IPS GEN RD3-4 RACE REPORT

FIRST

勝又 隆二RYUJI KATSUMATA

#7 KIプロモート

TOTAL POINTS : 87

2ND

大山 正芳MASAYOSHI OYAMA

#71 アキランド レーシング

TOTAL POINTS : 54

3RD

末長 一範KAZUNORI SUENAGA

#96 K-tunes Racing

TOTAL POINTS : 47

4TH

渡邊 久和HISAKAZU WATANABE

#16 TOMEI SPORTS

TOTAL POINTS : 38

勝又隆二がジェントルマンクラスで2連勝、初参戦の植田正幸が活躍

2023 インタープロトシリーズ POWEED BY KeePer 第2大会が7月22日(土)・23日(日)に富士スピードウェイで開催され、ジェントルマンクラスは#7 勝又隆二(J-POINT)が第3戦・第4戦ともに他を寄せ付けない走りで連勝を飾った。

今回は#37 キーパー号でエキスパートクラスに参戦している大蔵峰樹が他のレースとの兼ね合いで欠場。代わってSUPER GTや全日本F3選手権、フォーミュラ・リージョナルなどに参戦経験を持つ植田正幸がエントリーし、ジェントルマンクラスは合計7台で争われた。

【予選】

22日(土)の公式予選では、初参戦の植田が序盤から好タイムを記録していく。開始10分を過ぎたところで1分48秒148をマークしてトップに浮上。今年から本格的にIPジェントルマンクラスに参戦する#71 大山正芳(アキランドIPS)も1分48秒855でクラス上位につけた。このままセッションが終わるかと思われたが、セッション終盤に見せ場を作ったのが勝又。1分48秒133を記録し、植田を0.015秒逆転。ジェントルマンクラスのポールポジションを獲得した。2位には植田、3位には終盤にタイムを伸ばした#96 末長一範(岡山トヨペット K-tunes)がつけた。

Driver’s Voice

ポールポジション:#7 勝又隆二(J-POINT)

「本当にギリギリでした。植田選手が良いタイムを出していることは無線で把握していました。ただ、特に焦ることはなく、冷静にアタックできたと思います。ミスなくやれば自分たちも速いということは練習走行の段階から分かっていました。決勝に向けては植田選手の前のグリッドを獲得できて良かったです。ただ、決勝は気の抜けない展開になりそうですね」

【第3戦決勝】

22日(土)15時00分から始まった決勝レース。予選2番手につけていた植田は走路外走行を複数回していたとして3グリッド降格のペナルティを受け、ポールシッターの勝又に続いて末長、大山、#16 渡邊久和(ララパルーザ)の順でスタートを切った。エキスパートクラスで1台ピットスタートになった車両がいたことで、総合3番手からレースを始めた勝又は、1周目から好ペースでエキスパートクラスの2台を追いかけていった。

その後方では末長と大山が白熱のバトルを展開。4周目のTGRコーナーで大山が2番手に浮上するが、背後には末長に加えて植田、さらにピットスタートだったエキスパートクラスの#44 山口達雄(NAVUL)も近づいており、緊迫した接近戦が続いた。

レース中盤も激しく順位を入れ替えるバトルを繰り広げた大山、植田、末長の3台。7周目にはTGRコーナーからコカ・コーラコーナーに向けて3台が横並びになるバトルを展開。そこに山口や#8 斎藤愛未(表参道メディカルクリニック)などエキスパートクラスのメンバーもバトルに加わり大混戦となった。その中で一時はポジションを落とした大山だが、最終ラップのダンロップコーナーでエキスパートクラスの2台をごぼう抜きするなど、最後まで目が離せない走りを披露した。

結局、スタートから一度もクラストップの座を譲らなかった勝又が総合3番手でチェッカーフラッグ。クラス2番手以下に8.8秒もの差をつける独走劇だった。2位には植田、3位には末長が入った。こちらも最終ラップまで白熱したバトルを展開しており、わずか0.6秒届かなかった末長は「楽しいレースでしたけど……悔しい!」と本音が漏れていた。

Driver’s Voice

第3戦優勝:#7 勝又隆二(J-POINT)

「前の2台についていけるかなと思ったのですが、肝心なところでシフトが落ちないトラブルが出てしまって、気をつけながら慎重に行ったところがありました。それがなければ追いつけたかもしれませんが、バトルに持ち込むことは出来なかったと思います。でも、後ろがバトルをしてくれたことで離れたので、ずっと前だけに集中して走ることができたのは良かったです」

【第4戦決勝】

23日(日)午前の第4戦決勝は、公式予選のセカンドベストタイム順でグリッドが並べられ、勝又が今回もクラスポールポジションとなり、2番手に末長、3番手に大山がつけた。

全日とは変わり、今回はスタートから勝又の背後に末長と植田がつけ、一歩も気の抜けない展開が続いた。序盤は後方からの2台からポジションを守る動きだった勝又だが、4周目を過ぎたあたりから徐々にペースを掴んでいき、2番手の末長との差を広げていった。また後方では渡邊、斎藤、#88 八木常治(Pastel Motorsport)が接近戦を繰り広げた。

中盤に入ると2番手争いは前日に続いて激化。植田の猛追に耐えつつ勝又に追いつきたい末長は、8周目のTGRコーナーで単独スピンを喫してしまいポジションを下げる。それでも諦めずに挽回を開始し、大山や渡邊と激しいポジション争いを繰り広げた。

勝又は後続を順調に引き離す安定した走りを披露し、第4戦もクラストップチェッカー。開幕4連勝を飾った。2位には植田が入り、3位にはゴール直前で逆転した末長が0.096秒差で大山を上回りゴールラインを駆け抜けた。

Driver’s Voice

第4戦優勝:#7 勝又隆二(J-POINT)

「序盤は後ろにつかれていたのでしんどかったですけど、後半は単独になったのでけっこう楽になりました。今日もエキスパートクラスの車両についていこうと思っていたのですが、なかなか上手くいきませんでした。でも、良い意味でエキスパートクラスの車両にどれだけついていけるかという目標ができました。次大会も野尻選手に色々教えてもらいながら、ついていけるように頑張りたいです」

【初参戦・フォーミュラ経験豊富な植田正幸も「すごく楽しい!」と絶賛】

今回、大蔵峰樹に代わって#37 キーパー号をドライブした植田正幸。過去には全日本F3選手権やスーパーフォーミュラ・ライツ、フォーミュラ・リージョナルなど主にフォーミュラカーのレースで経験が豊富なドライバーだが、初めてのインタープロトで2レースとも大バトルを演じ「凄かった!」「楽しかった!」と笑みが溢れていた。

「『ジェントルマンクラスもバトルが激しいですよ』と聞いていましたが、それにしても激しいなと思いながら走っていました。追い抜きやすいようなクルマになっているので、すごく楽しいですね。フォーミュラカーは前のマシンに近づくと(ダウンフォースが抜けて)離れてしまうのですが、このクルマはそうではなくて仕掛けていけるので、すごく楽しいです!」

第4戦終了後は、表彰台の裏で末長と「またレースしましょう!」と笑顔で握手するシーンがみられた植田。第3大会以降の参戦は現時点で未定だが、またアツいバトルが見られる瞬間を楽しみにしたい。