IPS GEN RD7-8 RACE REPORT

FIRST

八木 淳ATSUSHI YAGI

#55 人馬一体 ドライビングアカデミー

TOTAL POINTS : 169

2ND

大山 正芳MASAYOSHI OYAMA

#71 アキランド レーシング

TOTAL POINTS : 122.5

3RD

渡邊 久和HISAKAZU WATANABE

#16 TOMEI SPORTS

TOTAL POINTS : 75

4TH

八木 常治TSUNEHARU YAGI

#88 TOMEI SPORTS

TOTAL POINTS : 62

八木淳が最終ラウンドで2連勝。最終戦ではエキスパートクラスとバトルを展開

2024 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer 第 7・8 戦が 12月 21 日(土)・22 日(日)に富士スピードウェイで開催。#55 八木淳(人馬一体ドライビングアカデミー)が連勝し、2024年のジェントルマンクラスチャンピオンに輝いた。

【公式予選】

午前9時00分から行われた公式予選は、青空が広がりドライコンディションのなかで行われた。今回は12月下旬の開催ということで、気温と路面温度が通常よりは低く、セッション開始直後から各車が入念にタイヤを温めてタイムアタックに臨んでいった。

いち早く好タイムを記録したのが#55 八木淳(人馬一体ドライビングアカデミー)。開始8分のところで1分49秒474を記録してライバルをリードしたが、#96 末長一範(岡山トヨペット K-tunes)が1分48秒777でクラストップに躍り出た。一方、ジェントルマンクラスのランキング2番手につける#71 大山正芳(ダイワNアキランドIPS)は、コカ・コーラコーナーでスピンを喫する場面があったが、しっかりと立て直してタイム更新を狙っていった。

クラストップの末長は、後半に入って1分48秒722を記録してベストタイムを更新。このままクラスポールポジションかと思われたが、残り5分で八木(淳)が一気にペースを上げて1分47秒913をマークし、逆転でトップに立つと、次の周には1分47秒446とタイムを上げていった。これに対して末長も自己ベストタイムを更新していき、最後は1分47秒640をマークするがトップには届かず、最後のアタックで八木(淳)が1分47秒307を叩き出し、第7戦のポールポジションを獲得した。

2番手にはジェントルマンクラスで今季ベストの予選結果となった末長。3番手には大山が1分48秒515で続いた。後半戦に向けて調子を上げつつある#16 渡邊久和(ララパルーザ)も今回はクラストップ集団に食らいつくタイムを記録し、大山から0.356秒差の1分48秒609で4番手につけた。5番手には#88 八木常治(Pastel Motorsport)、6番手に#27 山﨑哲之(表参道メディカルクリニック)という結果になった。

【第7戦 決勝】

14時20分から始まった第7戦決勝。今回は12月下旬の開催で気温が低いため、フォーメーションラップが2周設けられた。各車ともグリッドを後にしたが、その直後に雨が降り始め、エキスパートクラスでポールポジションを獲得した#37 大蔵峰樹(キーパー号)が13コーナーでスピンを喫した。幸いクラッシュ等はなく隊列に戻ったが、フォーメーションラップ2周目に入ったところで雨脚が一気に強くなった。

全車ともにスリックタイヤを装着していたことを考慮してレース開始直前に赤旗が出された。約8分ほどの中断を経てセーフティカー先導でレーススタートとなった。この時点で雨は収まりつつあったが、路面が滑りやすい状況になっており、1周目の13コーナーでジェントルマンクラス2番手スタートの末長がスピン。クラス最後尾に後退した。

この状況をみて、1周目を終えるところで八木(常)、山崎がピットインしてウエットタイヤに交換。その翌周には渡邊もウエットタイヤに履き替えるためピットインした。この辺りから雨が止み、4周目にグリーンフラッグが振られた。

総合3番グリッドからスタートした八木(淳)は初体験のコンディションに加え、チャンピオンがかかっている2連戦ということもあり、慎重なドライビングに。TGRコーナーで#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)にオーバーテイクされて総合4番手に下がるが、同じエキスパートクラスの#8 植田正幸(ルーニーダイワNアキランドIPS)を抑えながら周回を重ねていった。

その後方では大山がクラス2番手を守っていたが、セーフティカー中のスピンから追い上げてきた末長が8周目に逆転し2番手に浮上した。

クラストップの八木(淳)は、前半は守りに徹する場面が多かったが、コンディションが安定した後半は徐々にペースを上げて植田を引き離していき、総合4番手でゴール。今季5勝目をマークした。これにより、翌日の第8戦を待たずに八木(淳)の2024年ジェントルマンクラスのシリーズチャンピオンが決定した。

2位は怒涛の追い上げをみせた末長が入り、今季第2戦に続いて最上位を獲得。3位には大山が入った。以降はウエットタイヤに交換した八木(常)、山崎、渡邊の順となった。

Driver’sVoice

第7戦優勝:#55 八木淳(人馬一体ドライビングアカデミー)

「初めてのシリーズチャンピオンなので、やっぱり嬉しいですね。今日のコンディションは僕も初めての経験で、レースは非常に難しかったです。練習走行でウエットコンディションの際にドライ用のタイヤで走ったことも、スピンも経験していましたが、全くグリップせず、セーフティカー中もかなり滑ってしまいました。タイヤが温まってからは攻められると思っていたなかで、植田選手からポジションを守ることだけを意識しました。本当は前を走るエキスパートクラスの3人について行きたかったのですが、かなり離れてしまったので……。とにかく最後までスピンをしないように心がけました。今日でチャンピオンを決めておきたかったので、守りの体制になってしまいましたが、日曜日のレースは目標であるエキスパートクラスのトップ集団についていくことに集中して頑張りたいと思います」

【第8戦 決勝】

最終戦も朝から青空が広がった富士スピードウェイ。午前9時35分から第8戦の決勝レースが12周で行われた。グリッドは前日の公式予選でのセカンドベストタイムとなり、八木(淳)が総合3番手でクラスポールポジションからスタート。続いて、渡邊、大山というジェントルマンクラス上位の顔ぶれとなった。なお、第7戦で2位に入った末長は都合により第8戦は欠場した。

第7戦でチャンピオンを決めた八木(淳)は「エキスパートクラスのトップ争いに追いつきたい!」と語っていたが、その言葉通り、スタート直後のTGRコーナーで#44 山口達雄(NAVUL)を抜いて2番手に上がった。後方では渡邊がコーナー進入時にバランスを崩してコースオフしたが、上手く立て直して戦列復帰を果たした。

八木(淳)は総合トップを目指して前を追いかけるも、後方からエキスパートクラスの山口と#32 永井秀貴(NETZ NOVEL MIE)が迫り、三つ巴のバトルに発展。その後ろでは大山が#8 植田正幸(ルーニーダイワNアキランドIPS)を攻略して、トップ集団を追いかけた。

3周目に入ると総合2番手争いが激化。パナソニック オートモーティブコーナーで山口が八木(淳)を抜いてポジションを上げると、その隙をついて永井もバトルに加わった。4周目のTGRコーナーでは3台横並びで飛び込んで行き、永井、山口が先行し、八木(淳)が後退。その間にギャップを詰めていた大山もバトルに加わり、大混戦の展開となった。

中盤に入って勢いをつけたのが大山。5周目のダンロップコーナーで八木(淳)をオーバーテイクしてクラストップに立つが、八木(淳)も最終セクターで逆転。そのまま2人のバトルは翌周にもつれ込み、サイドバイサイドのバトルを展開した。結果、八木(淳)がクラストップの座を死守し、後半戦に入っていく。

エキスパートクラスの車両との混戦状態のなかで激しいトップ争いが繰り広げられたジェントルマンクラス。八木(淳)と大山のバトルにエキスパートクラスでチャンピオン獲得がかかる山口も加わって3台が入り乱れる展開となった。その中で八木(淳)が積極的に仕掛けていき、集団のなかで先頭をキープ。一方の大山は10周目の13コーナーでミスを喫し、植田の先行を許した。

八木(淳)と山口のバトルは最終ラップまで続く白熱したものとなったが、八木(淳)がポジションを守り切って総合3位でチェッカーフラッグ。最終ラウンド2連勝を飾った。2位の大山はあと一歩のところでクラス優勝を逃したが、抜きつ抜かれつのバトルを堪能したようで「面白いレースができた!」と満面の笑みをみせていた。クラス3位には1周目のコースオフから挽回した渡邊が入り、八木(常)が4位、山崎も5位で完走を果たした。

Driver’sVoice

第8戦優勝/シリーズチャンピオン:#55 八木淳(人馬一体ドライビングアカデミー)

「日曜日のレースでは最初からプッシュして、エキスパートクラスの方々に食らいついてバトルができました。第1戦目以外はバトルに発展せず単独走行が多かったこともあり、やっとバトルができたので良いレースでした。でも、あともう少しペースが上げられるように努力して来年に向けて頑張りたいです。今シーズンを振り替えると怒涛の1年であっという間でしたが、得るものがかなり多く、自分の技量やクルマを感じ取る力は上がっているなと感じました。来年に向けてしっかりできることに取り組んで、自分の技量やメンタルも鍛えてシリーズチャンピオンを競えるように、少しでも近づけるように頑張りたいです」