CCS-R RD7-8 RACE REPORT

最終大会は、両クラスとも接戦の展開に。ジェントルマンレースでは木村真弓と天野雅仁が勝利を分け合い、プロフェッショナルレースは堤優威が2連勝を飾る

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第4大会が12月10日(土)・11日(日)に富士スピードウェイで開催され、CCS-Rクラスのジェントルマンレースは第7戦を#10 木村真弓(NTP CCS-R)が、第8戦を#87 天野雅仁(NTP CCS-R)が制し、プロフェッショナルレースは#39 堤優威(P.MU RACING CCS-R)が2連勝を飾った。

▶︎ジェントルマンレース

今回は#51 P.MU RACING CCS-Rがエントリーせず、3台で争われたCCS-Rクラス。ジェントルマンレースでは第2大会、第3大会と圧倒的な強さをみせていた卜部治久がSUPRAクラスにエントリーしたこともあり、これまでとは違ったレース展開となった。

10(土)の予選では、最近着実に実力をつけ始めてきている木村がセッション序盤から好タイムを記録した。まずは1分56秒449でトップにたつと、セッション終盤には1分55秒902までタイムを詰め、今季初のクラスポールポジションを獲得。2番手に天野、3番手に#39 豊島豊(P.MU RACING CCS-R)がつけた。

同日14時00分から行われた第7戦決勝では、序盤の混戦で木村の隙をついた天野がトップに浮上し、レースをリードしていった。序盤は劣勢な展開なったかに思われた木村だったが、徐々にリズムをつかんでいき、天野に接近。一時は1.5秒近く引き離されていた差を、4周目終了時点で0.2秒まで詰め、5周目にオーバーテイクを決めた。これでクラストップの座を奪い返すと、一気に差を広げていった。木村に対して天野も必死に食らいつくが、最後まで両者の順位は変わらず。6.6秒までギャップを広げた木村が、今季初となるクラストップチェッカーを受けた。2位には天野、3位には豊島がつけた。

Driver’s Voice

第7戦 優勝:#10 木村真弓

「レース序盤の流れに関しては、ずっと私の課題でもあるのですが、レース序盤にうまく自分自身のスイッチを入れることができませんでした。最初の1周目は明らかに私が遅くて、コカ・コーラコーナーの出口で踏めず、スピードも乗せられなくて追いつかれてしまいました。でも、メカニックの皆さんにレース前から『冷静に走っていれば必ずチャンスはくるから、大丈夫』と言われていたので、その通りに進めていくことができました。明日は、課題を少しでも克服して、もう少し余裕を持って走りたいなと思います」

1(日)8時50分から行われた、今シーズンの最終戦となる第8戦の決勝レース。前日の予選で記録されたセカンドベストタイム順でグリッドが決められ、ここでも木村がクラストップからのスタートとなった。

しかしレースが始まると、前日のリベンジに燃える天野が、序盤から木村の背後につけて果敢に攻め込んでいく。これに対し、木村もなんとかトップを死守しようとするも、天野の猛追に屈し、3周目に順位が入れ替わった。ここからは前日とは全く逆の展開となり、天野が中盤で猛プッシュをかけてレースをリードしていく。一方の木村は、クルマに不具合を抱えていたこともあり、ペースを上げることができず、残り3周のところでは豊島に接触される形となりコースオフ。大きく後退してしまった。

結局、レース後半は独走状態となった天野が、クラストップでチェッカーを受け、今シーズン初勝利を記録。2番手で豊島がゴールしたが、前述の接触行為により、30秒加算のペナルティを受け、木村が2位となった。

Driver’s Voice

第8戦 優勝:#87 天野雅仁

「前日の第7戦では、木村選手に負けてしまってかなり悔しかったです。それもあって、この第8戦では事前に色々と作戦を練っていきました。実際レースではその場その場で臨機応変に判断して、なんとか抜くことはできました。序盤で勝負を仕掛けるというイメージは描いていたので、その通りにいって良かったかなと思います。最後に勝ってシーズンを締めくくることができたので、嬉しいです」

シリーズ最上位:#10 木村真弓

「こうして1年間を走りきることができたのも、チームとメカニックの皆さんのおかげだなと思っています。今年はメカニックの人たちと、すごくよく話すようになって、金曜日からの練習走行でも、私が走りやすいようなセッティングをみんなで考えてくださって、実際にそれでタイムも上げることができました。本当に“チーム戦”ができた1年だったなと思います。CCS-Rに初めて参戦させていただいた時とは、また違った1年を過ごすことができました。ありがとうございました」

▶︎プロフェッショナルレース

プロフェッショナルレースは、予選から接戦の展開となるも、今回も堤がライバルを一歩リード。同クラスでは、唯一1分50秒台を切る1分49秒862を記録し、クラスポールポジションを獲得した。

11日(日)の決勝レースでは、直前のジェントルマンレース第8戦で接触があった影響で、マシンが完璧な状態ではない中での出走となった堤。思うようにペースを上げることができず、#87山内英輝(NTP CCS-R)や#10 阪口良平(NTP CCS-R)に迫られるも、なんとかトップを死守。後半には、少しずつではあるが後続を引き離す走りをみせた。最後は再び背後に迫られたが、1.2秒という僅差ながらトップを死守してチェッカーを受け、今季5勝目を挙げた。

第7戦の順位のまま、すぐにグリッド再整列が行われ、第8戦がスタート。直前に行われたKYOJO CUPで赤旗中断があり、予定よりも遅れてのレースとなったことにより、日暮れ間近の中での今季最終戦となった。

堤、山内、阪口の順でスタートし、ここでも序盤から接戦のバトルが繰り広げられた。序盤はトップを守りながらも劣勢の展開だった堤だが、中盤に入って山内と阪口の2番手争いが白熱している感にリードを広げていった。最後は4.0秒まで差を広げて、2連勝を飾るトップチェッカーを受け、CCS-Rクラスのプロフェッショナルレースでは今季全勝を挙げる活躍を見せた。

最後まで目が離せない接戦のバトルとなった2番手争いだが、最後に阪口が逆転し2位でフィニッシュ。山内は3位で第8戦を終えた。

Driver’s Voice

第7戦・第8戦 優勝:#39 堤優威

「今回はジェントルマンレースで接触があった影響で、クルマが100%の状態ではなく、走行中もアライメントが狂ってしまったりして、今までのような余裕はありませんでした。ただ、後ろが少しバトルをしてくれたことで、後半で少し引き離すことができて、今回も2連勝を飾ることができました。今年は出場したレース全てで勝つことができて、本当に良かったです!」