っています。とくに今日、第8戦は朝早い時間帯のレースだったので、路面温度も低く、タイヤをしっかりと温めることが重要でした。昨日の第7戦は午後で温度も高かったのですが、同じ感覚ではダメだと思います。ボクらの年齢になると速すぎるクルマは辛いですから、そういう意味でもCCS-Rは楽しめるマシンですね」
プロフェッショナルクラス:#46山内英輝(NTP CCS-R)
「ディーラーチームということもあって、メカニックの皆さんもディーラーのメカニックなんです。今シーズンは競争相手が居ない状況でしたが、セットアップの変更や、レースで起こり得ることへのシミュレーションをやったりして、チーム全員で楽しんでこのレースに参加できたと思います。今大会ではCCS-Rの新しい走らせ方を見つけることができましたし、良いシーズンだったのではないかと思います」