福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI
#37 K-Design
TOTAL POINTS : 82
RACE
REPORT
福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI
#37 K-Design
TOTAL POINTS : 82
山下 健太KENTA YAMASHITA
#44 NAVUL
TOTAL POINTS : 58
ロニー・クインタレッリRONNIE QUINTARELLI
#16 TOMEI SPORTS
TOTAL POINTS : 52
阪口 晴南SENA SAKAGUCHI
#96 K-tunes Racing
TOTAL POINTS : 44
福住仁嶺、ポール・トゥ・ウィンで破竹の6連勝をマーク
2024 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer 第 5・6 戦が 10 月 5 日(土)・6 日(日)に富士スピードウェイで開催され、雨の予選でポールポジションを獲得した#37 福住仁嶺(キーパー号)が2レースともトップチェッカーを受け、開幕6連勝を達成。自身3度目となるシリーズチャンピオンに王手をかけた。
今回は12台がエントリーし、#7 KIプロモートは川合孝汰が代役で参戦。ここまで2ラウンドを終えて、福住が4連勝しているということもあり、彼をどうやって止めるかというところがライバル勢のテーマとなった。
【予選】
ここ最近はドライコンディションでのレースが続いていたインタープロトだが、この週末は金曜日がから不安定な天候となり、土曜日朝の公式予選はウエットコンディションに。通常なら、セッション前半にSUPRAクラス、CCS-Rクラスの車両がタイムアタックをし、後半にかけてIP車両がコースインするという流れだが、路面状況を鑑みてセッション開始と同時にコースに出てタイム更新を試みる車両もいた。
その中で序盤から順調にタイムを縮めていったのが、前回ラウンドでポールポジションを獲得した#44 山下健太(NAVUL)。開始6分のところで1分59秒台のタイムを記録すると、翌周にはタイムをさらに更新して1分59秒480を記録。暫定トップに躍り出た。#71 国本雄資(ダイワNアキランドIPS)や#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)も2分00秒台前半を出してこれに肉薄した。
セッション中盤にタイムを上げてきたのが福住。開始10分を迎えるところで1分59秒240をマークしてIPクラス首位に躍り出た。残り時間が少なくなると他のドライバーもタイムを上げ、#27 ジュリアーノ・アレジ(表参道メディカルクリニック)が1分59秒822で3番手に食い込むと、チェッカーフラッグが振られた最終アタックで#96 阪口晴南(岡山トヨペット K-tunes)が1分59秒790でアレジを逆転し、3番手を獲得した。
結局、クラストップは変わらず福住が今シーズン初ポールポジション。2番手に山下、3番手に阪口という結果になった。
Driver’s Voice
ポールポジション:#37 福住仁嶺(キーパー号)
「本当はもう少しアタックするタイミングを遅らせる予定でしたけど、雨の状況も変わりつつあったので、タイヤが十分に温まらなくてセッションが終わってしまうリスクも考えて、タイミングを調整しました。自分のタイヤが温まったところでアタックにいってみたら、あのタイムが出ました。正直、感触はあまり良くなかったのでポールポジションを取れるとは思っていませんでした。インタープロトのウエットタイヤは非常に難しくて、雨量によってクルマのバランスやタイヤの状況がすごく変わります。うまく予選で合わせ切れたのが良かったです。昨日の練習走行の感じを見ると、ドライコンディションでの調子が今までよりは良くなさそうなので、楽な展開にはならないと思いますけど、なるべく逃げられるようにしたいです。レース1は厳しいかもしれませんが、レース2のペースはいつも良いので、そこでなるべくポイント差をつけたいです」
【第5戦決勝】
6日(日)も午前中は雨が降っていたが、午後に入ってから天候が回復し、ドライコンディションで第7戦がスタートした。ポールポジションの福住は好スタートを決めて1周目をトップで終えると、その後も背後から迫ってくる山下や阪口を振り切りながら周回を重ねていった。
序盤から白熱したのが4番手以降の争い。まずは3周目のTGRコーナーで#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)が#88 佐々木大樹(Pastel Motorsport)をオーバーテイクすると、その後方では#32 小高一斗(NETZ NOVEL MIE)が#55 牧野任祐(人馬一体ドライビングアカデミー)を抜いて8番手に浮上した。
さらに、4番手争いではアレジとクインタレッリが接近戦を展開。何度も抜きつ抜かれつのバトルを展開し、6周目の100Rで逆転に成功。クインタレッリが4番手に浮上した。それでも、アレジが再逆転を狙って差を詰めていると、佐々木と卜部も追いついて4台による4番手争いが白熱した。
トップ3は最後までこう着状態が続き、トップの福住は0.7秒のリードを守ったままファイナルラップに突入。そのままトップを譲らずチェッカーを受け、開幕5連勝を果たした。2位には山下、3位には阪口が続いた。4番手以降は接近戦のバトルが最後まで続いたが順位は変わらず、4位にクインタレッリ、5位にアレジ、6位佐々木、7位に卜部という結果になった。
【第6戦決勝】
第5戦の結果順にグリッドに再整列し、第6戦のグリッドに各車がついたが、シグナルトラブルの修復にあたるため、15分ほどのインターバルが設けられた。日も傾き始めた16時に各車が動き出して、1周のフォーメーションラップを経てスタート。ここでも福住がトップを守ってTGRコーナーを通過し、山下、阪口が続いた。
後方では、佐々木、牧野、卜部、小高が4台横並びになる勢いでTGRコーナーに進入。ここから激しいポジション争いが始まっていった。
第5戦と同様に序盤からリードを広げにかかった福住だが、山下も1周目で距離が近いタイミングを狙い、パナソニック オートモーティブコーナーからメインストレートにかけて並びかけようとする。ただTGRコーナーで横に出るまでには至らず、順位変動はなかった。
その間に、後方集団では一瞬も目が離せないバトルが披露された。まずは3周目に入ったところで5番手を走るアレジに対して、佐々木と卜部が猛チャージをかける。3周目のコカ・コーナーで佐々木が前に出るが、勢い余ってコースオフしたところにアレジが並びかけてADVANコーナーでポジションを奪い返した。2台がバトルしている隙をついた卜部が、ダンロップコーナーで一気に2台を抜いて5番手に浮上。そのまま後続を引き離して前を追いかけた。
アレジと佐々木のバトルが続いている間に、後方の牧野、小高、川合が追いつき、4周目のTGRコーナーでは佐々木、アレジ、牧野、小高が4台並んでTGRコーナーに突入。激しく順位を入れ替えた結果、アレジが6番手を死守し、小高が一気に7番手まで浮上した。その後、各所で接近戦のバトルが続き、6周目には小高はアレジも抜いて6番手を手にした。
結局、第5戦同様にスタートから一度もトップを譲らない安定した走りをみせた福住が第6戦も制し、破竹の6連勝をマーク。2位山下、3位阪口と2レース目も同じ顔ぶれでトップ3を分け合った。
福住が乗る37号車は、午前に行われたジェントルマンレースの第6戦でトラブルによりマシンのフロント部分が破損するアクシデントに見舞われたが、チームが懸命に修復。その努力を形にする完勝劇を披露した。
これで福住は125ポイントに伸ばし、2番手の山下との差を35ポイントに広げ、早ければ12月21日(土)・22日(日)の最終ラウンドの1レース目でチャンピオンを決める可能性が出てきた。
Driver’s Voice
第5・6戦優勝:#37 福住仁嶺(キーパー号)
「決勝に関しては、いつもだとスタートしてすぐは前に付いていくのがやっとという感じだったので、山下選手に抜かれるかなと思っていたのですけど、なんとかトップを守ることができました。基本的に最初から最後まで良いペースで走ることができて、2回勝てて良かったです。朝のジェントルマンレースでクルマが壊れてしまったのですけど、チームが一生懸命クルマを直してくれたので、そこには感謝したいです。今は調子が良いですけど、苦しい時もありました。その中でチームが頑張ってくれて今の結果があるので、ここまま全勝できるように頑張ります」
第5・6戦2位:#44 山下健太(NAVUL)
「福住選手が本当に速かったですが、2レース目の1周目だけチャンスがありそうだったので、最終コーナーで追い抜きに行ったのですけど、距離が足りなかったです。そこからは為す術もない展開でした。今回の福住選手はコーナーからの加速が速くて、ストレートでスリップストリームに付けないという状態でした。ということで、2レースとも何も仕掛けられないまま終わりました。次のレースでは追いついて逆転できるように頑張ります」
第5・6戦3位:#96 阪口晴南(岡山トヨペット K-tunes)
「いつもは予選で後ろの方に沈んで、前の2台を追いかける展開でしたが、今回は3番手スタートということでレースを楽しみにしていました。しかし、いざフタを開けてみたら、前2台のペースがすごく良かったです。特に福住選手が速かったですし、山下選手にも追いつけなくてというところで、トップ3は等間隔というレースになってしまって、悔しさが残る結果だったのかなと思います。僕のクルマもバランスは取れていたので、そんなに乗りづらい状態だったのに、差が離れたのが悔しいです。最終大会に向けて色々取り組んでいきたいなと思います」