坪井 翔SHO TSUBOI
#32 GR GARAGE YOKKAICHI
TOTAL POINTS : 40
RACE
REPORT
坪井 翔SHO TSUBOI
#32 GR GARAGE YOKKAICHI
TOTAL POINTS : 40
ロニー・クインタレッリRONNIE QUINTARELLI
#16 TOMEI SPORTS
TOTAL POINTS : 28
福住 仁嶺NIREI FUKUZUMI
#37 K-Design
TOTAL POINTS : 26
平川 亮RYO HIRAKAWA
#44 NAVUL
TOTAL POINTS : 20
ディフェンディングチャンピオンがスタートダッシュを飾る2連勝
2020インタープロトシリーズpowered by KeePerプロフェッショナルの第1大会が7月4日(土)に富士スピードウェイで開催され、第1戦・第2戦ともに#32 坪井翔(NETZ NOVEL MIE)が優勝を飾った。
▷予選
開幕ラウンドにはIP車両10台、CCS-R車両4台がエントリー。プロフェッショナルレースは参戦する全員が現役のSUPER GTドライバーということもあり、予選からハイレベルな争いが繰り広げられた。
この日は朝から、ときおり横殴りの強い雨が降る悪天候に見舞われた。午前9時55分から行われたプロフェッショナルの公式予選では、雨は収まっていたもののウエット路面でセッションがスタートした。各車とも一斉にコースインしタイム計測を開始。まずは#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)が1分59秒876を記録しライバルをリードしたが、今季からIP車両に復帰した#44 平川亮(NTP RACING IPS)が1分58秒956をマークし、阪口からトップを奪取。さらに昨年チャンピオンの坪井も3番手につけた。
開始して10分ほど経過したところで大粒の雨が降り出し、セッションは一時赤旗中断となった。残り5分で再開されるも、平川のトップタイムを上回るものはおらず、第1戦のポールポジションを獲得した。2番手には阪口、3番手には坪井がつけた。
Driver’s Voice
ポールポジション:平川亮コメント 「最初は雨が止んでいたのですが、セッション後半に降ってくるという予報だったので、前半の10分以内にタイムを出そうと決めていました。タイヤも1周でピークのグリップが少し減る感じだったので、最初のタイミングしか(チャンスが)ないと思っていきました。前日、前々日の練習走行ではトラブルで走れないことが多くドタバタした中での予選でしたが、良い結果が出ました」
▷決勝
午後2時時45分から開催された決勝レースはドライコンディションでスタートが切られた。ポールポジションからスタートした平川はトップでTGRコーナーを通過したが、2番手スタートの阪口が少しずつ背後に接近し、ダンロップコーナーでインを突きトップに浮上した。しかし、ところどころで雨が降り始めており、コーナーによって路面コンディションが異なる状況。阪口は2周目のTGRコーナーで滑りやすい路面に足元をすくわれてしまいコースオフしてしまった。これで平川が再びトップに立ち、2番手に坪井、3番手に#55 関口雄飛(人馬一体ドライビングアカデミー)がつけた。
後続との差をしっかり保ってレース中盤に突入した平川だったが、雨足が一瞬強まった5周目のTGRコーナーで止まりきれずにコースオフし大きく後退。さらに後方でもコースオフ車両が続出し、その際に#7 野尻智紀(J-Gear 7 とおる君)、#96 中山雄一(岡山トヨペット K-tunes)が接触。2台はリタイヤとなった。
目まぐるしく変わる天候の中でトップに立ったのが坪井。2番手以下に対して1秒以上のリードを築き周回を重ねていった。その後方では接近戦のバトルが白熱し、6周目のトヨペット100Rで#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が関口を抜いて2番手に浮上すると、コース後半のセクター3で4番手の阪口も関口に襲い掛かり、激しいサイドバイサイドのバトルを展開。パナソニックコーナーで順位を入れ替えた。
後続がバトルをしている間に坪井は逃げ切り成功。第1戦のトップチェッカーを受けた。2位にはクインタレッリ、3位には阪口が入った。
第1戦到着順がそのままグリッド順となる第2戦。第1戦で接触リタイヤとなった野尻と中山は出走が叶わず、さらに関口も第1戦のレース中に接触があった影響でマシンにダメージを負い、そのままピットイン。第2戦はIP車両7台での戦いとなった。スタートを迎える頃には曇り空となりドライコンディションでのレースがスタートした。
ポールポジションの坪井はトップでTGRコーナーを通過。2番手にクインタレッリが続き、阪口とのサイドバイサイドのバトルを制した#37 福住仁嶺(キーパー号)が3番手に浮上した。
勢いに乗る福住は2周目のTGRコーナーでクインタレッリもパスし2番手に浮上。そのままトップの坪井を猛追した。それに気づいた坪井もペースを上げ、福住に隙を与えない走りを披露。接近戦のバトルとはならなかったが、毎周のようにファステストラップが塗り替えられるハイレベルな戦いが繰り広げられた。
レース終盤になると3番手のクインタレッリが福住に追いつき2番手争いを展開。その間に坪井が逃げ、そのまま開幕2連勝を飾った。2位に福住が続き、3位にクインタレッリが入った。
Driver’s Voice
第1戦/第2戦 優勝:坪井翔 「今回は相当難しいコンディションでしたね。正直今週はウエットであまり調子が良くなくて『ドライでレースができたらいいな』と思っていました。実際にスリックタイヤでレースができそうだったので『チャンスがあるぞ!』と思っていましたが、雨がパラパラ降って、各コーナーも走るたびコンディションが変わっていました。1レース目は自分も危ういシーンがありましたが、なんとか生き残ることができて最終的に優勝できました。2レース目はコンディションが安定していたので、ドライでの速さを生かすことができました。でも福住選手が追いついてきていたので、スリップストリームが効く範囲内に入られないように、なんとか間隔を保ちながら走っていました。予選から考えるとこんなにうまくいくとは思いませんでしたが、ドライコンディションでは結構調子が良いことが改めて分かりましたし、逆にウエットは改善しなければいけないなと感じました。次は鈴鹿サーキットでの開催ということで、チームとしても地元ですし今は勢いもあります。地元で良いレースをして勝てたらいいなと思っています」
第1戦 2位/第2戦 3位:ロニー・クインタレッリ 「久しぶりにレースができて『やっとだな!』という感じでした。第1レースは10番手スタートでしたが、雨が降ったり難しい状況の中で2位まで上がることができて、内容としてはすごく良かったですし、いい展開に持っていくことができました。第2レースは坪井選手と優勝争いができるかと思ったんですが、彼は単独で走っていてもペースが速くて、ついていくだけで精一杯でした。そのあとは福住選手とのバトルとなって最終的に3位となりましたが、2レースとも表彰台に乗れて良かったですし、チームのみんなに感謝しています。『インタープロト=富士スピードウェイ』という印象だったので、鈴鹿でインタープロトを走れることになるとは思わなかったです。鈴鹿も素晴らしいサーキットなので、また精一杯頑張りたいと思います」
第1戦 3位:阪口晴南 「第1レースでトップに立ちましたけど、行ってみないと分からないコンディションの中でのブレーキングだったのでかなり難しかったです。ただ雨のなかでスリック(タイヤ)で走るとパフォーマンスが高くて、けっこう前のクルマよりもグリップしている感覚はあったので、順位を上げていきました。ただ1レース目の後半から路面が乾き始めてからは明らかに遅くなってしまって苦しかったです。多分何か原因があったと思いますが、それが解消されれば問題ないと思います。インタープロトの鈴鹿は経験していない人が多いので、どうなるか分からないと思います。限られた走行機会のなかでしっかりアジャストして鈴鹿ラウンドをいい状態で締めくくりたいです」
第2戦 2位:福住仁嶺 「今回は予選が雨になってしまって、クルマの仕上がりも自分の走りも全然うまくいかず8番手スタートになってしまいました。今回はクルマのセッティングも違う方向性を試していたので不安もありましたが、1レース目でスタートしてからタイヤの温まりが以前と比べて良くて、うまく順位を上げられました。タイヤの温まりの良さを利用して2レース目も最初から仕掛けて行きました。2周目で2番手まで上がることができて、そこからプッシュして坪井選手を追いかけましたが、なかなか追いつきませんでした。今回のレースでクルマの方向性とかも分かりましたし、これをきっかけに次こそは優勝できるようにチームとともに頑張っていきたいと思います」
インタープロトシリーズ第1大会 副賞の贈呈
2020年のインタープロトシリーズ第1大会は、新型コロナウイルス感染対策により通常とは異なるスケジュールで開催され、表彰式もトロフィーの授与のみが行われました。
そこで表彰式終了後、別室にて副賞の贈呈を行いました。
※ポールポジション…公式予選でトップタイムを記録したドライバー
※ファステストラップ…第1・第2レースを合わせて最も速いラップタイムを記録したドライバー
※ベストガレージ賞…プロ/ジェントルマンレースの総合結果が最もよいチーム
※参加賞でエアージェイ ハードポーチをお渡ししています。