IPS GEN RD7-8 RACE REPORT

総合トップ争いにも加わる活躍を見せた寺川和紘がチャンピオンに輝く

2020 インタープロトシリーズpowered by KeePer第4大会が1月30日(土)に富士スピードウェイで開催され、ジェントルマンレースのジェントルマンクラスで#55 寺川和紘(人馬一体ドライビングアカデミー)が2連勝し、チャンピオンを獲得した。

▷予選

午前8時から15分間のフリー走行を経て午前8時55分から公式予選が開始。寺川は、エキスパートクラスのトップ争いに割って入る速さを見せつけた。最終的に1分45秒378をマークし、IPジェントルマンクラスのコースレコードを1秒以上更新して総合3番手グリッドを獲得した。クラス2番手には#96 末長一範(岡山トヨペットK-tunes)が総合5番手となる1分46秒711をマーク。クラス3番手には#88 八木常治(Pastel Motorsport)が1分49秒475で総合8番手に入った。

▷決勝

今大会も第3大会と同様に2レースを続けて行うフォーマットが採用され、また気温・路面温度がかなり低いことから、安全のため1レース目である第7戦のフォーメーションラップは2周実施された。なお、フォーメーションラップの1周目を終えたところで#7 とおる君(J-Gear7 とおる君)が、トラブルのためピットに戻り、そのままリタイアとなった。

第7戦のスタートが切られると、1周目から随所で激しいバトルが展開される中、寺川が総合3番手をキープ。さらに末長も総合4番手に上がり、エキスパートクラスでチャンピオンを争う#44 山口達雄(NTP RACING IPS)、#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)を追いかけた。

寺川は総合トップ2台のハイペースなバトルにしっかりついていき、時折2番手の永井に対して1秒以内のところまで接近するなどプレッシャーをかけていく。結局、順位が入れ替わることはなかったが、ポジションをしっかりと守り抜き総合3位でチェッカーフラッグを受けた。これで第8戦を待たずに寺川がジェントルマンクラスのチャンピオンとなった。

第7戦の到着順でそのまま始まった第8戦決勝でも寺川は力強い走りをみせる。序盤から1レース目以上に前を走るエキスパートクラスの山口と永井に食らいついていき、1秒以内の間隔をキープした。4周目を過ぎたあたりからはエキスパートクラスの#37 大蔵峰樹(キーパー号)が接近し、防戦一方の戦いとなってしまったが、最後まで隙を見せない走りを徹底して3位を死守。そのままチェッカーフラッグを受けて、2戦連続ジェントルマンクラスで優勝を飾った。クラス2位には末長、3位には八木と、第7戦と同じトップ3となった。

Driver’s Voice

第7戦・第8戦優勝/シリーズチャンピオン #55 寺川和紘(人馬一体ドライビングアカデミー)

「チャンピオン獲得は嬉しいですが、正直なことを言うと“非常に悔しい”という気持ちが大きいです。何が悔しいって、(レース中に)守りに入ってしまった自分が悔しいです。やっぱり、この場でみんなと競う以上は、クラスとかは関係なく誰よりも前でゴールしたいと思っていました。仕掛けに行こうと思えば行けましたが、シリーズのことや、会社活動のことを考えると、まずはジェントルマンクラスのシリーズチャンピオンを確実に獲らないといけないと考えました。ポジティブに言うとチャンピオン獲得を優先する走りを選んだということになるのですが、自分の中では一歩引いてしまっている部分がありました。『(総合でトップを獲れなくて)悔しいな』というのが、率直な感想です。僕はレース活動の経験がほとんどない状態のところでシーズンを迎え、とにかく勉強になった1年でした。クルマづくりにしても、運転にしてもそうですけど、レースだからこそ見えてくるもの、得られるものが凄くあった1年でした。来シーズンも参戦できることになれば、みんなの中で一番を狙って、それをしっかり勝ち取れる技と心、そして体をしっかりと身に付けたいと思います」