IPS GEN RD3-4 RACE REPORT

2020インタープロトシリーズ ジェントルマンクラス 第2大会レポート

初参戦の三浦愛が鈴鹿大会を2連勝

2020年のインタープロトシリーズ POWERED BY KeePerの第2大会が7月25日~26日に鈴鹿サーキットで行なわれ、ジェントルマンレースのIPジェントルマンクラスは#37 三浦愛(キーパー号)が初参戦ながら2連勝を飾った。

▷予選
これまでは富士スピードウェイで開催されてきたインタープロトだが、今回初めて鈴鹿サーキットでの開催となり注目を集めた。また第1大会の際は無観客での開催となったが、第2大会では新型コロナウイルス感染防止対策を施した上で、グランドスタンドなどでの一般観戦が可能となり、来場者も普段は鈴鹿で見られることができないインタープロトの走りに釘付けとなっていた。また今回はKYOJO CUPで活躍する三浦が急きょスポット参戦することになり話題となった。

25日(土)13時05分から始まった公式予選。セッション開始時はほとんど降雨は確認されなかったものの、朝からの雨の影響でWET宣言が出されたなかでの走行となった。IP車両はウェットタイヤを装着してコースインした。こういったコンディションでは電子制御システムを装着するCCS-R車両が速さを見せることが多く、今回の予選で総合トップ2を独占。一方、IPジェントルマンクラスでは初参戦の三浦が速さをみせIPエキスパートクラスの#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)に0.3秒差に迫る2分25秒309をマークした。

▷第3戦決勝
約3時間のインターバルを経て行なわれた第3戦の決勝レース。1周5.807kmの鈴鹿サーキットを10周(もしくは30分)で争われた。各車がスターティンググリッドにマシンを並べたが#55 寺川和紘(人馬一体ドライビングアカデミー)はマシントラブルのため出走ができなかった.

決勝スタート前になって雨が強くなり始めたため、セーフティカー先導でスタート。3周目から全周追い越し禁止状態が解除されレースが本格的に始まった。

ポールポジションの永井は雨の中で慎重かつ確実な走りを披露し6周を終了した時点で9秒の差がついた。一方、レース終盤になって2番手争いが激化。#3 FLYING RAT(INGING MOTORSPORT)の後方に三浦と#44 山口達雄(NTP RACING IPS)が近づき始めた。なかでも一番ペースの良かった山口が三浦の攻略にかかったが、9周目の日立オートモティブシステムズシケインでコースオフ。2輪専用シケインをうまく利用して復帰を果たしたが三浦から遅れをとることになってしまった。

結局、永井は後続を全く寄せ付けないレースを展開し総合トップでチェッカーフラッグを受けた。IPジェントルマンクラスは総合3位に入った三浦が優勝を果たし、総合6位の#88 八木常治(Pastel Motorsport)がクラス2位となった。

▷第4戦決勝
26日(日)10時40分から行なわれた第4戦の決勝レース。前日の公式予選でのセカンドベストタイム順でグリッドに整列し、IPクラスはFLYING RATがポールポジション、IPジェントルマンでは4番手の三浦がクラストップからのスタートとなった。

IPクラスは1周目からFLYING RATと永井のトップ争いが白熱した。また後方では前日トラブルで第3戦に出走できなかった寺川が怒涛の追い上げをみせ、一気にポジションを3つ上げて4番手まで浮上した。さらに上位を狙っていったが、3周目の日立オートモティブシステムズシケインで山口と接触しスピン。2台とも何とか再スタートを切ったが、大きく遅れをとることになった。

スタート時点ではほとんど雨は降っておらず路面もドライの状態だったが、2周を完了したあたりから急に雨が降り始めコンディションが変化し始めた。すると上位争いも波乱含みと展開となった。#37 三浦と2番手を争っていたFLYING RATが3周目の130Rでスピンを喫しリタイヤ。さらにトップを快走していた永井も濡れた路面で足元をすくわれてしまい5周目のスピーンカーブでコースオフを喫してしまった。

この難しい状況の中で集中力を切らさずに走っていた三浦がトップに浮上。永井に対し4秒以上のリードを築いてレース後半に突入していった。しかし、レース後半は雨脚が強くなる一方で8周目を完了しようというところでセーフティカーが導入され、そのままチェッカーフラッグを迎えた。

これで三浦が前日に続くクラス優勝に加えてジェントルマンレースでの総合トップにも輝く結果となった。クラス2位には寺川、同3位には八木が続いた。

Driver’s Voice

第4戦優勝:三浦愛
「インタープロの車両に最初乗った時は『めっちゃ面白い!』と思いました。ドライでだんだんタイムが上がって、そこそこ良いタイムも出るようになったんですけど、(予選が始まったら)ウェットになったら、難しかったです。この車両はダウンフォースがないけどスピードが速くて、タイヤもグリップするのでコーナリングスピードも上がります。私自身まだフォーミュラカーを運転する感覚が抜けていなくて、そういうクルマをコントロールするのが難しいなと感じました。まずは自分の中で色んなものを吸収して帰ることができればなと思っています。あとは福住選手からもたくさんのアドバイスをいただいているし、セッティングのことについてもエンジニアさんを交えて色々ディスカッションしています。正直、ここまで細かい話をするのはF3以来だなと思いましたね。クルマのフィーリングのエンジニアさんへの伝え方などは(福住選手から)色々勉強させてもらっています。

(第4戦は) ペースは悪くなかったんですが、鈴鹿が舞台だったということとインタープロトでのレース経験がないので、ちょっと安全マージンを取りすぎた部分でシケインでパスされてしまいました。その後、雨がどんどん強くなっていって、あの状況の中をスリックタイヤで走るのはかなり難しかったです。なので途中にセーフティカーが入ってくれて本当に良かったと思います。正直“棚ぼた”での総合トップだったので、(優勝したという)実感はあまりないんですけど、やっぱり結果は大事ですし、チームも一番を獲れたことは大きいと言ってくれたので……結果オーライということで、久々の1位フィニッシュで良かったのかなと思います」