IPS EXP RD1-2 RACE REPORT

RESULT DETAIL
FIRST

山口 達雄TATSUO YAMAGUCHI

#44 NAVUL

TOTAL POINTS : 35

2ND

永井 秀貴HIDEKI NAGAI

#32 GR Garage Yokkaichi

TOTAL POINTS : 32

3RD

今橋 彩佳AYAKA IMAHASHI

#19 Garden Clinic Racing Team

TOTAL POINTS : 30

4TH

寺川 和紘KAZUHIRO TERAKAWA

#55 人馬一体ドライビングアカデミー&KTR

TOTAL POINTS : 20

エキスパートクラス史上稀に見る大激戦!山口達雄と今橋彩佳が優勝を飾る

2021 インタープロトシリーズ powered by KeePer第1大会が6月5日(土)~6日(日)に富士スピードウェイで開催され、IPエキスパートクラスは第1戦が#44 山口達雄(NAVUL)、第2戦は19 今橋彩佳(GARDEN CLINIC RT)が、それぞれクラス優勝を果たした。

昨年は最終戦の最終ラップまでチャンピオン争いがもつれたエキスパートクラス。今年も王者となった山口をはじめ、6台が第1大会にエントリー。昨年のジェントルマンクラスチャンピオンである#55 寺川和紘(人馬一体ドライビングアカデミー)がエキスパートクラスに加わったほか、2017年にKYOJO CUPに参戦していた今橋がインタープロト初挑戦となった。

▶︎予選

6月5日(土)の公式予選を前に、これまでインタープロトシリーズに初年度から参戦しシリーズチャンピオンにも輝いていたジェントルマンドライバーで、今年3月21日に逝去された“とおる君”こと澤田透氏(株式会社ジェー・ポイント 代表取締役社長)に黙祷が捧げられた。澤田氏のマシンメンテナンスを担当していたガレージでは、開幕戦の前にメカニックも一人旅立っており、チームは寂しさを乗り越えての戦いとなった。

8時から始まった公式予選は、前日の大雨の影響でウエットコンディションに。今回は全クラス合わせて19台がエントリーしていることもあり、セッション後半にはコースの一部で路面が乾き始めている状態だった。

その中で速さをみせたのがディフェンディングチャンピオンの山口。開始15分のところで2分00秒962を記録すると、翌周にはさらにタイムを縮め、2分00秒582のベストタイムをマークした。これに対し、一昨年のチャンピオンである永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)が2分00秒750まで山口に肉薄したが逆転は叶わず、そのままセッション終了となった。

山口は昨年の第3大会、第4大会に続いて3連続でのポールポジション獲得。2番手に永井、3番手に寺川が続いた。路面が完全に乾ききっていない中で、山口は2分00秒中盤のタイムを叩き出し、同じマシンでプロフェッショナルレースに参戦する山下健太も「コンディションを考えると、このタイムは凄い」と山口のパフォーマンスに驚きを見せていた。

Driver’s Voice

ポールポジション:#44 山口達雄

「予選の前半は水しぶきが上がっている状態でしたが、後半はあまり上がらなくなりました。タイヤを使い過ぎてしまうと発熱し過ぎてしまうので、そこは気を遣いながら走っていました。ただグリップ感はけっこうあったので、無理をせずに、コーナーでしっかりと減速して、立ち上がりの加速の仕方も意識をして、なるべく(タイヤを)縦に使おうとしました。
今年のエキスパートクラスは、素晴らしい選手が揃っているので、レースとしては面白くなるのかなと思います。ただ実際にやる方としては、昨シーズンの最終戦みたいな戦いが続くのかなと思うと、今日ポールポジションを獲れたのは良かったです。あとはレースでしっかり結果を残すとともに山下選手にしっかりとつないで、2人でチャンピオンを獲れればと思っています」

▶︎第1戦決勝

14時15分から行われた第1戦決勝は、コンディションも完全に回復し、ドライ路面で12周のレースとなった。山口を先頭に、永井、寺川、大蔵の順でTGRコーナーを通過。今回も序盤から大混戦の展開になるかと思われたが、コカ・コーラコーナーで永井が若干失速。山口が早くも後続を引き離す展開となり、2周目には早くも2.7秒ものリードを築いた。

2番手争いは永井と寺川の一騎打ちとなっていたが、その後方では今回がインタープロト初参戦となるジェントルマンクラス#7 山﨑裕介(CARGUY IPS)と大蔵が激しい総合4番手争いを展開。
一度は山崎の先行を許したものの、4周目のADVANコーナーで逆転した大蔵だったが、300Rへ向かおうとしたところでスピンを喫してしまい、大きく後退してしまった。

中盤に入ると、永井と寺川の2番手争いがさらに激化。折り返しを過ぎた8周目のTGRコーナーで追い抜きに成功し、2番手を奪取した寺川だが、9周目のダンロップコーナーでオーバーランをしてしまい、再び永井が先行。寺川は最終ラップには4番手を走行する今橋にも迫られた。

トップの山口は最後まで危なげないドライビングを披露してトップチェッカーを受け、2021年の開幕戦を制した。2位には永井、3位は今橋とのバトルに競り勝った寺川が続いた。

Driver’s Voice

第1戦優勝:#44 山口達雄

「スタートから永井選手が後ろに来ていることは分かっていたんですが、コカ・コーラコーナーで永井選手が姿勢を乱していて。あのマージンは大きかったですね。あれがなかったら、2020シーズンの最終戦のような接近した争いになっていたと思います。そこからはペースを落とさず、ミスをしないことを意識して走りました。ところどころで失敗はしていますけど、とにかくスピンをしないように(失敗を)最小限に抑えて走りました。まずは2021シーズンの第1戦を獲ることができたのはチャンピオン争いを考えても大きいなと思っています」

▶︎第2戦決勝

6日(日)午前に行われた第2戦の決勝もドライコンディションとなったが、上空からポツポツと雨が降ってくる中でのレースとなった。第2戦は公式予選で記録したセカンドベストタイム順でグリッドが決められ、第1戦に続いて山口がポールポジションからスタートしたが、2周目のTGRコーナーでのブレーキングでミスをしてしまいスピンを喫してしまった。これで永井がトップに浮上するも、その周の13コーナーでわずかにコースを外し、背後につけていた寺川がトップに立った。

2番手の永井の後方には大蔵が接近。何度かオーバーテイクを試みるが永井も巧みなブロックを披露し、ポジションを明け渡さなかった。その一方で、7番手からスタートした今橋が徐々にポジションを上げて3周目には4番手に浮上。前を走る永井と大蔵を追いかけた。

後続がバトルをしている間に、順調にリードを築いていたトップの寺川。5周を終えたところで、その差は4.0秒にまで広がったが、6周目のADVANコーナーで#25 高橋照夫(TAO team SAMURAI)がトラブルでコースサイドにマシンを停めた影響で、その区間で追い越し禁止を示すイエローフラッグが掲示されていた。寺川はここでCCS-Rクラスの車両に引っかかってしまいペースダウンを余儀なくされ、思わぬ形で2番手以下の集団が接近することとなり、レース後半は4台による激しいトップ争いが展開された。

まず勝負をかけたのが2番手の永井。8周目のTGRコーナーで、寺川をインから攻略しようとしたが、ポジションの変動はなかった。その後もトップ争いは緊迫した展開となったが、9周目のGRスープラコーナーで永井のラインがやや膨らんだところを見逃さなかった大蔵が2番手に浮上。さらに10周目の最終コーナーで今橋も永井を追い抜き3番手に上がった。

後続の猛追を何とかしのぎながら最終ラップに突入したトップの寺川だったが、そのTGRコーナーで痛恨のスピンを喫してしまい、5番手まで後退。これでトップに大蔵が立ったが、直後のADVANコーナーで今橋がインに飛び込みトップを奪取。そこで生じた隙を突いて永井も2番手に浮上した。

この3台が激しい争いを繰り広げている間に序盤に後退した山口も追いつき、最後は4台が集団となったバトルとなったが、今橋が逃げ切ってデビュー大会で見事初勝利を飾った。2位には永井、3位には大蔵が続いたが、わずか1秒以内に3台がひしめくというエキスパートクラス史上でも稀に見る大激戦となった。

Driver’s Voice

第2戦優勝:#19 今橋彩佳

「優勝することができて、本当に最高な気分です!気持ちだけはトップを目指していましたが、正直そこまでいけるとは思っていませんでした。レースの流れから表彰台はいけるだろうなと思っていましたが、最後はラッキーな部分もあって、まさか1位まで上がれるとは思わなかったです。前日の第1戦では初戦ですし、プロクラスとクルマをシェアしているので『クルマを壊してはいけない』という気持ちも強くあって、守りに入ってしまうところがありました。その結果、最後は追い抜くことができずに悔しかったので、今日は攻めようと思ってレースに臨みました。私にとって3年ぶりのレースなので、以前やっていた時に失敗していたことを繰り返さないようにしようと思っていました。KYOJO CUPに出ていた時も後ろを気にしすぎたのがダメだったので、今回は気にしないようにしたし、練習走行でも今まではタイムだけを追いかけていたので、もっと内容面にこだわって、課題克服に集中していました。黒澤琢弥監督、藤波清斗選手をはじめチームの皆さんのサポートも素晴らしくて準備万端の状態で挑めたのが、本当に良かったです」