IPS PRO RD5-6 RACE REPORT

FIRST

卜部 和久URABE KAZUHISA

#3 INGING MOTORSPORT

TOTAL POINTS : 77

2ND

牧野 任祐MAKINO TADASUKE

#55 人馬一体 ドライビングアカデミー

TOTAL POINTS : 62

3RD

福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI

#37 K-Design

TOTAL POINTS : 57

4TH

山下 健太KENTA YAMASHITA

#44 NAVUL

TOTAL POINTS : 52

第5戦は山下健太、第6戦は牧野任祐が優勝
卜部和久が初のシリーズチャンピオンに輝く!

2025 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer 第 5・6 戦が 11月 8 日(土)・9 日(日)に、富士スピードウェイで開催された。決勝レースはウエットコンディションのなかで行われ、第5戦は#44 山下健太(NAVUL)が今季初勝利を手にし、第6戦では#55 牧野任祐(人馬一体ドライビングアカデミー)がインタープロト初優勝を飾った。シリーズ争いでは第5戦で4位、第6戦で5位に入った#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)が初のチャンピオンに輝いた。

8月の第2ラウンド以来、約3ヶ月ぶりの開催となったインタープロト。今年は全3ラウンド6戦で争われるため、これまで採用されていた最終ラウンドでのポイント1.5倍のシステムがなくなり、通常通りのポイントで争われた。今回も全12台がエントリーし、基本的な顔ぶれに変わりはないが、他のレースとの兼ね合いで参戦が叶っていなかった#32 小高一斗(NETZ NOVEL MIE)と#27 ジュリアーノ・アレジ(表参道メディカルクリニック)が、今季初のインタープロト参戦となった。

【予選】

予選日は朝から晴天に恵まれるも、気温は20℃を下回るという真夏だった前回とは大きく異なるコンディションとなった。そんななか、プロフェッショナルレースは今回も白熱のタイムアタック合戦が展開された。今回は他車のスリップストリームを使ってタイム更新を狙うドライバーや、位置取りを考慮して周囲に他車がいない状態でクリアラップをとるドライバーもいるなど、作戦が分かれた。

そのなかでも最終盤でトップを奪い合ったのが、牧野と山下。まずは山下が残り2分を切ったところで1分44秒295を記録したが、その直後に牧野が1分44秒111で逆転トップに立つ。山下も翌周にタイムを更新するが、わずか0.009秒届かず2番手のままとなった。一方の牧野は#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)、#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)の真後ろにつけて区間タイムを更新。最後はメインストレートでスリップストリームを使い、1分44秒033で自らのトップタイムを更新した。

これでセッション終了となり、牧野が初めてポールポジションを獲得した。2番手は山下となったが、その差はわずか0.086秒。「やり切った感じはありましたが、少し足りませんでした。スリップストリームを上手く使いたかったのですが、タイミングが悪かったので単独でのアタックに切り替えて……その判断は良かったと思います」と語った。

Driver’s Voice

ポールポジション:#55 牧野任祐(人馬一体ドライビングアカデミー)

「今週は練習走行を通してずっと調子が良かったので、“いける”という思いはありました。ただ、いざ始まってみたら予想はしていましたけど、僅差でしたね。上手くスリップストリームも使えましたし、タイミング的にもラッキーでした。明日の決勝は雨予報ですが、安全に終わることができればいいなと思っていますし、インタープロト初優勝に向けて頑張ります」

【第5戦 決勝】

9日(日)の決勝レースは、一転して雨模様となり、各車ともレインタイヤを履いて第5戦決勝(9周)がスタート。今回は開催時期的に気温が下がるため、フォーメーションラップは2周実施された。

スタートではポールポジションの牧野を守り、山下が2番手で続く。その後方ではチャンピオン獲得がかかっている卜部が、#37 福住仁嶺(キーパー号)を抜いて3番手に浮上した。この4台が先頭集団となって、序盤の3周を完了したが、順位変動はなし。このままレース終了までこう着状態が続くかと思われたが、44周目のコカ・コーラコーナーで牧野が少し膨らみコーナー立ち上がりで加速が鈍った。それを見逃さなかった山下が、100Rでアウト側から並びかけ、ADVANコーナー手前でトップを奪った。

さらに卜部も牧野の背後につけ、6周目のTGRコーナーで一瞬並びかけるが、追い抜くまでには至らず。逆に4番手の福住が接近し、卜部に対してプレッシャーをかけていった。

後方でも接近戦のバトルが展開されたが、なかでもアレジが着々と順位を上げ、10番手スタートから7周目には8番手に上がった。また、ランキング2番手につけていた#88 佐々木大樹(Pastel Motorsport)は、ポイント圏外に後退し、逆転チャンピオンが厳しい状況となった。

終盤に入ると、3番手争いが白熱。隙をうかがっていた福住が、8周目のパナソニック オートモーティブコーナーでイン側に飛び込み、前に出ようとしたが、卜部も応戦して翌周のコカコーラコーナーまでサイドバイサイドを展開した。ただ、福住が一枚上手で、3番手を掴み取った。

トップ争いも接近したファイナルラップとなったが、順位変動なくチェッカーフラッグ。山下が今季初優勝を飾った、2位には0.3秒差で牧野、3位には1.1秒差で福住が入った。

【第6戦決勝】

第5戦の結果順でグリッドに再整列し、すぐに第6戦決勝(9周)がスタート。1周目のTGRコーナーでは山下がトップをキープし、後方では福住が牧野を抜いて2番手につけた。さらに後方でも各所で接近戦のバトルが展開された。

第5戦では勢いある走りをみせていた山下だが、2レース目に入るとペースが鈍り始め、福住の接近を許す。2周目に入ってからトップの横に並びかけに行くと、3周目には山下と福住がサイドバイサイドのままコカ・コーラコーナーに進入。このバトルは100Rでも続いたが、バトルでペースが落ちた隙をついて、牧野がADVANコーナーで一気に2台を抜いてトップに躍り出た。その後のダンロップコーナーでは、牧野と福住のサイドバイサイドが展開されたが、福住が止まりきれずにランオフエリアを走行。この間に山下が2番手を取り戻した。

その後方では、卜部とクインタレッリの4番手争いが白熱。クインタレッリがTGRコーナーで何度も仕掛けていくが、卜部も必死にポジションを守った。しかし、7周目の13コーナーでコースオフを喫し、その間にクインタレッリが4番手の座を手に入れた。

終盤に入ると、トップ争いでも動きが出る。8周目のTGRコーナーで福住が山下を抜いて2番手に上がると、そのままの勢いでトップの牧野に接近。パナソニック オートモーティブコーナーでイン側からオーバーテイクを試みたが、「昨年の最終戦と同じシチュエーションで、その時のことを思い出した」という牧野は、しっかりと対処してトップを死守。ファイナルラップも気の抜けない接近戦が続いたが、ポジションを最後まで守り抜いた牧野がトップチェッカーを受け、インタープロト初優勝を飾った。2位には福住、3位にはクインタレッリがゴール直前で山下を抜き去り、表彰台の一角を勝ち取った。

そして、第5戦で4位に入り、第5戦も粘りの走りで5位入賞となった卜部が、ランキングトップの座を守り切り、初のシリーズチャンピオンに輝いた。

Driver’s Voice

第5戦 優勝・第6戦 4位:#44 山下健太(NAVUL)

「1レース目はタイヤの内圧の設定がうまくいって、牧野選手を逆転できたことは良かったです。ただ、2レース目の状況を考えると、少し前半にかけすぎたところはあったと思います。レース中は雨も止んで少し乾いていくというコンディションでしたが、それに対して少し内圧が高すぎた感じがありました。でも、自分で決めたことなので仕方ないです。最後も3位で最終コーナーを立ち上がりましたが、クインタレッリ選手も抜かれてしまいました」

第5戦 2位・第6戦 優勝:#55 牧野任祐(人馬一体ドライビングアカデミー)

「1レース目はコカ・コーラコーナーで少しはみ出してしまい、山下選手に抜かれました。あれは自分のミスでしたね。後半に追いつくことができましたが、あのまま先頭を守っていたら両方のレースとも勝てていたかもしれません。今回はみんなもタイヤのグリップも落ちきて、結構ギリギリの状態で走っていたと思います。2レースとも周回数は9周でしたが、SUPER GTの時みたいに神経を使って走っていたので疲れましたね。個人的には、これがインタープロトでの最後のレースになるので、参戦2年目で最後にマツダの皆さんとルーキーレーシングさんと一緒に勝つことができて、良かったです」

第5戦 3位・第6戦 2位:#37 福住仁嶺(キーパー号)

「個人的にはすごく楽しいレースでした。前回大会が全く勝負にならず散々でしたが、今回も走り始めは決して良くなかったですが、クルマの方向性を変えてから予選も良くなりました。僕と山下選手は単独で出したタイムだったので、ポテンシャルはとても高かったと思います。決勝は雨となり、最初のスタートで少し出遅れて卜部選手に抜かれてしまいましたが、レース1でしっかりと取り戻して、3位で終わることが出来ました。レース2は山下選手とバトルをして、終盤は牧野選手を追いかけましたが最後は前を捕まえたかったですね。僕もけっこう目一杯だったので負けてしまいましたが、とても面白かったです」

第5戦 5位・第6戦 3位:#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)

「1レース目からペースも悪くなく、前の4台が少し僕よりも平均してラップタイムが速い印象でした。2レース目は少し雨量も減り、僕は最初から卜部選手と比べてペースも良かったので、何度も仕掛けようとしましたが、彼がギリギリのところでブロックするいいドライブをしていました。ですが、残り3周で彼が耐え切れずに飛び出してしまったところで僕が前に出ると一気にペースが上がり、最終ラップで一気に山下(健太)選手に追いつくことが出来たので、嬉しい3位でした。今回もたくさんのファンが応援に来てくれていますし、ジェントルマンクラスで渡邊選手も表彰台に上がれたので、最高の最終戦でした」

シリーズチャンピオン:#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)

「最終戦はチャンピオンを意識してレースをするつもりはなく、いつも通りに一生懸命実力を出し切って、最終的に(チャンピオンが)ついて来ればいいなぐらいのイメージでした。去年から速さはあったものの、接触だったり自分でセットアップを見誤ってしまったり、いろいろともどかしい面があったのですが、今年もチャンスをいただけて、それに応えることができた。去年からの手ごたえが間違いではなかったとホッとしました。この先も、周りに『あいつ、速いよね』と言われるような、皆に認められるドライバーになりたいです」