第2回のテストは初のウェットコンディション、下野璃央が総合トップタイムを記録
2025年のKYOJO CUP第2回合同テストが3月11日(火)、12日(水)の2日間にわたり富士スピードウェイで開催された。あいにくの雨模様となったが、今シーズンのKYOJO CUPに参戦するドライバーたちは初のウェットコンディションで走行を重ね、#86 下野璃央(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL with Dr.DRY)が総合トップタイムを記録した。
【Session 1】
前回のテストから約3週間のインターバルをはさみ、気温10度、曇り空のもと10時10分から行われたセッション1は、直前までの降雨によってドライとウェットが混在するなかで走行が開始。フォーミュラカー導入後初となるセミウェットでの走行となったため、スピンやコースアウトが危惧されていたもののテストは順調に進行。第1回合同テストで総合トップを獲得した下野が序盤からトップタイムをマークし、最終的には1分44秒847までタイムを縮めて第2回合同テストの初回セッションを制した。
2番手にはラストアタックで1分45秒353を記録した#7 翁長実希(Kids com Team KCMG)、3番手には1分45秒853を記録した#1 斎藤愛未(TOM’S)が続くトップ3となった。
【Session 2】
11時30分から行われたセッション2は、開始直前に雨が降り出し、気温11度、引き続きウェットコンディションのなかで走行が開始。雨の影響もあり、多くのドライバーがアウトラップを終えて再びピットに戻るなか、コース上にとどまった斎藤が2分12秒937を記録してトップに浮上。雨のなかで着実に周回を重ねていった。
雨の弱まりとともに徐々にコースに復帰するドライバーが増えるなか、下野、#53 池島実紅(TGM Grand Prix)、#55 織戸茉彩(TGM Grand Prix)の3名はピットでの待機を選択。このセッションではコースに戻ることはなく、天候がさらに崩れる予報の明日に備え、レインタイヤ温存するかたちとなった。
一方で走行を再開したドライバーたちは次々に自己ベストタイムを更新。#32 金本きれい(ミハラレーシング)、翁長、#8 佐々木藍咲(Kids com Team KCMG)、#37 ハナ・バートン(TOM’S)が好走を見せるなか、残り1分に#46 永井歩夢(DOJO racing)が1分49秒752のトップタイムを記録。
翁長がラストアタックで自己ベストタイムを更新して2番手、前回のテストから好調な佐々木が3番手につづき、Kids com Team KCMGの2台がトップ3に入る結果となった。
【Session 3】
雨が降り続き、午前よりも気温が下がるなか14時10分から開始されたセッション3は、序盤から完全なウェットコンディションとなり、各車ウェットタイヤを装着してコースに入っていく。まずは下野がトップタイムをマークし、翁長、#33 岩岡万梨恵(FUKUDA racing)がそれぞれ1分56秒499、1分57秒917を記録して2番手タイムを更新しあう展開に。セッションが中盤に突入すると、永井が1分55秒523で2番手タイムを更新。終盤にはCERUMO・INGINGの#38 佐藤こころと#39 富下李央菜の2人が好走を見せるもラストアタックで永井が1分53秒966で2番手、翁長が1分53秒990で3番手につづいた。下野のタイムは最後まで塗り替えられることはなく、通算9回目のトップタイムを獲得して初日3本目のセッションが終了した。
【Session 4】
気温10度、引き続き雨が降るウェットコンディションのなか15時40分から行われたセッション4は、計測1周目を終えた下野が1分54秒726でトップタイムをマーク。中盤にはセッション3の自己ベストを上回るタイムを記録し、最終的には1分52秒963までタイムを縮めた。
一方2番手には、序盤から自己ベストを更新する翁長がつづくが、残り時間10分を切ると佐藤が1分53秒840をマークして2番手に浮上する。残り3分、翁長がセッション3の自己ベストを上回る1分53秒320を記録して再び2番手に。テスト初日最後の走行は下野、翁長、佐藤が続く結果となった。
【Session 5】
2日目の初回走行となるセッション5は気温12度、霧雨が降るウェットコンディションのなか、10時10分から走行が開始。まずは下野が1分54秒212を記録してトップに立つと、そのままセッションをリード。1分52秒963までタイムを縮め、このセッションでもトップとなった。
各車ウェットタイヤを装着しての走行ではあったものの、コース上の雨量は昨日よりも減少。
昨日の全セッションで常にトップ3以内のタイムを更新していた翁長は、計測1周目を終えた時点で3番手タイムを記録。ラストアタックで1分53秒239までタイムを縮めて2番手となった。3番手には中盤に好走を見せた佐藤がつづき、ラストアタックで1分53秒370を記録した。
【Session 6】
雨はほぼ止み、気温13度というコンディションのなか行われた11時30分からのセッション6は、計測1周目に下野が1分53秒870でトップタイムを記録。今回のテストで好調な翁長も3番手タイムを記録し、このセッションでも下野と翁長が上位につける構図となる。残り3分を切ると再び雨が降りはじめ、コース上の雨量が徐々に増えるなか、下野が1分52秒187までタイムを削ってセッショントップ、翁長も最終アタックで1分52秒881を記録して2番手となった。
3番手には終盤に1分53秒007を記録した佐々木が続き、午前のセッションは終了した。
【Session 7】
14時10分から行われたセッション7では正午から降り出した雨が本降りとなり、本格的なウェットコンディションのなかで走行が開始。このセッションでは車両確認のため、#12 細川由衣花(CSA racing)の車両に坪井翔が乗車した。
まずは下野が1分58秒168でトップタイムをマークし、2番手に翁長がつづく。このセッションでは翁長が好走を見せ、開始13分に1分56秒558を記録してトップに浮上。ラストアタックで1分54秒722までタイムを削り、このセッションをトップで終えた。
下野も好ペースで周回を重ねるがトラフィックに悩まされ、思うようにタイム更新がかなわず。1分55秒153を記録して2番手につけ、3番手には1分55秒351を記録した佐々木が続くトップ3となった。
【Session 8】
セッション8では当初スタート練習が予定されていたものの大雨によって中止に。気温13度、本降りの雨が降り続くウェットコンディションのなか、10分遅れの15時40分から通常のテスト走行が開始された。
序盤は佐々木が1分56秒185でトップタイムを記録。2番手に1分55秒936で翁長が続き、Kids com Team KCMGの2台が好走を見せた。開始8分、#87 山本龍(Autolook Racing Factory)と#57 チョウ・ウンチン(Buzz Racing)の2台が絡むアクシデントが起き、セッションは赤旗中断となる。残り9分で走行再開、多くのドライバーがベストタイムを更新していくなか、翁長が最終アタックで1分55秒334をマーク。セッション7に続いてトップタイムを記録した。2番手には1分55秒668を記録した斎藤、3番手に佐々木が続き、序盤に記録したトップタイムがそのまま3番手タイムとなった。
なお、第2回合同テストのトップタイムはセッション1で下野が記録した1分44秒847となり、前回のテストに引き続き、総合トップの座を獲得した。
Driver’sVoice
第2回合同テスト総合トップ
#86 下野璃央(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL with Dr.DRY)
「とりあえず、今回もトップをとることができてよかったです。でもここまでトップできているので、プレッシャーを感じています。今回はウェットコンディションでのテストになりましたが、いろいろなことが分かったので、雨の中でテストができてよかったと思います。次回のテストでも、このままトップを守り抜きたいです」