経験豊富な卜部がジェントルマンの2戦を優勝、混戦のプロクラスは初参戦の堤が連勝を飾る
2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer 第2大会のジェントルマンレースが10月22日(土)・23日(日)に富士スピードウェイで開催された。CCS-Rクラスではジェントルマンレースでは#51 卜部治久(P.MU RACING CCS-R)、プロフェッショナルレースでは#39 堤優威(P.MU RACING CCS-R)がクラス2連勝を果たした。
前回はわずか1台のみのエントリーだったCCS-Rだが、今回は4台がエントリー。さらに、昨年途中からSUPRAクラスに転向していた卜部が第2大会はCCS-Rクラスからの参戦となった。
ジェントルマンレースの予選では、予想通り卜部がセッション序盤から好タイムを出していたが、途中に他車と接触があった影響で、後半はタイムアタックができなかった。その間にペースを上げた#10 木村真弓(P.MU RACING CCS-R)がセッション終盤に1分58秒787をマーク。卜部を0.2逆転し、クラスポールポジションを獲得した。
15時25分からの第3戦決勝では、序盤から木村、卜部のバトルが展開。激しい接近戦の攻防が繰り広げられたが、2周目にトップを奪った卜部が、一気にリードを広げ、レース後半の7周目には36秒ものリードを築いた。その後も、安定したペースを維持し、最終的には50秒もの大差をつけて同クラスでは今季初勝利を飾った。2位には木村、3位には#87 天野雅仁(NTP CCS-R)が入った。
「CCS-Rは久しぶりだったので、楽しかったです。51号車のプロドライバーは新田選手が務めてくれているのですが彼とも久しぶりに会って、こういう雰囲気が、このレースの良いところですね。今回は天気にも恵まれて、レースとしては他の選手よりも僕の方が経験があるということもあって、こういう結果になりましたけど、皆さんのお手本になるような走りができれば良いですね」
23日(日)午前に行われた第4戦決勝。ここではセカンドベストタイム順でグリッドが決まり、木村、天野、卜部の順でスタートが切られた。1周目の混戦を抜け出した卜部がレースを先行するが、2番手の木村も負けじとついていき、その差は3秒~4秒の間をキープしていた。
なんとかトップ逆転を狙いたかった木村だが、レースペースでは卜部の方が一枚上手。後半に入ると、その差は徐々に広がっていき、この日も卜部が独走でクラス2連勝を獲得した。木村は最終ラップに順位を落としてしまい3位でフィニッシュ。天野が2位でゴールした。
また、今回が2回目のCCS-R参戦となる豊島は、第3戦では大きく差をつけられてしまったが、第4戦ではしっかり走りを修正し、トップから38秒差の4位で完走を果たした。
「今日は、後ろの選手の様子を見ながら最初は走って……阪口良平選手から『木村選手のコーチをしてください』と頼まれて、5周くらいは後ろを見ながら走っていました。ただ、そうやって冷静に走ることで、自分の(走りで)悪いところを見つけ出せる部分もあるのかなと思いました。どうしても、一生懸命走ると無我夢中になっちゃって、同じことをやってしまったりするので、そこは良かったですね」
プロフェッショナルレースは、予選から4台のCCS-Rによる大接戦のタイムアタックが繰り広げられたが、その中で頭ひとつ抜け出たのが39号車の堤。1分49秒852を叩き出し、クラスポールポジションを獲得した。
23日(日)の決勝レースは第3戦・第4戦とも9周で争われたが、両方のレースとも最初から最後まで接戦の展開となった。
特に、CCS-Rのレースでは経験豊富な#87 山内英輝(NTP CCS-R)がトップ攻略を目指して積極的に仕掛けていくが、堤も冷静に対処しながら、少しずつリードを広げていった。さらに#10 阪口良平(P.MU RACING CCS-R)も追いつき、三つ巴のバトルとなったが、最後まで逃げ続けた堤がトップチェッカー。CCS-Rクラス初優勝を果たした。
第3戦の到着順でグリッドが並べられ、第4戦の決勝がスタート。ここも序盤から接近戦のバトルが展開されたが、徐々に堤が集団から抜け出し、リードを広げていった。その一方で山内と阪口が2番手争いで競り合い、それを4番手の#51 新田守男(P.MU RACING CCS-R)が様子を伺いながら走るという緊迫した展開となったが、結局最後まで順位は入れ替わらず。3.5秒のリードを築いた堤が2連勝し、山内が2位、阪口が3位に入った。
インタープロトシリーズで同じクラスのマシンを競り合うのは初めてだった堤。レース後は同じクラスの先輩ドライバーたちから、祝福を受けていた。
「改めてすごく良いシリーズだなと思いました。ジェントルマンドライバーさんにも乗りやすいクルマになっていますし、プロのレースは本当にレベルが高いです。そのなかで1位を獲れて嬉しいです。1レース目はブレーキやタイヤを温存した分、全体が詰まった印象がありました。ただ、2レースは1周目の13コーナーでミスをしてしまって、それで後ろに迫られましたけど、それ以外は自分のペースでギャップを広げて余裕があるレースができました」