KYOJO CUP RD4 RACE REPORT

FIRST

辻本 始温SHION TSUJIMOTO

#18 ORC AGUROS VITA

TOTAL POINTS : 80

2ND

翁長 実希MIKI ONAGA

#114 RSS VITA

TOTAL POINTS : 57.5

3RD

下野 璃央RIO SHIMONO

#47 KeePer VITA

TOTAL POINTS : 55

4TH

荻原 友美TOMOMI OGIHARA

#36 KNC VITA

TOTAL POINTS : 44

トップ争いのタフなバトルを制した翁長実希が2連勝。3位に入った辻󠄀本始温がチャンピオンに

年末も押し迫ってきた12月12日(日)、冬晴れの富士スピードウェイでは2021年の KYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM 第4戦が行われ、#37 翁長実希(KeePer VITA)が第3戦に続いて2連勝を飾り、3位に入った#18 辻󠄀本始温(ORC ARUGOS VITA)がシリーズチャンピオンを獲得した。

▶︎予選

朝一番、午前7時50分から行われた公式予選は、吐く息も白くなるような寒さの中、10℃を大きく下回る路面温度に対して、タイヤをどうマネージメントとしていくのか、難しいコンディションでのタイムアタックとなった。前日に行われた富士チャンピオンレースのVITAレースで圧勝、勢いに乗る翁長を先頭に各車一斉にコースインしていく。

1分04秒台から02秒台とトップタイムが上がっていき、先ずは計測3周目に辻󠄀本が2分01秒台に入れてくる。翁長は2分01秒476で2位に続きさらに01秒276とタイムを削っていく。するとこれに反応したかのように辻󠄀本は2分01秒台から00秒台へとペースアップ。00秒864から00秒773へと2番手以下を突き放していくが、翁長も00秒841まで詰めて追随する。

3番手は#86 猪爪杏奈(Dr.DRY VITA)と#36 荻原友美(KNC VITA)が2分01秒台前半で争っていたが大きくタイムアップしてきた#34 下野璃央(YGF Drago VITA)が逆転し、3番手に浮上。しかし今度は荻原が01秒の壁を破って00秒670をマーク、翁長を逆転して2番手となった。これに続くように猪爪も00秒418まで詰めて3番手となる。

こうしたライバルを突き放すかのようにトップの辻󠄀本は、ついに2分の壁を破って1分59秒922をマークする。下野も2分00秒365まで詰めるが2番手のまま。その下野をかわして荻原が00秒365まで詰めたが、これも一歩届かず辻󠄀本のポールが決定。以下2位の荻原から下野、猪爪まで3人が2分00秒台前半で続いた。

前回の第3戦で辻󠄀本の連勝を止め、チャンピオン争いの権利を残して今回の最終戦に臨んだ翁長も2分00秒599で5番手につけたが、走路外走行複数回などのペナルティで3グリッド降格となってしまった。ちなみに、タイトル争いは、ポールポジションの1ポイントを加えた辻󠄀本が、戴冠まであと1ポイントでタイトルに手が届くことになっていた。

【Driver’s Voice】

ポールポジション:#18 辻󠄀本始温

周回を重ねるごとに少しずつタイムが上がっていきましたが、自分としては100Rなどで細かなミスもあって、次の周、また次の周とミスをカバーしながらアタックを続けていきました。このコースは好タイムをマークするにはセクター3がとても重要で、ミスなく纏めるのが難しいんですが、何とか(タイムを)詰めていくことができました。1分59秒台が2周出ていて、最終ラップでも1コーナーの先で前を行くクルマがスピンして、その影響もあってタイム更新することはできませんでした。ただ、1コーナーに行くまでに(その先でスピンしたクルマの)スリップストリームもつかえていたので、まだ(タイム更新の)可能性があると思って最後まで頑張ったのですが…。コースレコードまであと少しで(レコード更新の)手応えとしてはあったんですが、それはまた次回以降にお預けとなりました。午後の決勝レースでも、好い流れをキープして頑張ります。

▶︎決勝

予選の時よりは気温も上昇したが、吹く風が肌寒さを感じさせる中、第4戦の決勝レースが始まった。スタート直後の1コーナー(TGRコーナー)で下野が荻原をかわして2位に進出。荻原はダンロップコーナー先で猪爪や8番グリッドからジャンプアップしてきた翁長にも抜かれてポジションダウン。辻󠄀本、下野、猪爪、翁長のオーダーでオープニングラップを終える。

2周目の1コーナーでは下野が仕掛け辻󠄀本をかわしてトップに立つ。さらに翁長が猪爪に仕掛け、Aコーナーまでサイド・バイ・サイドのドッグファイトの末、3位にポジションアップ。3周を終わった時点では下野、辻󠄀本、翁長、猪爪とトップ4のオーダーは目まぐるしく入れ替わる。その後方でもバトルが繰り広げられ#101 岩岡万梨恵(佐藤工業 IDI VITA)が#610 RINA ITO(恒志堂レーシングVITA610)をかわして7位にポジションアップしている。

翁長はさらに、6周目の1コーナーで辻󠄀本をもかわして2番手に進出。4周目にマークしたファステストタイムを6周目には自ら塗りかえる速さで、トップを逃げる下野を追い詰めていく。そして8周目の1コーナーでは下野がオーバーランする間にこれをかわしてトップに立った。

9周目の1コーナーで、今度は翁長自身もブレーキをロックさせてラインを外し、姿勢を乱したものの何とかコース上に留まって下野に再逆転を許さない。そしてそのまま逃げ切った翁長は、前回の第3回大会に続いて2連勝を飾ることになる。

ポールからスタートしたもののスピードに伸びを欠いた辻󠄀本は、6周目には3位にまでポジションを落としたものの、そこで踏ん張り2位の下野に続いて3位でレースを走り切り、デビュー2シーズン目で戴冠。またオープニングラップで遅れた荻原は、その後粘り強く追い上げて4位の猪爪にコンマ6秒差まで迫ったところでチェッカーとなった。

Driver’s Voice

優勝:#37 翁長実希

逆転チャンピオンの可能性がるのも分かっていましたが、レース中はポイントのことは何も考えず、行けるところまで行こう、と自分の走りに集中して走りました。走り始めからクルマの調子もよく、予選でもリズム良く走ることができました。デビューシーズンから3年連続でシリーズ2位。本当に“万年2位”で皆さんに期待してもらいながら、その期待を裏切り続けることになってしまいました。でも、今日のレースではミスもなく、自分の走りでレースを走り切ることができました。その結果優勝することもできて、前回の第3大会から2連勝を飾ることができ、来年につながる内容となりました。またもチャンピオンを獲れなかった悔しさをパワーに換えて、来年こそはチャンピオンを獲りたいと思います。

2位:#34 下野璃央

金曜日にエンジンが壊れて乗せ換えてもらいましたがそこからは全くトラブルもなく、フィーリングも悪くなかったです。ただ何か足りないとは感じていました。レースでは、スタートが上手く決まって、1コーナーでトップに立つことができましたが、トップで走っている間は、自分自身で落ち着かせようと思いながらもあせってしまいました。タイム差も大きかったですね。前半はトップを走っていて、終盤には2位で追い上げる展開でしたが、追いかけている方が気持ちが楽で。そのメンタルの部分が私の弱さかなと。悔しいレースになったので、次回また頑張ります。

シリーズチャンピオン:#18 辻󠄀本始温(決勝3位)

デビューシーズンとなった去年は、最高位が4位で表彰台にも上ったことがなかったのに、今年は開幕から2連勝で、それ以外でも表彰台に立てるようになり、自分でも成長を感じることができました。練習の時から自分なりに工夫して周りのドライバー(の走行しているポジションなど)を見ながら、良い時のポジション取りだとかを考えたり予選やレースの組み立てを考えながら走るように工夫しました。速さは出てきたと思うのですが、それを安定して発揮できていないのが自分の課題です。だから走っていない時でもフィジカルやメンタルのトレーニングをしてきました。結果としてチャンピオンを獲ることができて、本当に嬉しいです。来年はフォーミュラに乗りたいと思っていますが、KYOJO CUPの代表だという気持ちで最後まで諦めないで戦っていきたい。自分はKYOJO CUPで育ってきた、KYOJO CUPで速くなった、と自信をもって言えるように頑張りたいです。

第4戦上位3名
第1位 #37 翁長実希選手
BABY-G賞
エアージェイ賞
イオンモール賞
DIREZZA賞
第2位 #34 下野璃央選手
BABY-G賞
エアージェイ賞
イオンモール賞
第3位 #18 辻󠄀本始温選手
BABY-G賞
エアージェイ賞
イオンモール賞

ポールポジション獲得#18 辻󠄀本始温選手
ファステストラップ記録#37 翁長実希選手

副賞
BABY-G賞
エアージェイ賞
イオンモール賞

シリーズ上位3名
シリーズチャンピオン #18 辻󠄀本始温選手
文部科学大臣賞
ミュゼプラチナム賞
MOTUL賞
第2位 #37 翁長実希選手
ミュゼプラチナム賞
MOTUL賞
第3位 #34 下野璃央選手
ミュゼプラチナム賞
MOTUL賞
シリーズ賞典
文部科学大臣賞
ミュゼプラチナム賞
MOTUL賞(シリーズチャンピオン)
MOTUL賞(シリーズ2位/3位)