IPS PRO RD3-4 RACE REPORT

FIRST

福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI

#37 K-Design

TOTAL POINTS : 82

2ND

山下 健太KENTA YAMASHITA

#44 NAVUL

TOTAL POINTS : 58

3RD

ロニー・クインタレッリRONNIE QUINTARELLI

#16 TOMEI SPORTS

TOTAL POINTS : 52

4TH

阪口 晴南SENA SAKAGUCHI

#96 K-tunes Racing

TOTAL POINTS : 44

福住仁嶺が破竹の開幕4連勝

2024 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer 第 3・4 戦が 8 月 17 日(土)・18 日(日)
に富士スピードウェイで開催され、予選2番手からスタートした#37 福住仁嶺(キーパー号)が開幕ラウンドに続いて両レースともに勝利し、開幕4連勝を果たした。

今回は11台のIP車両がエントリー。大会前日の金曜日は日本列島に接近した台風7号の影響により不安定な天候となったものの、土曜日以降は晴天となり、ドライコンディションで各セッションが進んだ。

【予選】

当初は10時20分から公式予選が行われる予定だったが、併催されていた別のレースで赤旗中断が長引き、予定より27分遅れでセッションが始まった。最初はいつも通りSUPRAクラスとCCS-Rクラスの車両がタイムアタックに向かい、IP車両のメンバーはピットで待機。開始から5分を過ぎたところで各車がピットアウトしていった。

ここ最近はスリップストリームを使ってタイムを稼ぐべく、全車が集団になってアタックするシーンが目立っていたが、今回は比較的ばらばらになってアタックに臨む。なかでも最初にタイムアタックを始めたのが#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)。今季開幕戦でポールポジションを獲得したクインタレッリが1分47秒479を記録すると、翌周には1分47秒387までタイムを伸ばした。その他の車両も1分47秒前半のタイムを刻む中でトップに立ったのが#44 山下健太(NAVUL)。1分46秒826でライバルを圧倒した。

その山下に近づくべく、各車も終盤にかけてタイム更新を目指したが、トップタイムを上回る者は現れず。それでも、福住が終盤に1分46秒980をマークして2番手を手にすると、#88 佐々木大樹(Pastel Motorsport)も1分47秒258となり、3番手につけた。

山下は翌周も1分46秒845を記録するなど、終始IP車両のライバルに差をつける走りをみせ、今季初のポールポジションを獲得した。2番手に福住、3番手に佐々木、4番手にクインタレッリ、5番手に#96 阪口晴南(岡山トヨペット K-tunes)がつけた。

Driver’s Voice

ポールポジション:#44 山下健太(NAVUL)

「思いのほか暑かったので、アタック2周目でタイムが出るかなと思ったんですけど、0.02秒くらいベストタイムに届きませんでした。前回からクルマのセットもかなり変えたのですが、水曜日から走っていたのが大きく効きましたね。良かったです。いつもと比べても、決勝でタイヤがタレると思うので、その辺のマネジメントも重要です。全体的に僕と福住選手が抜け出ているので、彼と2人の勝負になると思いますけど、頑張って負けないようにしたいです」

【第3戦決勝】

18日(日)15時25分から始まった第3戦決勝(9周)。ポールポジションの山下がトップでTGRコーナーを通過すると、福住が2番手で続く。一方、3番手争いはクインタレッリが制して佐々木は4番手に後退した。

トップ4台が等間隔でコカ・コーラコーナーを通過する後方で、阪口と牧野による5番手争いが白熱。ADVANコーナーで牧野がブレーキをロックさせながら飛び込み、5番手に浮上した。続くダンロップコーナーでは#27 ジュリアーノ・アレジ(表参道メディカルクリニック)と#7 藤波清斗(KIプロモート)による7番手争いが激化するなど、スタートから各所で激しいポジションの奪い合いが展開された。

アレジと藤波の7番手争いは2周目に入ってもバトルが続く。藤波が何度かオーバーテイクを試みるが、アレジも必死にポジションを守るなど、一進一退の展開が続いた。

その前方では5番手争いも白熱。阪口が3周目のダンロップコーナーで牧野に仕掛けると、1周目のブレーキロックの影響もあり、ここでも左側のタイヤをロックさせてしまった牧野。必死に応戦するも先行を許す形となり、6番手に下がった。その後もタイヤにフラットスポットができてしまい、それをかばいながらの走行となった。

スタートから順調にトップを快走していた山下だが、5周目に入って徐々に苦しくなり始め、福住が背後から接近。6周目のTGRコーナーでアウト側から仕掛けるが、ここは山下がブロック。何とかポジションを守った。

しかし、福住の勢いは止まらず、7周目のTGRコーナーやダンロップコーナーでも横に並びかけてトップをうかがう。ここもギリギリのところで凌いだ山下だったが、8周目のコカ・コーラコーナーで先行を許して2番手に後退。さらに、それまでのバトルで後方に詰めてきていたクインタレッリの先行も許すと、パナソニック オートモーティブコーナーでは佐々木にインを突かれる。

何とか踏ん張ってメインストレートに立ち上がるが、山下、佐々木、阪口の3台横並び状態となってファイナルラップに突入した。ポールポジションスタートから一気にポジションを下げる形となった山下は、何とか表彰台圏内には踏みとどまるべくバトルを制し、3番手を死守。4番手に阪口が上がった。

トップに立って以降は一気に後続を引き離した福住。スパートをかけて2番手に1.5秒の差をつけ、第3戦を制した。2位はクインタレッリ。山下は3位でチェッカーフラッグを受けた。

【第4戦決勝】

第3戦の結果順に、各車がグリッドに再生列して第4戦(9周)がスタート。ここでは福住が好ダッシュをみせてトップでTGRコーナーを通過するが、2番手のクインタレッリがわずかに出遅れ、山下と阪口が2番手を狙って飛び込んで行った。ここでアウト側のラインを通って2番手に浮上したのは阪口。コカ・コーラコーナーではクインタレッリと山下がバトルを繰り広げたが、ここは山下が制して3番手となった。

2周目に入るとスタート直後のバトルで6番手に浮上したアレジと、タイヤのフラットスポットが気になる牧野とのバトルが白熱。TGRコーナーではタイヤをロックさせながらも抜きにいく牧野に対してアレジも応戦。その間に#32 小高一斗(NETZ NOVEL MIE)と藤波も追いついて、激しいバトルが勃発。この間に牧野が6番手を取り戻し、アレジ、小高、藤波と続いた。

後方でバトルが展開されている間に、トップの福住は順調にリードを広げ、3周目には1分47秒168のファステストラップを記録。2番手との差を1.9秒に広げた。それを追いかけたい阪口だったが、4周目に入るあたりから山下が背後に近づき、2番手争いが白熱することとなった。

山下は4周目のパナソニック オートモーティブコーナーで阪口の背後につけると、5周目のTGRコーナーでアウト側から抜きにかかった。ここで前に出ることはできなかったが、直後のコカ・コーラコーナーでオーバーテイクを決めて2番手に浮上。また、6周目には同じような形で佐々木がクインタレッリを抜いて4番手となった。

レース終盤にはアレジ、藤波、国本の8番手争いが注目を集める。藤波が何とか集団の前に出るべく仕掛けていくが、アレジも必死に応戦。そこで隙ができた藤波に国本が仕掛けにかかった。お互いに緊迫した接近戦を展開したが、結局順位が入れ替わることなく最終ラップを迎えた。

結局、この第4戦ではスタートから後方との差を広げ続けた福住が終始レースをリードした。燃料が軽くなった終盤には1分46秒台を記録する速さをみせ、最終ラップに1分46秒975でファステストラップを更新。最後まで接近戦が続くことの多いインタープロトシリーズでは珍しく、5.4秒もの大量リードを築いて開幕4連勝を飾った。2位には山下、3位には阪口が入った。

Driver’s Voice

第3・4戦優勝:#37 福住仁嶺(キーパー号)

「1レース目は山下選手についていきましたが、最初の5周は抜けるような感じではなかったです。ただ、後半はこちらに分がありそうな感じだったので、様子を見ながらいきました。ブレーキ勝負に持ち込んだ時は山下選手のブロックが上手くて簡単には抜けませんでしたけど、トップに立ってから後ろが混戦になった隙に逃げることができました。2レース目は序盤に阪口選手に追いつかれるかと思いましたが、途中から引き離すことができました。今年に入ってから僕たちのクルマは直線スピードの調子が良くて、そのメリットを活かしてレースができているのかなと思います」

第3戦 2位:#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)

「1レース目は7周目くらいまで良かったのですけど、そこからタイヤがタレはじめて怪しい雰囲気になりました。山下選手のバトルでは展開が良くて抜くことができましたが、2レース目には最初からキツい感じでした。5位という結果はいっぱいっぱいかなと思います。5月のレースでもそうでしたけど、後半で苦しくなる傾向で、今大会に向けて修正したのですけど、まだまだなのかと思います。すごくバトルもできたので、それはすごく嬉しかったです」

第3戦 3位・第4戦 2位:#44 山下健太(NAVUL)

「最初の数周は良かったのですけど、途中からグリップが落ちてだんだんオーバーステアになってきてしまいました。福住選手が速かったので『抜かれるのは時間の問題だな』と思いました。2周くらいおさえましたけど、すぐに抜かれてしまって、そこで通ったラインが良くなくてタイヤが汚れてグリップがさらになくなったところで(後方集団に)飲み込まれてしまいました。2レース目はスタートで少し失敗した感じでしたけど、3番手で1周目を終えて、その後は阪口選手に追いついて一発で抜けたのは良かったです。でも、優勝には全然足りないなという感じでした」

第4戦 3位:#96 阪口晴南(岡山トヨペット K-tunes)

「予選の5番手は、決して良い位置ではないですけど、表彰台は狙えるなと思ってスタートしました。レース1はスタート直後の位置取りの関係で順位は落としましたが、ペースは良かったです。中盤は抜きつ抜かれつのバトルで、終盤の混雑であわよくばもう1台抜きたかったですけど、4番手で終わりました。レース2のスタートでは、前が失敗してくれた感じで2番手に上がることができました。ただ、福住選手が速く差がついてしまって単独走行のような状態になると、クルマのバランスがあまり良くなかったです。そこに山下選手が来ましたが、その後ろが離れていたので『今日は3位だな』と思って、(バトルでは)あまり抵抗はしなかったです。最善の結果だったかなと思います」