IPS PRO RD5-6 RACE REPORT

FIRST

福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI

#37 K-Design

TOTAL POINTS : 102

2ND

ロニー・クインタレッリRONNIE QUINTARELLI

#16 TOMEI SPORTS

TOTAL POINTS : 73

3RD

阪口 晴南SENA SAKAGUCHI

#3 INGING MOTORSPORT

TOTAL POINTS : 71

4TH

坪井 翔SHO TSUBOI

#32 GR GARAGE YOKKAICHI

TOTAL POINTS : 54

2020インタープロトシリーズ powerd by KeePer 第3大会レポート

福住仁嶺が初のポール・トゥ・ウィンで2連勝、王座獲得に一歩近く

2020 インタープロトシリーズpowered by KeePerプロフェッショナルの第3大会が11月23日(月・祝)に富士スピードウェイで開催され、第5戦・第6戦ともに#37 福住仁嶺(キーパー号)が優勝を飾った。

7月末の鈴鹿大会から約3ヶ月のインターバルが開いての開催となった第3大会は、再び富士スピードウェイに舞台を移して行なわれた。開幕大会とは異なり今回は観客を動員しての開催(パドックへの一般入場は禁止)となり、グランドスタンドを中心に熱心にレースを観戦するファンの姿がみられた。

ただし、今回も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関係者は事前に問診票を提出し入場時の検温を実施。本来なら2日間かけて行うレースウィークも1日に短縮され、表彰式もソーシャルディスタンスなどに配慮して実施された。

▷予選
午前9時35分から始まった公式予選は、曇り空ではあるもののドライコンディションで行われた。本来ならIP車両10台、CCS-R車両4台が出走するはずだったが、直前に行われたジェントルマンレースの予選でクラッシュし、マシン修復が叶わないため、#7 野尻智紀(J-Gear7 とおる君)が欠場することに。残る13台で予選がスタートした。

各車ともしっかりとタイヤを温めてタイムアタックに臨んでいったが、いち早く好タイムを記録したのが福住。1分45秒173をマークしトップに浮上すると、翌周にさらにタイムを伸ばし1分44秒994を記録。2戦連続のポールポジションに大きく近づく走りをみせた。しかしセッション終盤になるとライバルも肉薄。#44 平川亮(NTP RACING IPS)が1分45秒075をマークし、#55 関口雄飛(人馬一体ドライビングアカデミー)も1分45秒021を記録する。福住に0.027秒差にまで迫ったが、逆転でトップに立つことはできずセッションが終了。これで福住が2大会連続で予選ポールポジションを手にし、2番手に関口、3番手に平川がつける結果に。上位3台が0.1秒にひしめく大接戦の予選となった。

Driver’s Voice

ポールポジション:福住仁嶺コメント

「まずはポールポジションを獲得することができて嬉しいです。この37号車は前回(鈴鹿大会)もポールを獲りましたけど、最近はすごく調子が良くて、チームの皆さんの努力のおかげなので、すごく感謝しています。タイムアタックに関してはもう1周いっていればタイムが伸びていた可能性はありましたが、タイヤのグリップのピークとしては僕がベストタイムを出したあたりだったのかなと思います。ただ、ピットに戻ってきてタイムを確認したら関口選手が結構タイム差を詰めてきていたので危なかったですね。決勝は一番前からスタートして安定して走れることに越したことはないので、無難に逃げられるようなレースにしたいです」

▷決勝
13時55分から行われた決勝レース。今回は第5戦、第6戦ともに8周で争われたが、午前中に引き続きドライコンディションとなった。

第5戦は午前中の予選結果順にグリッドに整列したが、#88 佐々木大樹(Pastel Motorsport)はマシントラブルのためグリッドにつくことができず、IP車両は8台でレーススタートが切られた。

ポールポジションの福住はトップを守ってTGRコーナーを通過。2番手に関口がつけ、3番手には平川を抜いてが#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が浮上し、序盤からこの3台が激しい接近戦を繰り広げた。一方、後方ではスタート直後にポジションを落とした平川が坪井と好バトルを展開。6周目のダンロップコーナーでオーバーテイクし4番手に浮上した。また、このタイミングでマシン修復を終えた佐々木がコースインを果たしている。

序盤の数周は追われる展開が続いていた福住だが、レース後半に入ると徐々にペースを上げていき、後続との差を広げ始めた。それに対し関口とクインタレッリが2番手争いを展開。7周目のTGRコーナーでは2台が並んで飛び込んでいくも関口がポジションを死守した。

最後は1秒以上のリードを築いた福住がトップチェッカーを受け、インタープロトシリーズ参戦2シーズン目にして初優勝を飾った。2位には関口、3位にはクインタレッリが続いた。

第5戦到着順でスタートした第6戦も、スタートダッシュを成功させた福住がトップを快走し、それを関口とクインタレッリが追いかける展開。序盤はそれぞれが1秒以内の間隔で走行するが順位が入れ替わるまでには至らず膠着状態が続いた。

4周目には5番手を走行していた坪井がトラブルでスローダウン。そのままピットに戻ってリタイアとなった。

レース後半に入ると2番手争いが激化。関口とクインタレッリの2番手争いに平川も加わり三つ巴の2番手争いとなった。その間にトップの福住は1分45秒後半のペースを維持し、少しずつ後続との差を広げにかかった。

レース終盤に入ると上位争いに動きが出始めた。7周目のホームストレートでクインタレッリが関口に接近。そのままアウト側からTGRコーナーで攻略しようと並びかけたが、逆にその隙をついて平川がクインタレッリの横に並び、コカ•コーラコーナーで3番手を奪い取った。その勢いで2番手を走る関口にも迫ったが、その周のダンロップコーナーでトラブルが発生してしまい、コースオフ。無念の戦列離脱となった。

最終ラップに入ると、今度は#96 中山雄一(岡山トヨペット K-tunes)がクインタレッリに急接近。勝負を挑んだがわずかに及ばず表彰台圏内に進出することはできなかった。

終始トップを守り続けた福住は、最終的に2.1秒の差をつけて2連勝をマーク。これでドライバーズランキングも102ポイントに伸ばして、ライバルに30ポイント近いリードを築き、シリーズチャンピオンに大きく近づくこととなった。2位には関口、3位にはクインタレッリが入り、終わってみれば第5戦と全く同じ表彰台の顔ぶれとなった。

#37 キーパー号は直前に行われたジェントルマンレースのIPエキスパートクラスで2連勝しており、福住がプロフェッショナルレースでトップを飾ったことでダブル優勝を達成。パルクフェルメでは満面の笑顔を見せていた。

Driver’s Voice

#37 福住仁嶺

「インタープロトでの初優勝が2連勝ということで非常に良かったです。練習走行の時からの良い流れを崩さずに、予選でポールを獲り、一番前からスタートできたというのが今回の勝因だったのかなと思います。良いクルマを用意してくださったチームの皆さんのおかげで、勝つことができました。感謝しています。1レース目の序盤はタイヤの内圧が上がってくるまでは後ろから追い上げられましたけど、周りのタイヤが苦しくなり始めた時に自分のペースは悪くなかったので、引き離すことができました。最終戦は年を跨いで1月の開催ですが、また今回のようなレースができればなと思っています。それまでに僕が参戦しているスーパーフォーミュラが3戦、SUPER GTも1戦残っています。今回の流れをうまく活用できるようにしたいですね。今日は今日で喜んで、明日からは次のレースに向けて切り替えていきたいなと思います」

#55 関口雄飛

「開幕大会はクラッシュしてリタイアとなって、第2大会はマシントラブルでリタイアとなっていました。今回の第3大会はトップには少し及ばなかったですけど、2レースとも2位を獲得することができました。特にレース2は苦しい状況でしたが、なんとか後続を押さえ切れたし、できることはやれたと思っています。とりあえずインタープロトでは今季初表彰台ということで満足しています。ただ、今回走りながら自分たちの遅いところが分かったし、何を直さなければいけないかが分かったので、それを次のレースまでに改善したいなと思います」

#16 ロニー・クインタレッリ

「ずっと関口選手と接近戦という展開でしたが、僕が良いところと彼の良いところがあって、最終的に同じようなペースでした。正直抜きにいけるだけの力はなかったですね。レース1に1回、レース2でも2回くらい仕掛けましたけど、彼も上手にブロックしてきました。でも、クルマに関しては今シーズンの中で一番調子が良くて、レースも悪くなかったです。ただレース2はタイヤが苦しくて後半はズルズルになってしまいましたが、次回大会に向けて課題も見つかったので、もっともっとクルマを良くしていきたいですね」

インタープロトシリーズ第2大会 副賞の贈呈

2020年のインタープロトシリーズは、新型コロナウイルス感染対策により通常とは異なるタイムスケジュールで開催されます。 表彰式も時間短縮のためにトロフィーの授与のみが行われたため、表彰式終了後に別室で副賞の贈呈を行いました。

※ポールポジション…公式予選でトップタイムを記録したドライバー
※ファステストラップ…第1・第2レースを合わせて最も速いラップタイムを記録したドライバー
※ベストガレージ賞…プロ/ジェントルマンレースの総合結果が最もよいチーム