CCS-R RD3-4 RACE REPORT

2020 CCS-R 第2大会レポート

スポット参戦の山内英輝が2連勝、ジェントルマンレースは橋本達弘が制する

2020年のインタープロトシリーズ POWERED BY KeePerの第2大会が7月25日~26日に鈴鹿サーキットで行なわれた。CCS-Rクラスのプロフェッショナルレースは#5 山内英輝(NTP RACING NN CCS-R)が、ジェントルマンレースでは#87 橋本達弘(NTP RACING NC CCS-R)がそれぞれ2連勝を飾った。

▷プロレース
CCS-Rクラスは今回も4台がエントリー。このうち5号車は阪口良平に代わって山内英輝がドライブしたが、その山内が予選で速さをみせた。コースの一部が濡れているという路面コンディションの中でライバルと0.1秒争う僅差の戦いとなったが、最終的に2分19秒128を記録し0.081秒差でポールポジションを獲得した。2番手には#10 片岡龍也(NTP RACING PN CCS-R)、3番手に#51 石浦宏明(P.MU RACING CCS-R)が続き、開幕戦ウィナーの#87 松井孝允(NTP RACING NC CCS-R)は4番手にとどまった。

26日(日)の決勝レースは雨が強くセーフティカー先導でレースが始まり、3周目にグリーンフラッグが振られてレーススタートとなった。山内は第4戦のことも考えて第3戦ではタイヤを労わりながら走行。2番手以下に対して2秒前後のリードをキープしながら周回を重ねていった。本来なら7周で争われる第3戦決勝だが、先に上限時間の17分が経過したため6周でレース終了。山内がポール・トゥ・ウィンで第3戦を制した。2位には片岡、3位には石浦が入った。

続く第4戦もセーフティカースタートとなったが、雨脚が落ち着いたこともあり1周目で解除されることとなった。グリーンフラッグが振られると、第3戦とは打って変わり山内は序盤からペースを上げていき、4周終了時点で2番手の片岡に対して3秒以上のリードを築いた。一方、片岡の背後に石浦が接近。6周目には0.6秒後方まで近づき、チャンスを伺っていた。

トップの山内はレース後半も後続との差をどんどん広げていき、最終的に4.8秒差をつけて2連勝を飾った。2位には片岡が入り鈴鹿ラウンドで2戦連続2位を獲得。3位に入った石浦は最終ラップまで攻め続けるも0.5秒差で逆転はならなかった。

Driver’s Voice

優勝:山内英輝
「今回はスポット参戦という形でしたが、最初から良いクルマで週末を通してメカさんともうまくコミュニケーションを取れていました。練習走行の初日から調子が良かったので、流れがすごく良かったのかなと思います。1レース目は序盤だけ飛ばして、あとは後ろとの間隔をみながらタイヤマネージメントを考えながらの走行でした。2レース目は賞金もかかっていますし、うまく帳尻を合わせられるようにレースを進めていきました。富士でレースをしていても毎回面白いですが、鈴鹿は特にテクニカルな部分があるので、これだけ重量のあるクルマでハイスピードな状態で走るというのは面白みもありましたし、週末を通して楽しかったです。メンバーもすごく良くて、みんなのデータロガーも比べることができます。この環境で走れたことは自分にとってもプラスになる部分があって、非常に良い週末だったかなと思います」

▷ジェントルマンレース
ジェントルマンレースの公式予選は、朝からの雨の影響でWET宣言が出されたなかでの走行となった。CCS-R車両は電子制御システムが装着されていることもあり、こういったウェットコンディションではIP車両をしのぐタイムを記録することがあるが、今回もセッション序盤から#87 橋本達弘(NTP RACING NC CCS-R)が2分21秒332を記録しトップに浮上すると、#5 今井孝(NTP RACING NN CCS-R)も2番手につけ総合上位を独占した。レギュレーションによりグリッド位置はIP車両の後方となり、橋本と今井がクラス1列目に並んだ。

約3時間のインターバルを経て行なわれた第3戦の決勝レースは、決勝スタート前になって雨が強くなり始めたため、セーフティカー先導でスタート。3周目から全周追い越し禁止状態が解除されレースが本格的に始まった。

CCS-Rクラスはスタート直後から接近戦のバトルが展開された。橋本はスタート直後からIPジェントルマンクラスの#88 八木常治(Pastel Motorsport)とポジション争いをしている間にいったんは今井の接近を許したが、隙を見せないドライビングでポジションをキープすると、その後も1秒以上のギャップを保ち周回を重ねた。

レース後半に入るとCCS-Rクラスの2番手争いが接近。今井の背後に昨年の同クラスチャンピオンでる#51 卜部治久(P.MU RACING CCS-R)が少しずつ接近し、チャンスを伺った。さらに距離を縮めにかかった卜部だが、7周目の日立オートモティブシステムズシケインでスピンを喫してしまった。幸いポジションを落とすことはなかったが今井との差は5秒以上に離れてしまい逆転が難しい状況となった。

橋本は最後まで隙を見せない走りをみせ、そのままCCS-Rクラストップでフィニッシュ。2位に今井、3位に卜部が入った。

第4戦決勝レースは、公式予選でのセカンドベストタイム順でグリッドに整列し、CCS-Rクラスは今井がポールポジションからスタートを切ったが、2番手スタートの橋本が接近し1周目から激しいトップ争いが展開された。

前日の第3戦では惜しくも一歩及ばなかった今井だが、橋本の猛追をしっかりブロックしトップを死守。2周目の後半から雨が降り始めたが、2台はコンディションが変わっていくのを感じさせないようなアグレッシブな走りを見せた。

1秒を切る接近戦が続いたなか、4周目についに展開が動いた。橋本がわずかな隙を見逃さずスプーンコーナー入り口でアウト側から横に並ぶと、最終的にアウトから豪快なオーバーテイクを決めトップに浮上しのだ。一方、2番手に後退した今井も引き離されることなく橋本の背後につけ逆転のチャンスをうかがった。さらに雨脚が強くなった7周目の日立オートモティブシステムズシケインで橋本がわずかにミス。その隙に今井が0.1秒差まで迫ったが追い抜くことはできず。その直後、悪天候のためセーフティカー導入が宣言されバトルは一時中断となった。

しかし、雨脚が強くなる一方でセーフティカー先導状態が解除されることなく、そのままチェッカーフラッグを迎えた。これにより橋本が鈴鹿大会2連勝をマーク。2位に今井、3位に卜部が続いた。

Driver’s Voice

第3戦:橋本達弘
「(予選総合トップについては)セッション開始直後からポツポツと雨が降ってきていたので早めにタイムを出そうと心がけて走っていたので、それがうまくいったのかなと思います。決勝は(今井選手と)タイム的にはそんなに変わらなかったと思います。とにかく自分がミスをしないように走れば大丈夫かなと思っていました。最初にIP車両が絡んでのバトルがあって、その時は後ろも警戒しながら走りましたが、その後は後ろをあまり気にしすぎないように心がけながら走りました。(第4戦については)2番手からのスタートは正直予想外な部分もありましたが、決勝でうまく抜くことができて、また優勝できてよかったです。(スプーンでのバトルは)今井選手がすごくフェアに戦ってくれて、1台分のスペースを残して走ってくれました。そこでうまく抜けてよかったです。その後は予想以上に雨が降ってきてしまったので、タイヤがロックしてしまうシーンもあって今井選手に追いつかれてしまいました。そこはちょっと厳しかったですが、(トップを守れて)良かったです。今回は鈴鹿でのレースでしたが富士スピードウェイとは違って様々なタイプのコーナーがあるので、富士とは違った楽しさがあって、良かったかなと思います」

インタープロトシリーズ第2大会 副賞の贈呈

2020年のインタープロトシリーズは、新型コロナウイルス感染対策により通常とは異なるタイムスケジュールで開催されます。
表彰式も時間短縮のためにトロフィーの授与のみが行われたため、表彰式終了後に別室で副賞の贈呈を行いました。