初ポールポジションの斎藤愛未を決勝最終ラップで逆転した翁長実希が優勝を飾る
2024年のKYOJO CUP第1戦が5月12日(日)に富士スピードウェイで開催され、#114 翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA)が逆転で優勝を飾った。
(詳細レポートは後日公開)
今年で8年目を迎えたKYOJO CUPは、過去最高となる28台が年間エントリー。このうち9人が新規参戦のドライバーと、顔ぶれも大きく変わったなかでシーズン開幕を迎えた。また昨年チャンピオンの三浦愛が今季のKYOJO CUPでは自身が立ち上げたTeam Mの監督に専念することとなり、新王者をかけた熱戦にも注目が集まるシーズンとなる。
午前8時00分から始まった公式予選では、2022年チャンピオンの翁長が最初に1分58秒台を記録しトップに立つが、それを#17 斎藤愛未(Team M岡部自動車D. D. R VITA)が僅差で逆転。その後も2人がタイムを更新し合う展開となったが、最終的に1分58秒704を記録し、0.037秒差で翁長に競り勝った斎藤が、参戦5年目で初のポールポジションを獲得した。
10時45分から決勝レース。予選とは変わって曇り空となり、メインストレートでは追い風も強く吹くなど、肌寒いコンディションで12周のバトルが始まった。スタートではグリッド最前列を獲得した斎藤と翁長が横並びの状態でTGRコーナーに進入。そのまま、コカ・コーラコーナーを過ぎるところまで2台が一歩も引かないバトルをみせ、最終的に翁長がトップを奪う。2番手に下がった斎藤の後方には1年ぶりに参戦となる#86 下野璃央(Dr.DRY VITA)がつけ、序盤から3台によるトップ争いが展開された。また、後方集団でも各所で接近戦のバトルが繰り広げられた。
スタートでトップの座を明け渡す形となった斎藤だが、徐々に間隔を詰めていき、4周目のTGRコーナーでオーバーテイクに成功。そこから1分58秒台のペースを維持し、後続を少しずつ引き離しにかかった。対する翁長は斎藤との間隔を1秒以内に保ち、必死に食らいつく。3番手の下野は中盤を過ぎたあたりから少しずつトップ2台に離されていき、優勝争いは斎藤と翁長の2人に絞り込まれる展開となった。
両者とも一進一退の攻防戦が続くなか、残り2周を迎えたあたりから斎藤との間隔を縮めていった翁長は、終盤で勝負をかける。最終ラップのメインストレートで斎藤の真後ろにつくと、直後のTGRコーナーでイン側から飛び込んでいき、前に出ようとする。2人の攻防はコカ・コーラコーナーまで続き、翁長がトップに浮上した。斎藤も再逆転を狙って最後までチャンスを探ったが、わずか0.2秒届かず。翁長がトップチェッカーを受け、2024シーズンの開幕戦を制した。2位には斎藤が入り、自身ベストリザルトタイを獲得。3位には下野が入った。
28台で争われた開幕戦はトラブルで2台の脱落があったものの、26台が完走。ルーキードライバーでの最上位は北海道から参戦する#779 関あゆみ(栄建設 TBR VITA)の14位となった。
次回は7月20日・21日に開催される全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の併催レースとして、第2戦と第3戦が予定されている。
第1戦 優勝:#114 翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA)
「優勝することはできましたが、まだまだ良くできるところがあったレースだったかなと思います。最終ラップでの逆転も“狙い通り”というものではなかったです。斎藤選手が速くて、後半にタイヤが苦しくなるところでチャンスが出てくるかなと思っていましたけど、本当にミスなく走り続けていたので、こちらが差を詰めていく機会が少ない中で少しずつタイムを稼いでいきました。最後はどこで仕掛けるか。すごく考えましたが、1コーナーで狙おうと決めて、最後は意地の張り合いになりましたけど、何とか前に出ることができました。チームも良いクルマを作ってくれているので、次戦に向けてもっとアジャストして、勝利を確実なものにできるようにしたいです」