福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI
#37 K-Design
TOTAL POINTS : 116
RACE
REPORT
福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI
#37 K-Design
TOTAL POINTS : 116
山下 健太KENTA YAMASHITA
#44 NAVUL
TOTAL POINTS : 98.5
阪口 晴南SENA SAKAGUCHI
#96 K-tunes Racing
TOTAL POINTS : 98
藤波 清斗KIYOTO FUJINAMI
#7 KF MOTORSPORT
TOTAL POINTS : 72
レース1に勝った福住仁嶺がレース2でも2位に入りシリーズチャンピオンに。
レース2は阪口晴南が逆転優勝、シリーズに有終の美を飾る
2021 インタープロトシリーズ POWERD BY KeePer 第4大会が、富士スピードウェイで12月11日(土)~12日(日)に開催され、プロフェッショナルレースの第7戦は#37 福住仁嶺(K-Design)が優勝。シリーズ最終戦となる第8戦は#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)が逆転優勝を飾った。第8戦で2位に入った福住がシリーズチャンピオンとなり連覇を果たすことになった。
同じく富士スピードウェイで開催された第3大会から2か月半のインターバルで開催された今回の第4大会。快晴に恵まれたものの、12月に入って気温/路面温度ともに一層低下し、路面温度などに対するマネージメントも必要になってくるが、各チームともに金曜日の練習走行から、念入りにセッティングを進めていった。なお、今大会には8号車が第1大会以来久々に登場。プロフェッショナルレースにエントリーしたのは松田次生で、こちらも2019年以来数年ぶりにKurumaのステアリングを握ることとなった。
▶︎予選
11日(土)に行われた公式予選は快晴でドライコンディションとはなったものの、路面温度が低いタフなコンディションとなった。いつものように、先ずはCCS-RとSUPRA各クラスの車両がタイムアタック。数分を経過した辺りでIP車両がコースインしていく展開となる。
IP車両で最初にコースインしていったのは#55 関口雄飛(人馬一体ドライビングアカデミー)だが、彼は1周回ってくるとピットロードに戻り、ピットロードで何かチェックを済ませたのかそのままピットに停まらずそのままコースインして行く。そうこうしている間にも各車は次々にコースイン。残り10分を切っったところで最後までピットに残っていた#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)もコースインし、タイヤを温めてからタイムアタックが始まることになった。
セッションも残り5分が近くなるとCCS-RとSUPRA各クラスの車両がピットに戻り、ここからはIP車両のタイムアタック合戦がいよいよ本番となる。まずは福住が1分44秒台に入れてターゲットタイムを提示。そして彼自身が1分44秒581まで詰めてターゲットを引き上げた。するとその直後に山下健太(NAVUL)が1分44秒387をマークしてトップに躍り出る。福住もさらにタイムを削っていくが、1分44秒391でわずかに及ばず。
#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が1分44秒486、#32 坪井翔(NETZ NOVEL MIE)が1分44秒501で続いていたが、その後方につけていた阪口がラストラップで1分44秒437まで詰めクインタレッリと坪井を交わして3番手に進出してチェッカーとなった。
ポールポジションの山下と2番手に着けた福住は僅か1000分の4秒差。3番手の阪口、4番手のクインタレッリまでがコンマ1秒差。5番手の坪井、6番手の#6 佐々木大樹(Pastel Motorsport)までがトップからコンマ3秒差にひしめく混戦状態で、決勝レースでの好バトルに期待が集まった。
Driver’s Voice
ポールポジション:#44 山下健太
クルマは昨日から調子良かったですね。今日は寒くて路面温度も低かったから、普段に比べるとタイヤを温めるのに時間が掛かりましたが、ウォームアップは1周多いくらいでしたね。普段以上に皆がスリップストリームを使おうとしていて、アタックラップに入る前のBコーナー(ダンロップコーナー)では(ポジションや間隔を調整するために)ノロノロ運転になって、まるでF1みたいでしたよ。ポールポジションを獲ることができて良かったです。SUPER GTだと2人でコンビを組んでレースを走るので、相手を気遣うことも必要だし、メーカーの看板を背負っているプレッシャーもありますが、このインタープロトは個人レースなので、少しは気が楽ですね。でもやはり他の選手に負けたくないのは一緒です。ポールポジションにも賞金が出ているので、モチベーションも高いです。金額の問題じゃないですね。今日はポールの賞金をもらったので、晩御飯は少し豪華なものを食べようと思っています(苦笑)。
▶︎決勝
12日(日)に行われた決勝レースは期待に違わず、激しいバトルが繰り広げられ、見守る熱心な観客から喝さいを浴びることになった。
第7戦は、併催レースの影響で当初の予定より20分余り遅れてスタートした。3番手グリッドからのスタートとなった阪口が好ダッシュを見せ、1コーナー(TGRコーナー)では福住をパス。しかし福住もピッタリと阪口のテールに食らいつき、ダンロップコーナーではこれを抜き返している。
2位争いがヒートアップしているすきに、トップを逃げる山下は2位争いの2台をじわじわ引き離しにかかる。前後に少しタイム差を確保した4位となった#96 中山雄一(K-tune Racing)の後方では坪井がクインタレッリと激しく争っていた。オープニングラップは山下、福住、阪口、そして中山、坪井、クインタレッリの順にトップ6を形成していたが、その後方でも激しいバトルは継続していた。
2周目の1コーナーでは#7 野尻智紀(J-Gear KIプロモート)と関口が接触するアクシデントがあったが両者ともにレースを続ける。またエンジン交換でグリッドからのスタートに間に合わなかった佐々木もここでピットを離れて、周回遅れながら隊列のテールエンドで戦列に加わることになった。
レースも大詰めとなった6周目には、少し後続との差を開いてトップを快走していた山下に、再び福住が食らいつく。そしてその後方では阪口がトップ2台の隙を窺いながら、着かず離れずの3位を走行。4位の中山以下との差は少し拡がってしまう。その6周目のパナソニックコーナーでは福住が仕掛けて山下をパス。さらに阪口も山下を追い詰めたが、ここはオーダーが変わることなく7周目を終え、いよいよファイナルラップを迎えることになった。
ファイナルラップでも福住と山下、阪口のトップ3はコンマ4~5秒の僅差のまま周回、最後の最後までオーダーを変えることなく第7戦のチェッカーを迎えることになった。
第7戦のチェッカーを受けた各車は、クーリングラップを終えるとそのままホームストレートを進んで第8戦のスターティンググリッドに着く。タイヤ交換も、細かな調整もなく、そのままシリーズ最終戦となる第8戦のスタート進行が始まった。
ポールポジションからスタートした福住のリードで第8戦が始まった。2位の山下に3番手スタートの阪口が食らいつき、その後方ではオープニングラップに#19 藤波清斗(GARDEN CLINIC RT)をかわして5番手に進出した坪井が、4位につけた中山の隙を窺っている。
このオーダーで2位のまま、山下に先んじてチェッカーを受ければタイトルが決定する福住だが、やはり有終の美を飾るべく阪口を攻め立てる。福住の方が僅かに勢いはあったが、阪口は最後までレースをコントロール。0.2秒差で逃げ切ってシリーズ3勝目をマークした。福住は2位でチェッカーを受けてチャンピオンが確定。中山の猛追をコンマ1秒差で逃げ切った山下が3位入賞となった。
Driver’s Voice
第7戦 優勝/第8戦 2位/シリーズチャンピオン:#37 福住仁嶺
予選ではあと少しでポールを獲れたと思いますが、決勝レースでのロングランではペースが良いことは分かっていたので、無難にスタートしてチャンスを待つ作戦でした。ところがレース1ではスタートで阪口選手にパスされてしまい、慌てて抜き返すことに専念しました。レース中盤までは山下選手を追い詰めていって、最後に逆転してトップに立つという、思い描いていた通りのレースになりました。レース2では前半はバランスが良くなくてペースもなかなか上げることができませんでした。山下選手に先行されクルマも厳しかったのですが、最低でも2位で完走すれば(チャンピオンが確定する)と頑張りました。チャンピオンを獲ることができてホッとしています。このクルマは、前を走っているときはバランスもおかしくて大変なんですが、誰かの後ろから着いて行くときはとても安定して走りやすいんです。その理由を探っていくことがこれからの課題ですね。
第7戦 2位/第8戦 3位:#44 山下健太
昨日の予選でポールを獲ることができたので、第7戦ではポールから逃げようと思っていました。ただ誰かの後方につけていれば問題なく速いペースで走れるんだけれど、争うグループの先頭に立つとクルマのフィーリングが少しおかしくなるところがあって、難しかった。でも第7戦と第8戦の2レースともトップ3の争いができて良かったですね。チャンピオン争いは、前回(第4大会)にはレースを走ることができなかったので、もともと無理と思っていました。面白いレースができて、お客さんにも喜んでもらえたと思うし、楽しいシーズンを送ることができました。
第7戦3位/第8戦 優勝:#3 阪口晴南
レース2では勝つことができましたが、福住選手や山下選手の速さにはついて行けないのも分かっていました。2人が争っていたタイミングで、上手く隙をついてトップに立つことができましたが、レースがもう数周長かったら福住選手に抜かれていたと思います。本当にいいタイミングで2人を抜くことができたのが、このレースの勝因です。チーム体制も良くて、クルマも凄くよくなっています。これまで鈴鹿でしか勝ったことがなくて、富士は苦手なコースだったのですが、今のクルマは富士でも速く走れるようになりました。もしかしたら鈴鹿では遅くなっているかもしれませんが(苦笑)。それにしてもIPSは面白いレースですね。国内のトップドライバーが勢ぞろいしている感じで、クルマも接近戦のバトルができるようなキャラクターで、僕にとってはとても勉強になるレースです。来年のことはまだ決まっていませんが、できればこのチームで参戦してチャンピオンを獲りたいと思っています。